あすみさんが戻ってから一週間ほど経った頃
かすみさんが突然部屋に入ってきた
時刻はもう12時を過ぎていた
静(じん)さんは彼女への猛攻を終え部屋に戻っていて
突然の事に慌てて涙を拭う
井川かすみ
井川静(じん)
井川かすみ
井川静(じん)
井川かすみ
井川かすみ
この日はモニタで見ていなかったのか
わざわざ確認のために入ってきたようだった
井川静(じん)
静さんが静かに答えると
井川かすみ
かすみさんは氷のように冷たい目で静さんを見つめた
井川静(じん)
かすみさんは自分の鍵で南京錠を外すと
ゆっくり扉を開いた
井川かすみ
無言のまま中に入ると
全身、痣と傷だらけで横たわるあすみさんの姿が
井川あすみ
ビシッ
彼女の声に反応し手をあげる
井川あすみ
井川かすみ
井川あすみ
冷たい目で彼女を見つめながら
かすみさんは淡々と怒りをぶつける
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
静さんは確信していた
傷の手当てをしたのは”三村優真”だと
かすみさんが同じように思っていたかはわからないが
彼女の傷を治療し
彼女の身体と心に触れた優真さんのことが
静さんは許せなかった
でも彼女のことを守りたいと思う気持ちもあり
その心は複雑に揺れ動いていた
井川静(じん)
井川静(じん)
ついさっきまで自分が彼女にしたことを訴え
母がこれ以上、彼女を傷つけないようにと願ったが
井川かすみ
井川かすみ
かすみさんには全く通用していなかった
井川静(じん)
わざと警察と言う言葉を使い
かすみさんが不安になるように仕向けるも
井川かすみ
井川かすみ
井川あすみ
井川かすみ
かすみさんの言葉に背筋が凍る
井川あすみ
井川かすみ
井川静(じん)
かすみさんの言葉の一つ一つが重くのし掛かるようで
静さんは耐えきれず目を背けた
井川かすみ
井川かすみ
井川あすみ
バチンッ
井川あすみ
部屋中に響く彼女の悲鳴
本当は直ぐにでも助けたい
けれどもし助けてしまったら
彼女の命が危険に晒される
井川かすみ
井川あすみ
井川あすみ
結局なにもできなかった
しばらくしてかすみさんが部屋を出ていく
静さんのつけた傷からはまだ出血が続いていて
井川あすみ
井川あすみ
そう呟く彼女の姿が目に焼きつて離れなかった
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