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全ての始まりとなったのは数ヶ月前のこと――。
みさとの不倫にけんたが気づいたきっかけは、実にシンプルで単純なものだった。
数ヶ月前の仕事帰り、普段ならば通り抜けるだけの歓楽街にて、男と腕を組んで歩いているのを目撃したのである。
2人はそのままホテル街へと姿を消した。
その時は他人の空似かもしれないと、けんたは思い込もうとした。
だが――。
決定打となったのは、放置されたままだった、みさとのスマホの画面を見た時のことだった。
あれはまだ夕方で、普段なら誰もいない時間帯だから、きっと油断していたに違いない。
そこに羅列するは、おそらく付き合い立ての高校生でも交わさないような、甘い言葉のやり取り。
――正直、吐き気がした。
けんた
最初に沸いたのは嫌悪感だった。
けんた
けんた
あの女は、この家に必要なのだろうか。
けんた
けんた
数日後――日曜日、深夜。
家族が寝静まるのを待ってから、けんたは物音を立てないようにガレージに降りた。
その日の昼間、一度はメンテナンスされたはずの車。
いつものところにかけてある鍵を手に取ると、車に乗り込んだ。
けんた
けんたはある細工を施すことにした。本来ならば抜かねばならないブレーキ周り。
あえてエアーを抜き忘れたことを偽り、ブレーキの能力を極端に低くする。
けんた
もし事故を起こした場合、その原因がブレーキフルードにあることが判明してしまうかもしれない。
すなわち、直前に整備をした人間に向かうかもしれない。
しかし、それでも構わないとすら、けんたは思い始めていたのであった。
そして翌日、帰宅したけんたは愕然とした。
なぜなら、細工を仕掛けたはずの車が、無傷の状態で停まっていたから。
すぐに作戦が失敗に終わったことを察したけんた。
もう少し確実な手段を講じるべきだと思い、事前に用意していた次の策へと手段を移す。
それが不凍液による毒殺だった。
ひやま
工場に入るなり、自分のことを呼び捨てした男に苛立ちを覚える。
しかし、目的のものを手に入れるために、けんたはぐっと堪えた。
できる限り平静を保ちつつ答える。
けんた
ひやま
けんた
けんた
ひやま
ひやま
けんた
自分でも信じられないほど、取り繕えていることに驚いた。
けんた
けんたはそんなことを考えつつ、律儀にも頭を下げて帰宅したのであった。