テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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わんわん日和

第2話 - にわだぞ！

241

2024年12月22日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊

司

むむ…日が登ったな。

司

さて、食料調達に…

類

Zzz…

司

…ああ、そうだ。コイツがいるんだったな。

司

おーい、類。起きろ〜。腹が減ったぞ。

司

類〜〜

類

う、うぅん…

司

類！

類

……司くん、今5時なんだけど、、

司

む？

類

随分と早起きなんだね……えっと、ご飯かな？

司

ああ！

類

そっか…えっと、ちょっと待ってね。

類

よいしょ…こんなに早起きしたのは初めてだよ…

司

むむ？

類

ふふ、君がいると寝坊しなくなるかもね。

類

さて、下降りようか。おいで。

司

む、一人で降りれるぞ！

類

あっ、待って〜！！

司

ふふん、どうだ！階段くらいは降りられるぞ！

類

わっ、司くん凄いねぇ。階段の昇り降りも出来るのかい？

類

随分と賢いけど…もしかして、元飼い犬かい？

司

なぬ？！違うぞ！オレは産まれてこの方、高貴な野良だ！！

類

野良って決めつけちゃったけど…もしかしたら、飼い主がいたのかな…

司

おらんぞ！

類

うん…念の為、市役所とかに確認しておくね。

司

し…？よく分からんが、オレに主人なんかおらんぞ！

類

はい、とりあえず朝ごはん。たくさん食べてね。

司

む！

司

もぐもぐ……うむ、美味いな！

類

美味しい？

司

うむ！

司

…ハッ、やらんぞ？！

類

ふふ、そんな急いで食べなくても、誰も取らないよ。

司

あ、そういえば…ここには、カラスもおらんのか。

司

いつもオレの餌を奪ってくる野良猫もおらんし、悪くないな！

類

さて…ちょっと出かけてくるけど、お留守番出来るかい？

司

む？

司

どこへ行くんだ？

類

ふふ、すぐ戻るよ。お水はここに置いておくからね。

類

お留守番できる？

司

るすばん…

司

あっ、この家を守っておけという事か？

司

それなら任せておけ！安心して行ってきていいぞ！

類

…行ってきていいのかな？

司

ああ！家のことは任せろ！

類

ふふ、じゃあお留守番よろしくね。

類

行ってきます、司くん。

司

あぁ！カラスに襲われんように気を付けろよ！

バタンッ

司

よし……

司

探検だ！！

司

むむ、ずっと気になっていたが…この、黒くて薄い箱はなんだ？

司

む、これは知ってるぞ！"てーぶる"だ！

司

この部屋には2つもあるのか…！

司

おっ、このふかふかなのは"そふぁー"か！

司

クンクン…

司

……類と同じ匂いだ

司

♪

類

(司くん、ちゃんとお留守番出来てるといいけど…)

ピンポーン

「はい」

ガチャッ

冬弥

類、いらっしゃい。

類

冬弥くん！お邪魔します。

冬弥の家

類

彰人く〜ん、いる？

彰人

！

類

あっ、彰人くん！僕だよ〜

彰人

…ﾌﾟｲｯ

類

あっ…

類

うぅん…まだダメかぁ…

冬弥

いいや、随分と心を開かれてると思う。

冬弥

普段は人が来た時、どこかへ隠れて行ってしまうから。

類

そうなの？

冬弥

ああ。

彰人

ﾄﾄﾄｯ

類

えっ、彰人くん？

彰人

ｸﾝｸﾝ…

類

嗅がれてるけど…これって、懐かれたのかな？！

冬弥

どうだろう。何か気になる匂いがあるのかもしれないな。

類

気になる…あ、司くんの匂いかな？

類

えへへ、僕もわんちゃん飼うことにしたんだ〜

彰人

！

彰人

ｸﾞﾙﾙﾙ…

類

え？！なに？！

冬弥

あぁ、彰人は犬が苦手で…

類

え、同じわんちゃんなのに？

冬弥

ああ。散歩の時も、他の犬とすれ違ったら怯えてしまうんだ。

類

そ、そうなんだ…一緒に遊ばせてあげられると思ったんだけどなぁ

冬弥

それはまだ少し遠いかもしれないな。

冬弥

類、何飲む？

類

お茶がいいな。

冬弥

分かった。少し待っててくれ。

類

ありがとう。

類

彰人く〜ん

彰人

ﾌﾟｲｯ

類

うぅ…

類

(一年くらい通ってるのにな〜…)

冬弥

類、淹れたぞ。

類

あっ、ありがとう！

冬弥

そうか。野良を保護して…

類

うん。でも、念の為飼い主がいなかったのか確認しに行こうと思うんだ。

冬弥

そうだな、それがいいと思う。

冬弥

類、学校は休みなのか？

類

うん！今は冬休みなんだ〜

類

冬弥くんもお仕事お休み？

冬弥

ああ。久しぶりの三連休だ。

類

わ、貴重な休みに押しかけちゃってごめんね…

冬弥

いいや？むしろ来てくれて嬉しい。

彰人

…

類

あれ、彰人くんどうしたの？

冬弥

類に構って貰えなくなって寂しくなったのか？

類

えっ、そうなの？おいで〜

彰人

ﾌﾟｲｯ

類

や、やっぱりダメか…

冬弥

彰人…照れ隠しとはいえ、そろそろ素直にならないと。本当に構って貰えなくなるぞ。

彰人

…

彰人

ﾄﾄﾄｯ

類

ふふ、おいで〜

類

よいしょっ、と。

類

見て見て！初めて膝に乗ってくれたよ！

類

ふふ、よしよし♪

冬弥

あぁ、良かったな。

類

でも、彰人くんって本当に静かだよね。あんまり鳴いてるところ聞いた事ないな。

冬弥

そうだな…静かな方だと思う。

類

ふふ、司くんはいっぱい鳴くんだよね。元気いっぱいなんだ〜

彰人

…

冬弥

…彰人、そんな嫌そうにするな。

類

え、嫌そうなの？！

冬弥

あぁ…彰人は、吠える犬も苦手でな。

冬弥

自分の鳴き声も怖いらしくて、だからあまり鳴かないんだ。

類

そ、そうなんだ…やっぱり変わってるねぇ

類

う〜ん…司くんも連れて遊びに来ようと思ってたんだけど…

類

冬弥くん、近いうちに家に来てもらっていい？司くんも紹介したいし、僕に色々教えて欲しいんだ。

冬弥

もちろん。明後日ならまだ何も予定が無いし、明後日でいいか？

類

うん！待ってるね！

ガチャッ

司

む、むむ…

類

あっ、起きた？おはよう。

司

む、類！帰ってきたのか！

類

ふふ、ちょっと遅くなっちゃってごめんね。会いたかったよ〜〜！

ギュッ

司

ぬおっ？！なんだ、そんなにオレが恋しかったか！

司

って、ん…？？

司

クンクン…

類

？

司

………………………

司

おい！！！どこへ行っていたんだ？！知らない犬の臭いがするぞ！！！

類

わっ？！な、なんか怒ってる？？

司

離せっ！！浮気だ！！！

類

わ！暴れたら危ないよ〜〜！

司

ｸﾞﾙﾙﾙ…

類

え、えぇ？！なんで…

司

お前が！知らない犬の臭いをつけてるからだろう！

司

どこへ行っていたんだ！！

類

？？？

類

よ、よく分からないけどごめんね。許して欲しいな…

司

むむ…！

類

あ、お腹空いてるよね。お昼ご飯用意するね。

司

ご飯なんかじゃ許さんぞ！オヤツも出せ！

類

？

類

あ、オヤツも欲しいの？

司

おお！そうだ！よく分かったじゃないか！

類

ふふ、わかった。持ってくるね。

類

はい、どうぞ〜！たくさん食べてね。

司

うむ！

司

もぐもぐ…

類

ふふ、今日はね、冬弥くんのお家に行ってたんだ。

司

む、誰だ？

類

冬弥くんっていう…近所に住んでるお兄ちゃんがいるんだ。

類

本当の兄弟ではないけど、とても優しくてね。僕が小学生の時から面倒見てくれてるんだ。

類

ふふ、明後日ここに来てくれるんだよ。

司

もぐもぐ…

類

…僕も、そろそろ何か食べようかな。

類には親がいないのだろうか？

司

(なら、オレと同じだな)

司

(そういえば、最初に"寂しい"とか言ってたような…)

司

(ふん、一人が寂しいとは、まだまだ軟弱だな！)

類

えっと、これを温めればいいんだよね。

司

(まぁ…見たところ、子供みたいだしな。)

司

(仕方ない！オレが面倒見てやろうではないか！)

ドカーーーンッ

司

ぬわっ！？！？

類

わっ？！

司

な、なんだなんだ？！どうした？！

類

れ、レンジが爆発しちゃった！

司

何？！？！レンジとはなんだ？！

類

ど、どど、どうしよ…！またやっちゃった…！

司

「また」？！？

類

えっと、向こうにタオルがあったはず…！

司

むむ…

司

クンクン…これが人間のご飯か？

類

あっ！た、食べちゃダメだよ！

司

む？

類

す、すぐ片付けるから！絶対に食べちゃダメだからね！

司

おお…慌ただしい奴だな。

類

ふー…なんで爆発したんだろ…

司

あのレンジとかいう箱、恐ろしいな…

類

ん〜…今日はご飯いいや。

司

何？！お前、朝も食べて無かっただろう！

司

食わねば生きていけないんだぞ！！

類

…？

司

えーっと…ほら！オレのご飯分けてやるから！

類

…もしかして、それくれるの？

司

ああ！ちゃんとご飯は食べろ！

類

えっと…食べろってことかな？

類

ふふ、もしかして心配してくれてるの？

司

ああ！お前、よく見たら細すぎるし、普段からちゃんと食べて無いんだろう！

司

オレの残りのご飯やるから、ちゃんと食え！

類

…ふふっ

類

ありがとう。でも、貰えないよ。それは司くんが食べて。

司

む！

類

ちゃんとご飯食べるよ。とりあえず今日はデリバリーにするね。

司

む…よく分からんが、ちゃんと食うんだな？

司

まぁ、それなら良しとしよう。

類

ふふっ、なんか僕がお世話されてる気分だな。

司

む？そうだが？

類

何頼もうかな〜

司

？おい、その薄っぺらい板はなんだ？

類

わっ！なになに？これが気になるの？

司

クンクン…

類

ふふ、これはスマホっていうんだよ。

司

おぉ、人間がよく持ってるやつか！

司

なるほど、これをスマホと言うのだな。

類

ふふ、頼むからちょっと待っててね。

司

おぉ…！こんな薄っぺらいのに、どうなってるんだ？！

司

人間も中々奇怪なものを作るなぁ

類

さて、注文も出来たし…届くまで、一緒に遊ぼっか。

司

む？遊びたいのか？

司

仕方ないな、付き合ってやろう。

類

ふふ、ずっとやってみたかったんだ〜

類

はい！

司

…………ん？

司

ま、待て…類？それ、猫じゃらしでは…？

類

あれ？司くんはこれ好きじゃないのかな？

司

そりゃ犬だからな

類

う〜ん、これはダメかぁ

司

類はオレを猫だと思ってるのか…？

類

じゃあこれ！ボールで遊ぼ！

司

おお！いいモノを持っているじゃないか！

類

ふふ、行くよ〜！それっ

司

む！待て丸いもの！！！

司

ふふん！捕まえたぞ！

類

わ〜！司くん凄いね！

司

ハッハッハ！当然だ！

類

ねぇねぇ、それ僕の所まで持ってこれる？

司

む？なんだ、欲しいのか？

司

仕方ないな！ほら、取ってきたぞ！

類

わ〜！！すごいすごい！！✨️

類

ふふっ、やっぱり賢いねぇ！

司

ふっふっふ、よく分かってるじゃないか！

類

ふふ、よしよし！よく出来たね〜

司

む！

司

当然だ！オレだからな！

類

えーっと、こういう時ってオヤツあげるんだっけ？

司

む？オヤツ？

類

はい！よく出来たから、ご褒美だよ〜

司

おぉ！その丸いものと等価交換というやつか！

司

むぐむぐ…うむ！美味いな！

類

凄いなぁ…やっぱり、飼い主いたのかな。

司

またその話か…おらんと言ってるだろう。

司

オレは産まれてからずっと、気高い野良で…

ピンポーン

司

なんだ？！敵か？！

類

あ、ご飯来たみたい。

類

は〜い！今行きま〜す！

つづく

わんわん日和

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犬系男子がホントに犬になったらこんなに可愛いんだね😇😇💘 冬弥の「類」呼び…！！呼び捨て…！！！！ちょっと昇天してきます✋

新しいものを見るたびに可愛い反応をする司わんが愛おしすぎる…😭💞 「犬嫌いの彰人が犬」とかいう尊すぎる状況に悶えています、今日も元気です司は親がいなくて、飼い犬くらいに賢い……そして浮気されるのが嫌←めっちゃありがとう人間を外で観察してただけにしては賢すぎる気もするので、やっぱり記憶がないだけで飼われてたのかな……保護施設にいたとか。もしかしたら、飼っていた子がいなくなっちゃったのかな〜…