太宰治
っ……!!
倒れた椅子、消えた硝子電球、 割れた装飾品、珈琲割賦。
荒れ果てた店内の奥に、店長が倒れていた。
中島敦
店長!
与謝野晶子
何があったンだい!?
中島敦
!、太宰さん、店長の指が…!
座り込む店長に駆け寄る探偵社の面々。
店長の抑える手は、爪が剥がれ、 真っ赤な血が溢れていた。
店長
大した傷じゃ……ありません…
店長
皆様が御無事で……善かった
店長
それより、雛森さんが…!
太宰治
!?
男
おれたちに計画などいらん
男
暴れ回り、恐怖を刷り込みゃ、
男
ちっちゃな探偵社は小鳥みたいに囀るだろうよ
男
組合の遺産の在処をな
雛森〇〇
離して!
男
暴れるなよ女給ちゃん
男
抵抗すりゃ君の綺麗な爪も剥いじまうぞ?
雛森〇〇
っ……!
恐怖で怯える〇〇を見て満足気に口角を上げる男。
男の手には人間の剥がれた爪があった。 何とも悪趣味な人間だ。
男
今回の親指の爪(コレクション)は上物だ
男
珈琲の香りだぞ
仲間
探偵社が動き出したようです
男
俺達を捜しにか?無駄なことを
男
俺達犯罪者組織「ザアパルク」は指名手配犯の寄合だぞ?、
男
隠れ家は四日ごとに変わり、国際警察も追って来れん
男
見つけても此処を守るのは重武装の凶悪犯十八人に監視カメラ
男
其れに電話ひとつで新たに加入した地元の犯罪者が、
男
何十人と駆けつけて来る
男
最後にあの扉、銀行にも使われる重鉄扉で爆弾でもびくともせん
男
せいぜい苦しんで───
バゴン!!
とてつもない音を鳴らして例の重鉄扉が開く。 否、"壊される"。
そしてゾロゾロと探偵社の皆が入ってきた。
雛森〇〇
皆さん!
太宰治
もう大丈夫だよ