カルマ
貴様は先程の若造よりも私を楽しませてくれるなぁ?
メル
当たり前でしょ
メル
私をあんなぽっと出の雑魚と同じ扱いにしないでよね
メル
それよりあなたは口を開くよりも手を動かしたら?
メル
さっきから防戦一方じゃなくて?
カルマ
確かにそうかもなぁ?
カルマ
だが、この防戦が演技だとしたら?
メル
はぁ?
カルマ
あの若造に使ったスキルをまだアンタには使ってないよなぁ?
メル
使ったところで私が劣勢になるとでも?
カルマ
では、実際に体験してもらおう
カルマ
『闇ガ遍ク手』
メルの影から先程アキトを苦しめた触手のような陰が足元に絡みつく
メル
くっ!?
メル
私の影を利用した!?
カルマ
こんな身なりですが私も紳士の端くれ
カルマ
女性に手を挙げることはしたくないですが
カルマ
それとは裏腹に内に眠る残虐性がゾクゾクして顔を覗かせますね
メル
影が身動きを封じるならその影を消せば…
カルマ
私がそれをさせるとお思いで?
剣を地面に突き刺し拳で直接メルにダメージを与えていく
メル
ゴハッ!?
カルマ
そんな大きな剣を持っていては守れないですか
カルマ
さぁ、まだまだいきますよ
メル
メル
グフッ…
メル
メル
ヴォア!
カルマ
おやおや?
カルマ
女性とは思えない汚い声で鳴きますね?
カルマ
戦乙女の名は嘘ですか?
メル
はぁ……はぁ………
メル
ジワジワ痛ぶるのがあなたの趣味ね…
カルマ
普段の立ち振る舞いで抑制してるので
カルマ
時々こうして溜まったものを出さないといつか破裂してしまいますから
メル
でも残念ね
カルマ
はい?
メル
私の持ってるスキルは名の通りスロースターターなのよ
メル
こうして時間かけてくれた方が私としてもありがたいわ
カルマ
では、そのスキルでこの状況を打破できると?
メル
今それを見せてあげる
メル
『剣技 ウィンドブラスト』
メルの周りに爆発的強風を巻き起こしカルマを後方に吹き飛ばす
カルマ
くっ…
カルマ
何も抵抗しなかった理由はコレをやるためか
カルマ
とは言え足元は闇ガ遍ク手によって固定されてる……
メル
メル
縛り上げるにはちょっと緩いわね
カルマ
なに?
メル
闇の反対は光でしょ?
メル
私はその固定してきたスキルか魔法かなにかは知らないけど
メル
ソイツを光魔法で相殺してくれたわ
カルマ
なるほど…
カルマ
確かにあなた自身が強く光れば影は消えます
カルマ
それで脱出したと言うわけですね…
メル
さて…
メル
さっきはよくも殴ってくれたわね?
メル
基本私は口調を崩したくは無いのですが
メル
昔からの悪い癖でしてね…
メル
頭に血が上ると”素”が出てきてしまうの
メル
メル
しっかりお礼してやるよ
メル
まずはこんな在り来りな大剣の姿から変えてやる
カルマ
(あの大剣まさかマジックウェポンか?)
メル
『剣技 フォームチェンジ【焔】』
無骨なデザインだったメルの大剣はその言葉と共に姿を変えていき
両刃だったものが片刃の大剣に姿を変え龍の頭部を模した装飾が成された
メル
まずはこれからね
カルマ
(なるほど…)
カルマ
(彼女の戦闘スタイルは相手や状況に応じて大剣の属性や形を変えるのか)
カルマ
(魔法なども使えるようだがメインはやはりこういった近距離戦か)
メル
そのフルプレートの鎧溶かしたからごめんね
カルマ
溶かせられるならやってみるといい
メル
ならまずは小手調べということ…で!
カルマ
(速いな)
大振りな大剣を持っているというのにまるで短剣のような身のこなしで距離を縮め
既のところでカルマは回避するもその剣筋からは炎が放たれ鎧を少し熱していく
カルマ
これは驚いた
メル
ちっ…
メル
さすがに一撃で沈められないか
カルマ
その身体から超スピードと大剣を振り回す筋力は中々想像できませんね
メル
私の性分的にこの戦闘スタイルが落ち着くの
メル
全てを破壊して回れるほどの力っていいものよね
カルマ
残念ながら私はあなたのような豪快な性格とは反対でして
カルマ
片手剣のようなオーソドックスな形が好みなんですよ
カルマ
それと豪快に物を振り回すよりも
カルマ
チクチクした攻撃を繰り返して徐々に追い詰めるのが大変愉悦でしてね
メル
なかなかに相反する見たいね私たち?
カルマ
えぇそのようで
カルマ
カルマ
ちなみにこの性格の悪さは既に発揮されてましてね
メル
なに?
カルマ
あなたは私を見ることだけに気を囚われすぎた
カルマ
まだ私の部下は存在してるのですよ
メル
!!
カルマ
お気づきになりましたか?
ルームル
ルームル
『メルさん!大変です!!』
ルームル
『スケルトン部隊がこちらに来ています!』
ルームル
『メルさんやアキトさんのおかげで数は少なくなってますが』
ルームル
『それでもこの量は捌ききれないかもしれません!』
ルームル
『アキトさんは今どうしてるんですか!』
ルームル
『もし可能であるなら彼をこちらに……』
ルームル
ルームル
『くっ!ウル!!1度下がってください!』
ルームル
『私が回復を……』
カルマ
カルマ
戦闘狂とは強敵を目の前にすると視界や考えが狭まるようだなぁ?
メル
ちっ!
カルマ
彼の方は残念ながら影の牢獄に閉じ込めさせてもらってるので
カルマ
東門の援護には迎えないでしょうね
メル
あいつが使えないなら私が行けば事が済む
カルマ
ほぉ?
メル
速攻であんたを倒して東門に戻る
カルマ
私を甘く見てますね?
カルマ
あなた自身も口にしたでしょう?
カルマ
私はカラミティ級の力を持ってるのですよ?
カルマ
速攻で倒せると思ってるのはあなただけです
メル
ならその身に刻ませてやるよ
メル
口だけじゃなくてそれを可能にしうる実力があるってことを!