サジー
音楽の授業以来
マリーニやゼーデラはおろか
ガミスやダエルにまで 相手にされなくなってしまったサジー
サジー
サジー
魔力がこもっていなかった?
それ以前に歌唱力の問題?
サジー
サジーは頭を抱える
流石のサジーもこの状況には 参ってしまっていた
ゼーデラ
ダエル
マリーニ
マリーニが隣の席から一喝する
サジー
マリーニ
サジー
マリーニ
マリーニは黙ったまま バイオリンを磨いていた
サジー
サジー
サジー
マリーニ
マリーニには周りの様子を伺うと
こくり、と小さく頷いた
ガミス
そんな様子を気に食わないと いった様子でガミスが睨みつけていた
ガミス
ガミス
ガミスは自分より先に実力発表会に 抜擢されたマリーニが気に入らない 様子だった
そんなガミスの言葉を マリーニは鼻で笑い飛ばす
マリーニ
マリーニ
マリーニ
ガミス
ガミスは自席に戻ると
近くにいたジュベアとリリーナに 耳打ちする
ジュベア
リリーナ
ガミスが何が指示をしたようで
マリーニの席に近づくと
マリーニ
サジー
大きな音に振り返ると
マリーニの机が横倒しになっていて ペンやノート、水筒の中身が散乱していた
ジュベア
リリーナ
マリーニ
マリーニ
倒れた水筒の中身が バイオリンのケースにかかっていた
マリーニは慌てて中身を確認する
マリーニ
幸い中には染みていないようだった
バイオリンを窓辺に置き 散らかった物をを拾い始める
マリーニ
ジュベアやリリーナには目もくれない
すると
ジュベア
マリーニ
そんなマリーニの髪を ジュベアが引っ張り怒鳴る
元々静かだった教室の空気が 更に凍りつくのを感じた
サジー
がたっ!
無意識にサジーは立ち上がっていた
サジー
とっさにそんなことを思ったが もう引き返せない
教室中の視線がサジーに注がれていた
ジュベアとリリーナも睨んでいる
サジー
サジー
リリーナ
ジュベア
ジュベア
サジー
サジー
サジー
リリーナ
リリーナ
サジー
ダメだ……
この人たちには何を言っても 届かない
ガミス
ガミス
ジュベア
ジュベア
マリーニ
マリーニ
マリーニ
マリーニが立ち上がって ジュベアを睨む
ジュベア
ジュベア
ジュベアが怒りに わなわなと震えている
またマリーニが……
サジー
あわててマリーニの元へ近づく
ジュベア
リリーナ
ジュベア
サジー
ジュベアがサジーの肩を掴む
そして右手を高く上げる
サジー
まるであの時のような光景
忘れたい光景がフラッシュバック しそうになる
サジーは身体が硬直し 反射的に目をつぶる
ジュベア
ジュベア
そんなサジーの様子を見て ジュベアは投げるように解放する
サジーの身体は
窓際へと叩きつけられる
サジー
サジー
サジーのすぐ横で 鋭い悲鳴が聞こえた
その場にいた誰もがその声の元へ 目を向ける
見るとマリーニが 窓から身を乗り出し下を見ている
マリーニ
マリーニ
サジー
その言葉を聞いてサジーは サーッと血の気が引くのを感じた
サジー
サジー
サジーも身を乗り出す
サジー
マリーニ
マリーニが勢いよく教室から飛び出す
その様子を見たガミス達は 邪悪な笑みを浮かべていた
ガミス
ガミス
ジュベア
リリーナ
そう言うと3人はさっさと教室を出て マリーニとは反対方向に消えた
サジー
サジー
呆然と立ち尽くすサジー
ゼーデラ
ゼーデラ
「どいて」と いつの間にか隣に立っていたゼーデラ
その声でサジーは我に返る
サジー
ゼーデラ
サジーも教室を飛び出し マリーニを追った
ゼーデラ
バン!
と、ゼーデラは勢いよく窓を閉める
ダエル
ゼーデラ
サジー
やっとの事でマリーニに追いつく
いつの間にか空は真っ黒で
ぽつぽつと雨が降り出していた
そんな中
マリーニ
マリーニ
手や服を汚しながら マリーニは必死にバイオリンを探していた
サジー
マリーニ
マリーニはサジーの言葉を遮るが こちらを振り向かない
その声が今まで聞いたマリーニの どんな声よりも低く抑揚がなくて
次の言葉が出てこない
サジー
マリーニ
マリーニ
サジー
サジー
何を言っているの私は
見つからないから こんなに探しているんじゃない
しばらくの沈黙の間
雨は本降りになっていく
マリーニ
マリーニ
マリーニの悲痛な叫びは 涙声だった
サジー
なんとか絞り出した声
マリーニ
マリーニ
マリーニ
サジー
そう言うとマリーニは立ち上がり
走って校内に入ってしまった
サジー
自己満足な正義感で
取り返しのないことを してしまった
そんな言葉が頭をぐるぐると回る
去っていくマリーニを 追いかける資格はない
雨はどんどんと勢いを増し 身体を冷たく濡らすが
目から零れる水だけは熱かった
サジー
サジー
サジーはしゃがみこみ
バイオリンを探し始めた
どれくらい探し続けただろうか
手は悴み、感覚がない
サジー
サジー
はぁ、と息を吐き 体制を起こす
目を休ませようと何気なく遠くを見る
サジー
前方5m程先に見た事のある茶色
ふらふらの脚でなんとか立ち上がり
「それ」に近づく
サジー
間違いない
マリーニの バイオリンだった
所々破損しているが
とにかく見つかった安堵感で
サジーは思わずバイオリンを抱き締め
その場にへたり込む
サジー
サジー
サジー
サジー
サジーの意識はそこで途切れた
つづく!
キャラクター紹介
コメント
18件
めちゃおもしろい!!続きを本当に楽しみにしています
サムネ可愛いです…!!やっぱり最後のキャラクター紹介の所が面白いわぁ…!!!あ、ちなみに最初の所ガミスが がミスにになっています…