n回目のお願いごと

どうか、！

どうか月島を、！

ﾊﾟﾁｯ

夏休み？

月島が事故にあったのが冬だからめっちゃ戻ってきてる。

俺にとって夏合宿は思い出にはならなかった。

その理由は。

黒尾さんは月島の事が好きだ。

時間があればこうやってずっと月島の傍に居た。

ｽﾞｷｯ

俺はそれをずっと見てるだけだった。

俺は黒尾さんみたいに積極的に行けないから。

どんどん月島と離れていっちゃいそうで怖かった。

月島が黒尾さんの所に行っちゃう気がした。

だから俺は影で泣いた。

誰も見えないところでこっそりと。

積極的に行けない俺を憎みたい。

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

泣いてるところは見せたくない。笑顔を保ってないといけない。

ダメだ。バレてしまう。

早く話題を変えないと。

俺は月島のタイプにも入ってないの？

やっぱり、俺よりも黒尾さんの方がいいのかな。

俺は、、失恋しちゃったのかな、。

それから黒尾さんと月島が居るところを見ると胸がｼﾞｸｯと傷んだ。

こんな自分が情けない。

俺は失恋した身なんだから、月島の恋を応援しなきゃいけないんだ。

楽しそう。

あ、動揺してる。

本当に黒尾さんなのかな。

俺には言いたくないんだな。

辛い。

ﾀﾞｯ

次の日。

ぁ、、羨ましい。いいな。

辛い。

泣きそう。

研磨は多分、俺の好きな人を知ってる。

だから、こうやって気遣ってくれる。

不器用だけど慰めてくれる。

こういう時しか楽しめないから。

最近は月島を避けるようになり、研磨の傍にずっと居た。

息合ってないなんて、言わなくても分かってる。

合宿中の烏野はグダグダで1回も相手には勝てず、ペナルティばっかだった。

そして、あの事故の数時間前。

今回こそは助けないと。

ちゃんと黒尾さんと付き合えるように。

今回は黒尾さんのために助けないと。

ｶﾁｯｶﾁｯ

ｷｷｰｯ！ﾄﾞｰﾝ！

最悪だ。

何でこうなるんだよ。

何がいけないんだ。なんで俺を過去に戻すんだ。

神様は何をして欲しいんだよ。

神様。何がしたいの。

なんで月島を助けてくれないの。

なんで。

お願い。次こそは月島を助けて。