遊
私は両親から愛されなかった
遊
私の居場所なんてどこにもなかった
遊
だから私は“あの時”、死のうと決意した
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でもそこで茜に止められてから、私の人生は変わった
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ルルちゃんや刹那さんとの出会い、死研の設立、榊原...いや彼岸さんとの再会
遊
そして何よりも“約束という呪縛”の中でも私に付き合ってくれた茜の存在...
遊
私はこれ以上ないくらい人生を楽しんでる
遊
でもね、それと同時に苦しさも増すんだ
遊
生きたいけど生きたくない
遊
その結論はやっぱり私が最初から決めていた死ぬことだった
遊
だから私はね、茜に感謝してる
遊
ありがとう、私の“わがまま”に付き合ってくれて
遊
だから...もう終わりにする
遊
今まで出会ってきた人達にさよならを
遊
茜と“約束”という名の“わがまま”にさよならを
遊
そして...
遊
遊
風祭 遊の人生にさよならを
遊
...これが、私が茜に贈るプレゼントだよ
茜
....
茜
そうか...
茜
最後までお前らしいプレゼントだな
茜
ありがとう、受け取るよ。そういう風に言ったのアタシだもんな
茜
じゃあ、そのお返しを渡さないとな
茜
遊、アタシは動けないから動いてほしいんだけど...
茜
そこの棚の上から2番目の引き出しを開けてくれるか?
私は言われたとおり 引き出しを開けると そこには白い封筒があった。
遊
これ?
茜
そうだ、でも開けるのはアタシが死んでからにしてほしい
遊
何でそんなに勿体ぶるのさ
茜
いいだろ?その方が面白くて
遊
んー...早く見たい...
茜
それ逆に言えば早く死んでほしいって言ってるようなもんだぞ
遊
...分かった、我慢する
茜
ああ、そうしてくれると助かる
遊
じゃあ、私はこれで
茜
プレゼント渡しに来ただけか
遊
私も私で死ぬ前に身辺整理とかしなきゃいけないからね
茜
...そうか
茜
じゃあ、また会いに来いよ
茜
できればアタシがまだ生きてる内にな
遊
分かってるって
遊
じゃあ、またね
そして私は病室を後にした。
茜
...行ったか?
茜
はぁーあ...“さよなら”か...
茜
(アタシも周りの人達に別れの言葉とか考えなきゃな...)
茜
(でも...その前に...)
茜
茜
(“あの女”に一泡吹かせたいな...)







