夜9時すぎ
K県N郡、爪削村
ヨシサト
ヨシサト
ヨシサト
ヨシサト
地主
地主
地主
地主
地主
地主
地主
地主
ヨシサト
ミカ
ミカ
ミカ
地主
ミカ
ミカ
ミカ
ミカ
ミカ
地主
地主
地主
地主
地主
地主
地主
地主
ヨシサト
ここは山間部にある小さな集落だ。
母の祖父、つまり僕の曾祖父が大地主として有名で
大規模な治水、掘削工事なんかを行った土地らしい。
母のいとこが継いだこの本家は、今でも集落内で
かなり大きな権力を持っている。
その権力を示すように、家は手入れの行き届いた古い屋敷で、
現代ではめずらしく、複数の女中さんが住み込みで働いている。
言ってみれば、絶滅危惧種のような家庭だ。
僕は大学生だが、ミステリー作家を志している。
いわゆるワナビーと言われる人種だ。
作家志望として興味をそそられる舞台に好奇心がうずき、
母に少々むりを言って、縁を頼って遊びにやって来た。
ヨシサト
ヨシサト
彼女とは幼少期、何度か顔を合わせたことがある。
けれど少し高慢で、子どもながらに苦手だった記憶が強い。
地主
地主
地主
地主
地主
ヨシサト
こういう場合、笑っていいものなんだろうか。
それでもとりあえず、分かったふりで同意しておく。
しかし彼女が気になることを言っていたのに気付いた。
ヨシサト
ヨシサト
地主
地主
地主
地主
ヨシサト
地主
地主
地主
地主
地主
地主
ヨシサト
ヨシサト
地主
地主
ヨシサト
ヨシサト
女中さんが案内に来てくれたのを見止めて、退室する。
白い土壁に深い色の床板、足元灯だけが光る廊下
足下から冷えてはくるが、すべてがまるで本の中の世界だ。
カリ…
カリカリ…
ヨシサト
ヨシサト
ヨシサト
女中
女中
女中
女中
女中
女中
女中
異様に怯えた様子で、女中さんは早足に去って行く。
なにか変なことでも言っただろうか。
そのときだった。
???
ヨシサト
部屋の格子窓の向こうから、女性の声がした。
ヨシサト
???
こちらの動揺を一切気にした様子もなく、質問が繰り返される。
ヨシサト
ヨシサト
ヨシサト
???
あっさりと納得してくれたようだが、
妙に声に抑揚がないのが不気味だ。
もしかしたら他の女中さんかもしれない。
ヨシサト
ヨシサト
???
ヨシサト
思いがけない言葉に驚き、慌てて格子窓との間を仕切っている障子窓を開く。
ヨシサト
寒い屋外に長居したい人間は少ないかも知れないが
それにしても走っていった足音も聞こえなかった。
ヨシサト
なんとなく気味の悪い気分のまま、用意されていた座椅子に腰を下ろす。
電源の入っていないテレビ画面に映った自分は、
なぜかひどく顔色が悪く見えた。
翌日午前10時
ヨシサト
ヨシサト
村人A
ヨシサト
村人A
村人A
ヨシサト
ヨシサト
ヨシサト
村人B
村人A
村人C
ヨシサト
村人B
村人B
村人C
村人C
村人A
村人A
村人A
村人A
ヨシサト
村人C
ヨシサト
ヨシサト
村人B
村人B
ヨシサト
村人C
村人B
村人B
村人A
村人A
ヨシサト
ヨシサト
村人C
ヨシサト
ヨシサト
村人C
村人B
ヨシサト
村人A
村人A
村人B
村人B
村人B
ヨシサト
昨夜も、見知らぬ女性に言われた言葉だ。
おかしな符号を感じるが、そういえば
昨夜部屋の外にいたのは誰だったのか、
帰ってから話を聞かないとと
そう思ったときだった。
村人D
村人D
村人C
村人C
村人D
村人D
村人D
村人D
この言葉ほど、現実感がないものもない。
まるきり本の中の世界の話であり、
まさか現実に聞く日がくるとは思わなかった。
しかしリアリティはさざ波のように押し寄せる。
首筋から徐々に広がった鳥肌が足先を粟立たせた頃、
僕はようやく、額から血の気が引くのを感じた。
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スタンド攻撃を受けているッ!