俺は冬になると、亡霊が見えるらしい
去年の冬、俺は亡霊が見えることに気づいた。
俺だけが見える亡霊に会ったんだ。
俺は覚えている。
あの日、この時間帯に、この場所で。
君に会ったんだ。
俺は冬休みに入った。
今家に帰っている途中だ。
寒いから早く家に帰りたい。
急いで帰ろうと小走りしていた足が、急に止まった。
君が見えたから。
また、会えたんだ君に。
慧 .
なにしてんの
あ!慧くんだ!!
なんで俺の名前知ってるんだろう
教えていないのに
慧 .
君の名前は?
教えなーい!!笑
教えないのには何か理由があるのだろう。
慧 .
寒くないの
ちょっとだけ寒いかも!!笑
去年もこんな会話をしていたような気がする。
亡霊だから寒さ感じないと思ってたけど。
慧 .
俺の家来る?
え、いいの!?
慧 .
うん
何故だろう
2回目なのに、もっと会ってるような気がするんだよな
慧 .
俺の部屋ここ
綺麗だねー!!
君は常に笑顔だね
その笑顔が愛おしくてたまらない
慧 .
今まで何してたの
んー、秘密かな!!笑
俺は何かを察して、これ以上聞くのを辞めた
慧 .
明日雪降るらしいよ
え、そうなの!?
やったー!!
君は雪が好きなんだね
明日一緒に雪だるま作ろうね!!
慧 .
そうだね
俺は君の上目遣いに勝てなかったみたいだ







