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黄咲くんはふと周りを見渡した

琉優斗

ここで一人で
やってたんですか?

琥狼

……まぁ、ね

琥狼

教室暑いし…

琉優斗

確かにここ涼しいですね!

窓から入った風が 僕らの髪を揺らした時

黄咲くんはそう言って 気持ちよさそうに目を細める

綺麗な彼の金髪は 生まれつきだという…

その様子が、僕には 眩しいほど光り輝いていた

琉優斗

委員長って、
美術部でしたっけ?

琥狼

うん、そうだよ

僕は黄咲くんから視線を逸らす

琉優斗

他の部員さんは
居ないんですか…?

琥狼

居ることにはいるけど…

琥狼

ほとんど幽霊部員だよw

琥狼

だから、放課後は大体僕1人

琉優斗

へぇ〜そうなんですか

黄咲くんは ぶらぶらと足を揺らすと

ストッという音と共に 机から降りた。

琉優斗

あの…

琉優斗

委員長の絵
見せてくれませんか?

琥狼

え、やだよ…

琥狼

恥ずかしいもん

先生や部員なら全然問題ない

しかし、それも 人気者の黄咲くんは別だ

っていうか、黄咲くん

近くで見るとかっこいいなぁ…

噂では入学してから全校の 半分の女子が告白したらしい

優しい性格に

計算し尽くされたほど 完璧な笑顔

そりゃ落ちるに決まってる

男子の僕でもわかるほどだ

琉優斗

いいじゃないですかw

琉優斗

絵は見せるものでしょう?

琥狼

ちょっとだけ…ね?

僕も黄咲くんには敵わないやw

琉優斗

やったぁ( *´꒳`* )

確か先週描いたのが 準備室にあったかな…?

そう思い立ち上がる

琥狼

これ…あんまり
上手くないけどねw

琉優斗

……凄いです

少しの沈黙の後 黄咲くんはそう呟いた

琥狼

えっ?

琉優斗

これ、凄いです!

琉優斗

僕あんまり絵には
詳しくないですけど…

琥狼

えぇ!?

僕は別に彼の凄いという 言葉に驚いた訳では無い

彼は生徒会長もやっている

その為、絵の知識が ほとんど無いことに驚いたのだ

琉優斗

あれ?意外でした?

琥狼

うん、何でも
知ってそうだったから…

琉優斗

僕にも知らないこと
くらいありますよw

琉優斗

で、この絵は僕にも
分かるほど上手いです!

黄咲くんは 僕のことを褒め続けた…

琉優斗

ここのグラデーションとか!

琉優斗

わざと明るいのとか!

琥狼

全然、上手くなんてないんだ…

琉優斗

えっ…何でですか?

琥狼

僕ね…満足してないんだ

琥狼

この絵はもっと
上手く出来た気がするから

琉優斗

描き直したりとか…

琥狼

それじゃあダメなんだ…

この作品はいかがでしたか?

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