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背中合わせ

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背中合わせ

1 - 背中合わせ ~プロローグ~

♥

400

2020年07月12日

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あの頃君は16歳の高校1年生で

私は26歳のOLでした

そんな君との出会いは

それはもう最悪だった

きっと君もそうだよね 最悪な出会いだったと思うだろう

だけどあの日々は 夢のような10日間は

いつか君を強くしてくれるかな

いつか君を・・・ 君を・・・

いやずっと君を 私はここで待ってるね

夏乃(かの)

久々にコンビニ弁当

夏乃(かの)

たまにはいいよね

学生集団

頼んだもの万引きって来たのかよ

颯太(ふうた)

はいこれ

学生集団

お前何考えてんだよ

学生集団

そんなでかいバッグ持ってんのにメロンパン1個かよ

学生集団

もう1回行ってこい、菓子パン5個くらい取ってこれんだろう

颯太(ふうた)

分かったよ

学生集団

ついでにマンガ本もな
ははははは

颯太(ふうた)

分かってるよ

夏乃(かの)

(何あれ完全にいじめじゃん)

夏乃(かの)

(というか何であの子言い返さないの)

夏乃(かの)

(腹たってきた)

夏乃(かの)

ちょっと君たちさ一体何なの?

学生集団

おおなんだよ急におばさんがよ

夏乃(かの)

おばさんって何よ失礼ね

夏乃(かの)

そんなにパンが欲しいんならパンでもお弁当でもあげる

夏乃(かの)

だからその子に万引きさせるとかやめようよ

学生集団

はあ!さっきから何言ってんのかよく分かんねえけどよ

学生集団

パンが食いたいわけでもなんでもねえし万引きなんてしてねえし

学生集団

こいつは友達だし何か勘違いしてねえか?

夏乃(かの)

え!そうなの?

颯太(ふうた)

あぁそうだよ

颯太(ふうた)

勝手なことすんな

学生集団

ははははは
分かったらとっとと行けよおばさん

夏乃(かの)

何その言い方
もういいよ!

夏乃(かの)

ちょっと君!
行くよ!

気がつけばその子の手を握って 必死に走っていた

あの時君の目が助けてと 言っていたような気がしたから

手を掴んで走った時 君の手がぎゅっと握り返したから

君なりのSOSだったんじゃないかって

颯太(ふうた)

はぁはぁ
おい!

颯太(ふうた)

おい!どこまで行くんだよ

夏乃(かの)

はぁはぁ

夏乃(かの)

見つからないとこ

颯太(ふうた)

はぁもうここまで来りゃ充分だろ

夏乃(かの)

大丈夫かな

夏乃(かの)

はぁ怖かった

颯太(ふうた)

お前ほんと最低だな

夏乃(かの)

え?なに?

颯太(ふうた)

最低だなって言ったんだよ

颯太(ふうた)

なんでこんなことしたんだよ

夏乃(かの)

それは・・・
助けようと思って

颯太(ふうた)

助ける?
何のために?

夏乃(かの)

えっと・・・
君がいじめられてるんじゃないかって

颯太(ふうた)

勘違いしてんじゃねえよ
偽善者がよ

颯太(ふうた)

1回助けたくらいでいい気になんな!

颯太(ふうた)

俺にとっては毎日なんだよ
これが日常なんだよ

颯太(ふうた)

お前がこんな余計なことするから明日からまた良いネタだよな

夏乃(かの)

そんな・・・
ごめん

颯太(ふうた)

謝るなら最初からやるなよ

颯太(ふうた)

助けてくれなんて頼んでないしもうこんなの慣れっこなんだよ

颯太(ふうた)

俺にとっての日常に波風立てんなよ

颯太(ふうた)

もう関わんないでくれ

夏乃(かの)

あのせめて名前だけでも

颯太(ふうた)

なんでお前に言わなきゃなんねえんだよ

颯太(ふうた)

これだから嫌なんだよ

夏乃(かの)

あ、待って・・・

何も言えなかった

彼の言う通りだ 私はただの通りすがりで

彼の日常も苦悩も何も知らない

たった1度助けられても迷惑なだけ

あれが彼にとっての日常で 波風立てないように生きてきたんだ

だけど彼の中にある 確かなSOSはちゃんと私に届いた

偽善者でもいい 君を助けたい

そんな出会いだった

夏乃(かの)

きっと彼は明日もいじめられちゃうんだろうな

夏乃(かの)

どうすれば良いんだろう

夏乃(かの)

どうすれば君を助けてあげられる?

夏乃(かの)

とりあえず今日のことも日記に留めておこう

夏乃(かの)

おやすみ

颯太の母

颯太
早く起きなさい

颯太の母

ご飯出来てるよ

颯太???

はあー
良く寝た

颯太???

あれ?私布団・・・
パジャマ?

颯太???

ここどこ?

夏乃???

やべっ
もうこんな時間

夏乃???

なんで母さん
起こさねえんだよ

夏乃???

は?ここどこだ?

夏乃???

女の子の部屋?

夏乃???

俺こんなパジャマ着てねえよな

夏乃???

鏡、鏡

夏乃???

・・・

夏乃???

・・・

夏乃???

うわぁーーー

夏乃???

俺どうしてあの女になってんだよ

夏乃???

意味分かんねえ
なんだこれ!

ブーブーブーブーブーブー

夏乃???

うわっ
びっくりした

夏乃???

スマホか?

夏乃???

あ!俺のスマホからだ!

颯太???

もしもし
颯太くんだよね??

夏乃???

あぁそうだよ

颯太???

良かった
電話出てくれたんだ

夏乃???

これなんなんだよ

颯太???

私も分からない

颯太???

だけどおそらく私たちは入れ替わっちゃったみたい

夏乃???

入れ替わり!?
お前なんでそんな冷静なんだよ

颯太???

そうしてないとやってられないんだもん

颯太???

とにかく!
今日は仕事の日だから早く支度して仕事に行って欲しいの

夏乃???

仕事!?そんなん休めばいいだろ?

颯太???

仕事って嫌だからって休めるものじゃないの

颯太???

体調不良だからって休めもしないんだから

颯太???

お願いします
この通りです

夏乃???

どの通りだよ
見えねえよ

颯太???

はぁ君は昨日から本当に可愛げがないって言うか大人びてるよね

夏乃???

男に可愛いも何もないだろ

颯太???

君のお母さんは私の演技力で上手く乗りきったし学校にも向かってるからさ

夏乃???

お、おい!
勝手に学校行くなよ

夏乃???

休めよ!
ってか着替えたのかよ

颯太???

なに?
恥ずかしがってんの?

颯太???

可愛いとこあるじゃん

夏乃???

恥ずかしいとかじゃなくて嫌なんだよ

颯太???

思春期男子はそういうとこ気にするか

颯太???

というよりも早くしてくれる?

颯太???

それでも仕事行かないって言うなら学校で裸踊りでもしちゃおっかな

夏乃???

わ、分かったよ
行けばいいんだろ?

颯太???

そのかわり、絶対に絶対に着替えと化粧室は目をつぶること

夏乃???

お、おう

颯太???

なにその返事?
ちょっと見ようとしてるでしょ?

夏乃???

誰が見るかよ

颯太???

とにかく!

颯太???

まずは職場に向かって
○○町○○番地の○○社ね

夏乃???

なんの会社?

夏乃???

ってか仕事ってどうすんだよ?

颯太???

君に任せた!
高校生の柔らかい頭で良いアイデアが浮かぶかもしれないでしょ?

颯太???

ごめん!もう着くからじゃあね

夏乃???

っておい!
待てよおい!

ツーツーツーツーツー

夏乃???

うわぁー
まぶしいな

夏乃???

朝ってこんな
明るかったっけ?

夏乃???

学校に行かないってだけでこんなにも気分が違うんだな

夏乃???

俺はいつも下を向いてたからこんな明るさにも気づかなかったのか

君との入れ替わりが始まった日

この日から 怒涛の10日間が始まる

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