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更新ありがとうごさいます!!🥹♡ 💎🐇ガチめに無事で良かったあああああ😭😭😭 てか🔪相性良すぎな??? こんな神作書いてくれるsoraさん私達〇しに来てますよね????? 最後みんな集まってほんとっ…安心した
初コメ失礼しますっ! 青桃の命を預けるところ、?めちゃめちゃ好きでした!! とても続きが楽しみです✨
しばらくコメント返せてなくてすみませんでした🙇♂️ 今回から返せそうなので返していきますね!ほんと急に消えて申し訳ない....
お久しぶりです。 キリのいいところを目標にしてたら思いのほか長くなりました....ので!! 見応えが!!あるかと!!(ポジティブ)
2024/09/23投稿
第56話
「仲間の存在」
水
水
地面に身体が打ち付けられる。
水
水
紫
水
そうだ。僕初兎ちゃんに抱えられながら落ちたんだ。 まだお互いを抱えたままだった。
紫
紫
水
紫
「よかったよぉ〜〜」とか言って抱きついてくる。さっきと立場が逆転しているみたい。 でもそれが安心したりする。
水
紫
紫
お互い立ち上がって辺りを見渡す。 ずっと広がる景色。果てが見えない。
でも、狂ったように咲いている花々からはとてもいい匂いがする。 くらくらするほど濃い自然の匂いだ。
紫
水
紫
紫
水
多分みんな心配しているだろう。 早く戻ってあげないと。特に怪我なんてしてれば大変だ。
まぁあのメンツならそうそう無いか。
紫
水
紫
水
今は自分のことに集中した方がよさそうだ。
水
紫
かなり歩いたはずなのにまるでさっきのコピーのような景色が広がっている。 「口の部屋」みたいに特別な脱出方法があるのかもしれない。
水
水
さっきのようなたくさんの花の匂いが混ざった感じじゃない。 ひとつの花の匂い。スっと鼻に抜けるような、洗練されたいい匂いだ。
それと同時に懐かしい。 こんなダンジョンの地で懐かしいと感じるなんておかしな話だが、鼻が覚えている匂いな気がする。
水
そうだ。確かそうだった。
お父様の香水の匂いだ。
水
父
バッ(飛びつく
水
あれ。僕なにしてるんだろう。
ここ、教会....? それにお父様がとても大きく見える。
父
首を傾げた父の優しい顔。 そういえば儀式の前のお父様に会いに来たんだっけ。動きにくそうな豪華で真っ白の服は祭事用だったはず。
水
水
父
父
水
お父様の匂いが大好きだった。 その手で頭を撫でてもらうと、どんな時でも安心できるような匂いだ。
お母様の匂いはまた違って、お母様からは甘いはちみつみたいな匂いがする。 ぎゅっと抱きつくと優しさに包み込まれているみたいな、そんな匂い。
水
父
父
水
お父様はいつだってかっこいいし、優しいし、頼りになる。 ずっとずっと憧れだった。
いつだってその背中を追いかけていた。
水
水
教会の景色がいつもの食卓に変わる。 ほのかにグラタンの匂いがただようそこは、毎年冬に見ていた景色と酷似していた。
窓の外の雪。暖炉の中の炎。
当主様、お父様、お母様。 屋敷のベルリナの人々。
グラタンは定番メニューだったな。 でも絶対飽きない。それくらい美味しかった。
母
水
水
さっきからなんなのだろう。 自分の思い出が目の前で鮮明に流れて消えていく。これは自分の意思じゃない。
さっきの教会の記憶はお父様の言葉から9歳の頃の話だと分かる。 今のこの記憶は他のいとこの背丈から察するに12歳くらいだろうか。
水
母
父
水
でもいいなぁ.....幸せだな。
別にベルリナに生まれたからどうとか、今はどうでもいい。 本当に愛されてたんだな。
もう一度この生活に戻れたりしないかな。このくらいの子供のまま、何も気にせずお父様たちと遊べたりしないかな。
....ここに居たいなぁ。
水
水
母
水
母
水
•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
父
母
水
水
母
父
水
父
水
父
水
父
水
グラッ(ふらつく
水
父
母
水
父
水
母
水
水
母
父
水
ファサッ.....(布団
母
父
水
水
父
母
父
水
駆け抜けていく風が気持ちいい。 今はピクニック中みたいだ。あの後何度記憶が移り変ったのだろうか。
そういえば僕はどこから来たんだっけ。 あれ、そもそもここに居たのかな?
父
水
父
母
大切な人.....僕にも居るなぁ。
5人居て....仲良しで......いつも一緒で
あれ?名前が思い出せない。
水
ある人は僕のことを「ほとけっち」って呼ぶんだ。 怒りながら呼ぶ時もあるけど、治療してあげたら照れくさそうに「ありがとう」という言葉を添える、そんな人。
もう1人もすっごくいい子で、たしか.....えっと、毒使いだっけ。 ちっちゃいのに強いんだよなぁ。 あ、言ったら怒られるっけ....?
「ほとけ」って呼ぶ人たちもいる。 2人とも僕のことをとても気にかけてくれる、優しい人。 ぼーっとしてたら怒るんだけど、僕が「怪我しすぎ」って怒ったら2人ともシュンとしぼんじゃうんだよな。
あの人は.....優しい声で「いむくん」って呼んでくれるんだっけ。 笑顔が絶えない素敵な人。
名前は....えっと......
水
水
涙が頬を音もなく伝っていく。 大切なのに。絶対絶対忘れちゃいけないのに。
頭にもやがかかって思い出せない。
母
父
水
水
「ほとけっち」「ほとけ」「いむくん」
たしかに彼らの声は思い出せるのに。 僕の名前を呼んでくれる声だけは覚えているのに。
顔が、姿が、思い出が、 全部どこかへ消えてしまった。
水
水
父
お父様が僕の肩に手をそえる。 目を真っ直ぐに見られている。
父
父
水
母
母
お母様がもう片方の肩に手を置く。
「探しに行く」
水
水
2人がふっと笑って手を離す。 溢れた涙を拭った視界はクリアになり、その分お父様とお母様がよく見えた。
父
水
刹那、父がとびきり優しい顔をする。 自分にはなんだかそれが消えてしまうように思えて、必死に手を伸ばした。
が、それも束の間、目の前の景色が崩れ去る。
水
水
芝生だったはずの地面が色とりどりの花で埋め尽くされていた。
子供用のセーターから1人前の白魔の制服に服が変わっている。 手には白い手袋。 腰には十字架とベルリナの紋章。
水
水
大切なものを忘れている気がする。 ずっと一緒にいた人達を。僕の宝物を。
あの人。 剣士の素敵な人。
僕の晴れた夜空の北極星。 人生の道標。 僕を見つけて、救ってくれた人。
水
「いむくん」
水
水
彼の名前を呟いた瞬間、他のメンバーの名前と思い出が頭に流れ込んでくる。
ないちゃん、りうちゃん、アニキ、いふくん。
冒険者パーティー「スカイ」。 1年前から6人で活動していて、今は魔王討伐に参加するためにダンジョン攻略に挑戦している。
そうだ。たしかにそうだった。
水
立ち上がってフラフラと彷徨う。 たしかに一緒に居たはずなのに、視界のどこにも居ない。
水
ここからの脱出方法が分からない今、彼が居ないとかなり危ない。 自分が弱いのは重々承知している。 いきなりモンスターでも飛び出してこられたらどうなることやら。
もしかしたら向こうもなにかの匂いによってさっきの幻覚魔法的なものにかかっているのかも。
水
紫
水
ただ1つ、異様な存在感を放っている大樹にもたれかかるように眠っていた。 よかった。怪我はしていないみたい。
水
少し唸るだけで全然起きる様子がない。 これも魔法....?
大樹の上の方から垂れているツルが初兎ちゃんまで巻き込んで伸びている。 かすかに魔力のようなものも感じた。
水
おかしい。 これが起きない原因なのだろうか。
水
ずいぶん前にないちゃんから貰った護身用ナイフでツタを切ろうとする。 が、どれだけ強い力でやろうと切れない。
祈るように何度も切ろうとするけど全然意味が無い。
目に見えるスピードで徐々にツタが伸びている。初兎ちゃんを覆おうとしているのはその動きで分かった。
多分、このまま吸収されていくんだ。 この大樹は迷い込んだ人に幸せな夢を見せて眠らせて、そのまま栄養にしているんだ。
水
彼を死なせてはいけない。 こんなに優しい人、死んじゃいけない。
僕はなんで起きれたの? 初兎ちゃんと同じ状況だったはずなのに、なんで自力で目が覚めた?
水
初兎ちゃんも夢の中で忘れているのかもしれない。 僕らのこと、僕らとの思い出を。
水
水
紫
水
水
水
水
メンバーの名前を繰り返す。 何度も、何度も、パーティーのことを説明するように話しかける。
どんどんツタに隠されていく彼の身体を守るように抱きしめる。
水
水
不意に頬を伝う涙。 そのまま初兎ちゃんの頬へ落ちていく。
彼の眉が一瞬動いた。
紫
水
水
紫
より一層強い力で抱きしめる。 多分彼は何が何だか分からない顔をしているのだろう。
けどそれでもいい。 起きてくれた。思い出してくれた。
紫
紫
僕の存在を確かめるかのように抱きしめ返してくる。 「思い出した」と呟いた声音は、安心に満ちたものだった。
水
紫
水
水
紫
紫
水
より一層強い匂いがするここが、このステージを攻略する鍵なのだろう。 とか思ってたら初兎ちゃんが急に反対側へと小走りで向かいはじめた。
水
水
紫
水
水
紫
紫
わからんのかいッ!!!
紫
紫
水
あぁ....でもそうか。 そういえばそういう人だったな。
10mほど離れてから剣をぬいて構える。 前項姿勢で大樹を睨む顔は、さっきとは大違いだった。
紫
紫
紫
水
すごい勢いの助走から地面を蹴る。 片足で蹴っただけのはずの地面から土が飛び散って、その力強さがわかる。
紫
最初、切れないと思った。 少し刺さっただけで全然中まで剣が通っていなかったから。
けど初兎ちゃんは諦めてなかった。
紫
ザシュッ
水
水
紫
水
ズドーーンッッ
大樹が地響きを起こしながらさっきまで居た場所に倒れる。 初兎ちゃんに抱えられてなければどうなっていたか。
紫
紫
水
紫
紫
水
紫
初兎ちゃんにつられて断切された大樹の表面を覗き込む。 たしかに丸太の中が枯れているような見た目だ。
紫
水
紫
水
紫
紫
水
紫
紫
水
でもここから降りるんですか....??
紫
水
紫
水
紫
水
紫
水
紫
紫
水
青
桃
アニキたちと離れてだいぶ経つ。 いむしょーだってそうだ。 今どうなっているか検討もつかない。
きっとまろは俺の「大丈夫」を求めて呟いたのだろう。 曖昧な返事を返すとひどく不安な顔をして自分の杖を強く握っていた。
桃
桃
俺だって死ぬほど心配。 そもそもこのダンジョンのレベルが俺らに合ってないのに無理やり乗り込んだのだから、なにがあってもおかしくない。
怪我していたらどうしよう。 何かが原因で外に出れなくなってたらどうしよう。
そういうことばかり考えてしまう。
青
俺たちといむしょーの行く部屋についての記述は他の部屋に比べて圧倒的に少なかった。
書かないのなら比較的簡単だったのではとも思ったが、油断するのもよくない。
桃
青
カチッ
桃
かすかに聞こえたスイッチのような音。 まろの方を見ると、足元が正方形に凹んでいた。
青
青
足元に大きく穴が開く。 トラップだ。
桃
ガシッ(腕を掴む
2人で同時に落ちていく。 とりあえず腕を掴めたのはいいものの、宙に浮く体が不安定すぎて上手く体制を変えれない。
ドサッ
青
桃
2人同時に床に叩きつけられる。 真っ暗すぎてなにも状況が分からないが、お互い生きていることは確かだ。
桃
青
かなりの高さから落ちたみたいだ。 まろの言うように打ち付けたところがかなり痛い。骨は折れてないが、打撲はひどい。
桃
青
青
桃
ほとけっちといつ合流できるか分からないのに、これは結構危険。 今はいいけどこの状態でずっと動くのは無理かも。
しかもなにも見えない。 近くにいるはずのまろも声と繋いでいる手でしか認識できない。
多分ここは目指していた場所。
青
桃
このダンジョンは5つの部屋を攻略することで初めてボス部屋まで行くことが出来る。 その中の一つ、「光の部屋」
あまりにも記録が無さすぎる謎の部屋。 だから俺とまろで来たはずだった。 近距離も遠距離も直接攻撃も魔法攻撃もできるバランスの良い組み合わせなはずだったのだ。
しかし、こんなに何も見えなければバランス以前の問題である。 連携が取れるかも危うい。
桃
唯一、詩のように書かれていたこの部屋の記録。
そこは黒の立方体。 湧き出る敵に気をつけろ。 信じる仲間と共に戦え。命を任せることができた時のみ、光の道は開く。
「黒の立方体」はこの場所のこと。 「湧き出る敵」は多分モンスターだろう。「信じる仲間」は今この状況だとまろということになる。
桃
モンスター
青
桃
矢を放つまであと1秒といったところで気づく。
こんなに暗ければ正確に撃ち抜けるはずが無い。情報は音だけ。 多少暗くても当てることはできるのだが、今は本当になにも見えない。
青
桃
パシュッ
モンスター
桃
かすかに反応したモンスター。 鳴き声を頼りに少し向きを変えて矢を放つ。
モンスター
青
桃
モンスター
モンスター
モンスター
すごい数のモンスターの気配。 鳴き声よりももっと居る。 ゴブリンの声のようなものも聞こえるし、知能のあるやつも居るようだ。
青
まろの後ずさりする足音が聞こえる。
正直俺も逃げたい。 出口がどこなのか一切分からないが、ここから逃げ出したい。 何も見えないせいで不安が増している。
体も痛い。なんとかこらえているが、少し動くだけで体のあちこちが悲鳴を上げてしまう。
耐えれるかな、これ。
青
桃
桃
桃
青
桃
青
そう言いつつも杖を構える音が聞こえた。 彼もそれくらいしか方法が無いことは分かっているのだろう。
桃
青
桃
愚痴が出そうになった口を閉じる。 なんで向こうには見えているのか俺が知りたいよ。ハンデなんてもんじゃないだろこんなの。
青
青
桃
青
桃
青
桃
青
桃
ダメだ。さばききれない。 何分格闘しているのだろう。さすがに持久戦が過ぎる。
いや、持久戦というよりもこの気を張り詰めた状況でずっと休む暇が無いのがしんどい。 どんどん気力が削られている。
まろが居るからまだ耐えれるものの、もし居なければ自分を見失いでもして今頃モンスターに食われてるだろう。
モンスター
桃
鳴き声が近い。 急に距離を詰めてきた。
桃
青
ザシュッ(モンスターの爪
桃
青
桃
モンスター
カウンターで倒したものの、爪で引っかかれたり足がとてつもなく痛む。 腕で防ぐつもりだったが、モンスターが小型だったようで足に攻撃が来た。
見えないからどんな傷かは分からないが、血がドクドク出ていく感覚はある。 左足が動いてくれない。
青
桃
桃
青
青
まろの上がった息がよく聞こえる。 ただでさえ疲れていたはずなのに、こんなに叫ばしてしまった。
表情とか全然わかんないけど、すっごく怒ってるんだろうな。
青
桃
なんて言うのが正解か分からない。 無言で攻撃を再開した方がいいのか、なにか謝った方がいいのか。
青
桃
青
青
桃
桃
青
桃
立方体の真ん中ということだろうか。 さすがに宙には浮けないから、この床の面の真ん中ら辺のことを指しているのだろうが、なぜ?
青
青
桃
桃
青
無茶すぎる。 限界がどこかもわからないのに四方八方囲まれて防御し続けなければいけない。
いや、防御するだけじゃだめだ。 全て倒さないと生成速度は限界までもっていけない。
青
桃
青
青
桃
桃
まろの肩を借りて足を引きずりながら前へ進む。 モンスターの鳴き声にどんどん近づいているのが分かった。
青
青
桃
桃
「やんな」という嬉しそうに呟いた後、まろがしゃがんだ音が聞こえた。
青
青
桃
もちろん、その作戦だと俺だって経験したことの無いくらいの速さで矢を射り続けないといけないのだろうが、たとえ位置がわかってもまろがすべてさばききれるとは思えなかった。
「背負い込む」という俺の言葉に「それはさすがに無理だ」って意味を含んでいるのは向こうもわかってるはず。
だが、返ってきた応えは意外なものだった。
青
桃
あの詩みたいな記録の一文。
桃
俺が矢を放って位置を伝えないと攻撃のしようが無くて死んでしまう。 まろが確実に仕留めていかないと向こうからの攻撃で死んでしまう。
桃
青
弓を構え直す。 スキルを連発するためにゆっくりと呼吸を整える。
出し切れ。背中は気にせず、前だけに 集中して、全力で。
桃
青
青
モンスター
桃
モンスター
幸い攻撃はくらっていない。 まろが鬼のようなスピードで魔法を打ちまくっている。
どのくらいの時間が経ったのか知らないが、俺も俺でスキルを発動しっぱなしである。
普段こんな超高速で弓矢を生成することは無かった。 普通は生成になんか疲れないのだが、疲労のピークを軽く超えている。
死にそう。死ぬかも。一旦辞めたい。 何度もそう思ったが、仲間の命を握っている以上それは絶対にしなかった。
桃
青
というかまろもやばい。 魔力なんてとうに切れそうなはずだ。 魔法を発動するときの声ももうカスカスで、裏返っている。
俺が多少無理をしてでも攻撃に回った方がいいだろうか。 いや、今のコンディションで位置を正確に把握できる気がしない。
生成速度の限界がいつなのか。 ただそれだけが頭の中でぐるぐる回る。
桃
青
ドサッ
桃
返事がない。
自分の上がった息だけが響く。
桃
俺の声だけが残響して消えていく。
桃
桃
そう呟いた瞬間、何も見えなかったこの場所に一筋の光が差し込んだ。
脳の奥を突き刺してくるような、でもたしかに温かいような、そんな光を見てとっさに目を閉じた。
桃
恐る恐る目を開くと、真っ暗な壁がボロボロ剥がれ落ちていっている。 その度に新しい光が差し込んで、陽だまりのような温かさが自身を照らしていた。
ふと足元を見ると、杖を抱えて倒れ込んでいるまろの姿があった。
桃
桃
青
そんな彼を仰向けにすると、眩しそうに目を開けた。 静かに息を漏らした口が震えている。
桃
青
膜が剥がれるように崩れていった"黒の立方体"は、ひとつも痕跡を残さず消えた。
桃
桃
青
足の手当とかまろの魔力とか、いろいろしないといけないのに体がひとつも動かない。
鉛になったように重い。 寝返りさえうてない。
青
桃
青
桃
2人で指摘し合いながら笑う。 しばらくこのままでいいやと思えた。
桃
青
お互い支え合いながら亀並みのスピードで歩く。俺は足怪我してるし、まろは魔力切れで足ガックガクだし、お互い今にも倒れそう。
もうちょっと休んでいたかったのだが、じっとしているとみんなが心配になって仕方がなかった。 ので結局みんなを捜索中だ。
〈 う...うぅ"......
青
青
桃
青
桃
まろが影を見つめて動かないので、ナイフを構えて足を引きずりながら岩の後ろまで回ってみた。
うめき声の正体はモンスターじゃない。
桃
黄
青
青
自分の足がほぼ動かないのも忘れて転けそうになりながら近づくまろ。 結局アニキの目の前で転けた。
桃
桃
黄
上手く喋れないほど苦しそう。 一応処置はしているっぽいものの、横腹からかなりの血が滲んでいる。
下手すれば命を落としかねない傷かもしれない。
桃
でも3人とも手負いなのに、どうやって探しに行くのだろう。 間に合うのだろうか。
桃
青
青
桃
自分たちだけでの解決は不可能。 だけどアニキを背負いながらダンジョン内をさ迷うのは現実的じゃない。
アニキがあとどれだけ耐えれるのかわからないが、一刻を争う事態だというのは確かだ。
桃
桃
青
すこぶる疑った顔をされる。
桃
青
桃
青
青
結構嫌そうな感じだけど、しぶしぶ渡してくれた。 ぼそっと「嫌やなぁ....」って聞こえたのは気にしない。
桃
桃
青
桃
桃
青
青
桃
亀のスピードで行くわけにも行かないので、ほぼケンケン跳びみたいに進行方向を進む。
桃
桃
少し景色が違うところにたどり着く。 物音がしたのでこちらへ進んでみた。
だんだん足音が近づいてくる。 ナイフの持ち手に手を添えた、その時だった。
水
桃
水
水
水
桃
なんせ狭いので反響して耳がキンキンする。彼の声はよく通るから。
ダダダダダッッ
えぐい足音が近づいてくる。
紫
桃
紫
桃
水
水
桃
水
紫
水
ほとけっちの顔がみるみる強ばっていく。が、今は説教は聞きたくない。
桃
桃
紫
初兎ちゃんが「乗ってええよ」と背中を向けてきたので、杖はほとけっちに任せてそのままおぶってもらう。
紫
桃
水
黄
黄
水
黄
桃
青
紫
桃
結構ゴツゴツしてて痛い地面だが、今はそんなこと関係ない。 疲労困憊。しばらく動けん。
紫
桃
俺がほとけっちを探している途中、アニキがまろに事の経緯を話していたらしい。
その話って言うのが、致命傷を負ったアニキをりうらが無理やり外へ出したとかなんとかで。
俺たちが出てきたようなベルに放り投げられたらしいんだけど、その間に何度も音を鳴らしていたらしいから無事かどうかは怪しい。 動けず部屋に閉じ込められている可能性もある。
紫
青
紫
桃
紫
青
治療中のほとけっちからも、小さく「えっ?」という声が漏れる。 今、モンスターから仲間を守れる人は初兎ちゃんしか居ない。
紫
水
桃
こんなときに寝転がったままの自分が情けない。けどこの状態でみんなを守れる自信はない。
紫
紫
〈 あれっ?みんな〜っ!!
桃
黄
赤
赤
桃
なんか....なんか......!!
うちの最年少当たり前のように帰ってきたんですけど〜〜〜っ!?!?
続け