一覧ページ

上野原高等学校革命同好会

第24話 - 第三革命ゲーム　友情確認ゲーム【２】

2025年08月07日

#ミステリー

#心理戦

#推理

#デスゲーム

#エターナル・コウタ・ブリザード

鬼霧宗作

友情確認ゲーム　ルール

元３年Ｄ組の教室に、これから来てくれるであろう人物を、イガラシが３人選出する。

その後、実際に選出した３人のうち、いずれかの人間が元３年Ｄ組の教室へと姿を現した場合は、イガラシの勝ち。

選出した３人が誰一人として来なかった場合はイガラシの負けとなる。

制限時間は２時間。

イガラシが元３年Ｄ組の人間と連絡を取り合うことは禁止とする。

イガラシ

元３年Ｄ組のみんなには連絡――済み？

ナポレオンが残した言葉。イガラシの疑問はミヤギのほうへと向かい、その意図を察したミヤギはスマホを取り出す。

ミヤギ

あ――３年Ｄ組のグループメールがアクティブになってる。

３年Ｄ組のグループメールには、いくつかの機能があった。

そのひとつがアクティブ機能。

メンバーのうち、誰がグループメールを閲覧しているのかが分かる機能である。

つまり、イガラシの端末でグループメールを開いてしまったら、一発でナポレオンにバレてしまう。

すなわち、禁止されている連絡行為が知られてしまうわけだ。

ヒグラシ

そう言えばセイヤ君、ひとつ確認しておきたい。

ヒグラシ

なぜ、そのナポレオンとやらが元３年Ｄ組の中にいると思うんだい？

イガラシ

それは――俺が教師を目指したきっかけを知っていたからです。

イガラシ

シズカ、覚えてるだろ？

イガラシ

卒業式の後のこと。

ミヤギ

あぁ、うん。

ミヤギ

みんなで集まって、これからの将来のことを話したよね。

イガラシ

あぁ、俺達は共に悲惨な事件を潜り抜けた仲間だった。

イガラシ

だから、あの時は俺も腹を割って話したんだ。

イガラシ

教師になろうと思ったきっかけを。

ミヤギ

――それを知ってるのは、元３年Ｄ組の人間だけってことだよね？

イガラシ

あぁ、そうだよ。

ヒグラシ

ナポレオンは元３年Ｄ組のメンバーの中にいる。

ヒグラシ

なるほど、だからセイヤ君はみんなと連絡を取れないということか。

ミヤギ

グループメールは自分がアクティブになっていることがメンバーに通知される。

ミヤギ

セイヤ君が自分のアカウントで入ってしまえば、みんなに連絡を取ろうとしていることが、ナポレオンにもバレてしまうってことだよね？

イガラシ

あぁ、だからナポレオンも、俺が他のみんなに連絡を取るとは思っていない。

イガラシ

電話で確認することもできなくはないけど、万が一にも電話をかけた相手がナポレオンである可能性だってある。

イシカワ

ってことは、イガラシは自分のために――その３年Ｄ組の教室にやってきてくれるであろう友達を当てなけりゃいけないってことか。

イガラシ

そう言うことになるけど――。

フワ

でも、今日は平日だし、まだお昼を過ぎたくらいですよ。

フワ

仕事もあるだろうし、地元から離れている人も多いはず。

フワ

制限時間は２時間だから、それに間に合う距離に住んでいて、なおかつ駆けつけることができる人って、そんなにいるもんなんですか？

イガラシ

確かに物理的に考えても、駆けつけることができる人間は限られてくる。

ヤナギ

それに、仮に駆けつけることができるとしても、その人間がイガラシ先生のために動いてくれなきゃいけないわけでしょ？

ヤナギ

高校時代の仲間のために、今の自分の生活より、駆けつけることを優先する人間なんていますかね？

ミヤギ

だから友情確認ゲームなんだと思う。

ミヤギ

セイヤ君のために動いてくれる人がどれだけいるのか――ナポレオンはそれを確かめたいんだと思うんだ。

ホソヤ

それでイガラシ先生、あてはあるのか？

イガラシ

まず、どれだけの人間が地元に残っているかだけど――俺にはそれを調べる術はない。

イガラシ

でも、ナポレオンには誤算があったみたいだ。

イガラシ

このゲーム、ちょっとやり方は感心できないけど、確実に勝つ方法がある。

イガラシはそう言うと、ミヤギのほうへと視線を移した。

３年Ｄ組　グループメール

ナポレオン

元３年Ｄ組のみなさん、お久しぶりです。

ナポレオン

ご存知の方も多いかもしれないが、私はナポレオンという。

ナポレオン

こうしてここに書き込ませてもらったのは他でもない。

ナポレオン

これより、みんなには【友情確認ゲーム】をしてもらうことになる。

ヨウタ

急にグループメールがアクティブになったと思ったら、お前誰だよ？

ナポレオン

ナポレオンだ。

ナポレオン

それ以上でも、それ以下でもない。

ハカセ

事情が分からない人はネットで【上野原高校】って検索して見て欲しいんだ。

ハカセ

何が起きているのか理解できるはすだ。

マドカ

そんなこと言われても仕事中だし。

ナポレオン

随分と騒がしくなってきたな。

ナポレオン

それではゲームのルールを説明しよう。

簡潔、かつ簡単に、ナポレオンからゲームの説明をされる。

ハカセ

今から２時間以内に、元３年Ｄ組の教室に向かう必要があるってことか。

アカリ

私結婚して地元離れちゃったから、無理かな。

マドカ

なに、それ独身に対するマウント？

ハカセ

マドカ、やめないか。

ハカセ

とにかく状況を整理したい。

ハカセ

今、どれだけの人間が地元に残っているか、それと３年Ｄ組に向かうことができるのか。

ヨウタ

俺、ダメだわ。

ヨウタ

今、北海道向かってるから。

ハカセ

ん？

ハカセ

どうして北海道なんかに――まさか。

ヨウタ

そのまさかだよ。

ヨウタ

うちの馬鹿親父が、直接セイヤ達を助けに行くって言い出してよ。

ハカセ

そ、それはなんかごめん。

ハカセ

うちの父さんも、どうやら今回の事件に噛んでるみたいで。

ハカセ

さっきから連絡を取ろうとしているけど、全く連絡がつかないんだ。

マドカ

というか、この時間に反応があるのはこれくらいか。

マドカ

ちょっとまずくない？

ヨウタ

俺、他の奴らに連絡してみるわ。

アカリ

私もそれくらいなら手伝えそうだなぁ。

ハカセ

それじゃあ、みんなへの連絡は２人に任せようか。

ハカセ

とにかく時間があまりない。

ハカセ

柔軟に動こう。

こうして、予期せぬ形で元３年Ｄ組の仲間達が動き出す。

上野原高等学校革命同好会

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

鬼霧宗作

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

上野原高等学校革命同好会

第24話 - 第三革命ゲーム　友情確認ゲーム【２】

作者の他の作品すべて見る

#ミステリーの新着小説
一覧

関連するタグ

上野原高等学校革命同好会

第24話 - 第三革命ゲーム 友情確認ゲーム【２】

作者の他の作品すべて見る

#ミステリーの新着小説一覧

関連するタグ

第24話 - 第三革命ゲーム　友情確認ゲーム【２】

#ミステリーの新着小説
一覧