新
奏?図書館ってこんなくねくねと廊下を歩くの?
奏
いや、こんな右往左往歩いた記憶は……
新
自分は奏が知ってるって言うからついてるんだけど
新
てかここ来なかった?
奏
いや、そんなことは……
完全に迷った。いつになったら着くのだろうか?
新
じゃあ奏。図書館に着くまで時間?の話してよ。面白そーだからさ
奏
面白くない。それに面倒くさい。長くなる
新
大丈夫!一部始終全部聞くからさ
奏
それは遠回しに直ぐ着くわけないってこと?
新
まぁまぁ、取り敢えず話してよ
奏
はいはい
新
ここが未来の船で、メニコっていう化け物と、ファーミっていう人がいて、自分達を呼んで……
新
それで……ゔぇすた?ってのが奏に時を戻す力をあげたのかー……
新
すげー!
奏
なんか、ところどころ私が教えてない情報があるんだけど
新
いや、そう言ってたぞ?
奏
いや、私は…
奏
って、ここが図書館だよ!!
新
うお!?やっとか!?
本当に……やっと着いた。
奏
入る、よ……
新
きっとお宝がここに!
慎重に入った。
が……足りなかった。
心構えが。
ポチャン……
ポチャン……
奏
(何かが滴り落ちる音……?なんで、図書館で聞こえる……?)
新
あの紙書いたやつはーだーぁれ?
奏
ちょ、うるさい!!気付かれたらどうすんのよ!
新
いや、気付かれないと意味なくね?折角書いて、呼んだんだし
奏
書いた人じゃなくてメニコ達に!
新
はいはい、わかりましたー!
新
んで、誰ですかー?
奏
もう……
新の声は応答がない、ただのコダマとなって返ってきた。
奏
奏
いないんじゃない?多分……あの紙はただの悪戯……
新
そっか…
奏
行こう。ここにいても何も無いよ
奏
奏
新……?
新
あ、いや……ごめん
奏
何?どうしたの?
新
いや……なんか変な匂いすんなっていうだけ……気にしなくていいよ
奏
変な匂い……?
気になり、大きく鼻から空気を吸い込んでみた。
奏
……なんか、生臭い?
新
え、嗅いじゃったの?気にすんなって……
奏
そんなの言われたら気になるでしょうが……!
奏
でも、確かに……おかしいよね。ここでこの匂い……
奏
ちょっと、奥……見てみる
新
ぇあ…!?ちょ、奏!!危険なんじゃ……!!
新は手を伸ばしたが、空を斬るだけで、進む奏には触れることが出来なかった。
奏
あ……
奏
茜……?
新の時よりも酷い惨劇が広がっていた。
もう、誰かも、人かもわからないぐらいに。
茜……?
本当に……?
こんなぐちゃぐちゃで、血だらけな人のような形をしているモノが茜な訳がない。
ない。
新
い……ぁ……
新
は…………ぁ、ぁ……
新は腰を抜かし震えている。
楽観的ないつもの彼とは到底思えない程の顔を浮かべていた。
茜
カナデ……?
奏
茜……
ゆっくりとしゃがみ、血に塗れた手にそっと触れる。
これは、優しく触れたのではない。
恐れながら触れたのである。これぐらい、奏自身もわかっていた。
茜
キテ、クレタンダ……
奏
どうして……
茜
アノ、バケモノ……
心から、憎らしく思った。
こんな酷い惨劇を2つの世界線で繰り返す、あの生き物を。
同時に悔しさも覚えた。
奏
茜、戻すからね……時間、戻すからね……!!
茜
……
奏の声は茜に届いたのだろうか。
焦る奏、震える新……
瞳を閉ざした茜。
誰も、わからない。
奏
もう……こんなことしたくない……
そう言葉を呟き、眠りに落ちた。
ほんのり慣れて動いている自分に恐怖を覚えながら。
ヴェリタ
また、君は繰り返すのかい?
ヴェリタ
ヴェリタ
君の働きが全てなんだよ
ヴェリタ
奏






