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パッと目の前が明るくなった。
滝津七星は起き上がり、
辺りを見渡す。
そこは
自分が働く喫茶店だった。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
日内
カウンター席に座っていた日内が振り返り、
軽く手を上げる。
滝津 七星
滝津は咄嗟に身構えた。
日内
日内
対して、
日内はやんわりと笑みを浮かべる。
日内
日内
滝津 七星
滝津は差し出された名刺を受け取る。
日内
日内
滝津 七星
日内
日内
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
日内
焦る滝津に対して
日内はのんびりと尋ねた。
滝津 七星
日内
日内
日内
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
日内
日内
滝津 七星
日内
日内
滝津 七星
日内
滝津 七星
滝津の言葉に
日内は驚いた表情を見せてから
ニヤリと笑った。
日内
日内
日内は感心したように言った。
日内
日内
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
日内
日内はあっさりと言い放つ。
滝津 七星
滝津 七星
日内
日内は車の鍵を手にして、
立ち上がる。
日内
日内
そう言う彼の目は
子供のように
キラキラと輝いていた。
・
・
【とあるマンションの一室】
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋が見つめているスマホの画面は、
真っ暗なまま
右上に赤い文字で”LIVE中”と
表示されていた。
しかし、
男の苦しそうな息遣いが聞こえるだけで
画面に変化は見られない。
すると、
別のスマホがけたたましく鳴り響いた。
三嶋は画面を一瞥しただけで
電話に出ることはなかった。
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
嘲笑を浮かべ、
部屋の隅に
ぐったりと横たわる
加藤真耶に視線を向けた。
三嶋
三嶋は加藤に近づき、
顔を覗き込む。
加藤 真耶
三嶋
三嶋
三嶋
加藤 真耶
抵抗しようにも
血を流し過ぎたのだろう
うまく体に力が入らなかった。
三嶋
三嶋
三嶋
そう言って笑う三嶋を見て、
加藤は顔を強張らせた。
加藤 真耶
三嶋
三嶋
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤は楽しそうに語る三嶋を
睨みつけることしか出来なかった。
───コンコンッ
不意に、玄関扉が叩かれた。
三嶋
三嶋は顔を上げ、
じっと扉を見つめる。
───コンコンッ
さらにもう一回、
軽く叩かれた。
三嶋は音も立てず
扉に近付くと
ドアスコープを覗き込んだ。
三嶋
扉の前には、
紫雲かぎりの姿があった。
三嶋
三嶋は一歩下がる。
三嶋
三嶋
また、軽く扉が叩かれる。
三嶋
三嶋は一旦部屋に戻り、
ポケットの中に
折りたたみナイフを忍ばせ、
加藤の腕を掴む。
血を流し過ぎたのだろう、
加藤の血色は悪く、
意識も朦朧とし始めているため
抵抗なく、
奥の部屋へと引きずられていった。
それから
スマホを手に取ると、
玄関扉を開けた。
紫雲 かぎり
三嶋
お互い作り笑顔を浮かべて
挨拶を交わす。
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋はあっさりと
紫雲を中に招き入れた。
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋はわざとらしく
大きなため息を吐いた。
三嶋
その声には
わずかな悲しみが帯びていた。
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲のその言葉に、
三嶋はわずかに眉が動いた。
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲は吐き捨てるようにして言い放った。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋は背筋を伸ばす。
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
耐えきれず吹き出した。
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
笑いを堪えるように
声を震わせ三嶋は言った。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲は
込み上げてくる怒りを抑えるように
短く息を吐いた。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲は部屋の隅に出来た
血溜まりを見つめる。
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋は無感情に呟いた。
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋は手にしたスマホに視線を落とす。
見たこともない数の通知が届いていたが、
三嶋の表情はさほど変わらない。
三嶋
三嶋
三嶋がニヤリと笑うと、
紫雲の視界がぐにゃりと歪み、
膝から崩れ落ちた。
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋は紫雲の肩を蹴って、
床に倒す。
三嶋
三嶋
楽しそうに言うと、
紫雲の苦しそうな顔を
覗き込んだ。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
語気を強めて言うが、
その焦点は合わない。
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋はニヤリと笑い、
紫雲が己の足に刺したナイフの柄を
指先で撫でる。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲の見開かれた瞳孔が、
小刻みに揺れる。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲の目から
涙がこぼれ落ちた。
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
その言葉を聞いた瞬間、
自分の足に刺していたナイフを抜き取り
三嶋の脇腹に
突き刺した。
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
さらにナイフを捩じる。
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲は
泣きながら
笑った。
三嶋
───バタンッ!
と勢いよくドアが開き、
複数の足音が響く。
三嶋がハッとして顔を上げると、
目の前に誰かの足があった。
三嶋
思い切り蹴飛ばされた三嶋は、
体勢を崩し、
床に倒れた。
滝津 七星
滝津はすぐさま紫雲を抱き起こした。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
日内
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
蹴られた頭を押さえ、
三嶋は睨みつける。
日内
日内
日内
日内はそう言って
マンションの鍵を見せ、
楽しそうに笑った。
三嶋
滝津 七星
滝津 七星
三嶋
三嶋
三嶋は苛立った表情を浮かべてみせた。
紫雲 かぎり
滝津 七星
紫雲 かぎり
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
紫雲 かぎり
そう言って、
紫雲の手からナイフを取る。
紫雲 かぎり
しかし、
いまだに焦点の合わない紫雲の手は
空を掻いた。
三嶋
三嶋
滝津は迷いなく
その切っ先を
三嶋に向けた。
三嶋
滝津 七星
滝津は三嶋の言葉を遮って言った。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
滝津 七星
滝津 七星
三嶋
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津はきっぱりと言い放った。
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋は刺された腹を押さえるが、
指の間から血が止めどなく溢れている。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲の手には
今もあのときの感触が
生々しく手に残っている。
滝津 七星
滝津 七星
滝津は紫雲の手に触れる。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
紫雲 かぎり
紫雲は困惑した様子で、
己の手を見つめる。
日内
日内がいつも通りのトーンで尋ねた。
紫雲 かぎり
日内
日内
日内
日内
紫雲 かぎり
日内
紫雲 かぎり
日内
紫雲 かぎり
日内
日内はニヤリと笑い、
紫雲も微かに笑みをこぼした。
三嶋
三嶋
三嶋
滝津 七星
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
その言葉を聞いて
滝津は悔しそうに唇を噛みしめた。
三嶋
三嶋
三嶋
そのとき、紫雲のスマホが微かに震えたので
ポケットから取り出し、
まだ焦点の合わない目で画面を見つめる。
紫雲 かぎり
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
その言葉を聞いて、
三嶋の表情が揺らいだ。
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
そこで三嶋は再び、
自分のスマホを見ると、
家族、友人、そして、
職場から怒涛のように
メッセージが届いていた。
三嶋
三嶋はこのとき初めて
怒りを露わにした。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
三嶋
三嶋
三嶋は悔しそうに奥歯を噛み締め、
紫雲たちを睨みつける。
が、すぐにいつも通りの
笑みを浮かべた。
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋
三嶋はふらつきながらも
ゆっくりと立ち上がった瞬間、
滝津が行動起こすよりも先に
───ゴンッ
と何かで頭を殴られ、
白目をむいた三嶋は
膝から崩れ落ちた。
三嶋を殴ったのは、
加藤真耶だった。
加藤 真耶
彼女はそう言うと
力尽きたように倒れる。
滝津 七星
日内
日内
日内
日内は急いで110番通報した。
滝津 七星
紫雲 かぎり
しかし、
起き上がることはできないようだった。
滝津 七星
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
滝津 七星
まるで他人事のように
紫雲が言うと
滝津は泣きそうな表情を浮かべ、
手を強く握りしめた。
冷え切った指先に、
温かな血が通う。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
そう呟くと、
緊張の糸が切れたのだろう
紫雲はゆっくりと
目を閉じた。
そこに、
長年苦しんできた
”悪夢を見るかもしれない。”
という恐怖は
不思議と無かった───。
・
・
『対峙』 END