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実話です
タイトル
花言葉。
この季節になると思い出す。
あの、青い花ともう会えない君を…。
1年前。4月。
キーンコーンカーンコーン……
先生
友達
私
友達
友達
友達
私
私
友達
私
友達
私
友達
友達
私
私
私
私
友達
友達
私
友達
私
友達
私
遠ざかって行くポニーテールを恨めしく見つめながら。
私は委員会の集合場所へと向かった。
先生
先生
先生
パチパチパチパチパチパチ………
先生
私
私
私
ありきたりな自己紹介をし、席に座る。
パチパチ…、と無感情な拍手が鳴った。
一通りの自己紹介が終わったあと、団ごとの集まりがあった。
各団で係の割り振りがある…らしい。
私
朔
私
私
朔
私
朔
………これが朔との出会いだった。
朔
花壇の花の植え替えをしながら彼…宮ノ内くん、が話す。
私
朔
朔
私
そう言いながら、私は手元にある花に目を落とす。
青くて小さい花。 綺麗…。
私
朔
私
私
私
朔
そう言ってニコッと笑った君の笑顔に
ドキッとしてしまったのは気のせい、だろうか?
私
また、春が来た。
1年前、紺のセーラー服を身に纏っていた私も、
今は糊の付いたブレザーを来ている。
私
私
笑ったときに不意に見える白い歯。
風に吹かれるとふんわりと舞う薄茶色のマッシュルームカット。
私より少し高い位置にある頭。
私を見つけるとすぐに駆け寄ってくるそのシルエット。
カマキリを見せて来たときのそのいたずらな目。
腕まくりをしたときにチラッと見える小麦色の肌。
真剣な横顔。
「僕、先輩のことが好きなんです。」と言ったときに感じた体温。
私
忘れられない。
どうして、私は素直に自分の気持ちを伝えられなかったんだろう。
どうして、逃げてしまったんだろう。
あの時、勇気を出していたら未来は変わっていたはずなのに…。
電車の中から見える風景は、もう見慣れたものではない。
私は、引っ越したんだ。父の転勤で。遠い街に。
忘れよう、と思っても。もう忘れられない。
もう、君には2度と会えない。
それが分かっていたとしても。
「そんな子供の恋愛に本気になるなんて…w」
…と、姉は言う。
本気になっちゃ、いけないって分かってる。
でも、忘れられないんだ。
だって。あれは、私の…。
私のたった一度きりの、
本気の「恋」だから。
君の町から遠く離れた南の街で。
今日も、私は君の幸せを祈っている。
絶対。また、
会えると信じて…。
「勿忘草」の花言葉。
「私を忘れないで。」
「本気の恋。」
コメント
4件
わ〜なんか泣けてくる〜(´;ω;`)