pr
__
無彩
無彩
無彩
あの日、俺の人生の歯車が動き出した日。
あの日は雨が降り注ぐ寒い日だった。 街ゆく人、皆傘をさす中、俺は傘も持てずにびしょ濡れの床に腰掛けていた。
俺を見た街の人は、誰も見て見ぬ振りして通り過ぎていく。
__
そんな中、そう言って、傘を差し出してくれたのは、とても容姿の整ったお姉さん。 寒そうな程丈の短いスカートに黒の編みタイツ。
お姉さんを無言で見つめる俺にお姉さんは困ったような顔をした。
__
お姉さんは俺を抱き抱えると、家の場所を聞いた。 俺が家の方向に指を刺すと、俺を抱えたまま歩いて家まで送ってくれた。
家の前までつくと、雨はとっくに降り止み、 お姉さんは驚愕した様子で俺に尋ねた。
__
俺はここで始めて言葉を発した。
pr
俺がそう言うとお姉さんは少し、いやだいぶ動揺していた。
__
数秒の沈黙の後、焦ったように俺を下ろし、頭を下げた。
__
物凄く慌てるものだから、俺は少し笑う。
__
pr
お姉さんはホッと安堵したように肩を下ろし、俺に微笑みかけた。
__
クルッと回り小さい背中が遠く、もっと小さくなっていく。
俺は兄様達との喧嘩の末少しの間だけ家出をするつもりだった。 だが、運悪く外は雨。 俺は引き篭もりなため体力が乏しい。疲れてその場に座り込んでしまった。
結構厚着だったからか、俺の正体には誰も気付かずスルー。 運良く声をかけられ帰って来れた。
とても、可愛かった。 こんな出会いがあるのならば、一人で街に降りるのも悪くない。
pr
雨に降られ濡れた髪と服。 俺は帰った時、兄達に謝られ両親に叱られた。
無彩
♡100以上、視聴10以上
無彩
コメント
5件
色々設定ガバいかも
最高すぎる🩵🫶✨ もしや天才か?! 続きが気になりすぎる( * ॑꒳ ॑* )✨ 楽しみに待ってるよ!