ライバル

雑誌の撮影中

翔太の肩を抱き寄せる目黒と、どことなく戸惑っている翔太

以前の翔太とは違う反応だ

しまった……撮影中なのに2人の様子が気になって目を離せれなくなっていた

気を引き締めてカメラに視線を送った

翔太と2人の撮影

目黒の視線を感じながらカメラの前に2人残る

不満顔の翔太に笑いながら近付く

離れた所から阿部の声が聞こえた

言いながら翔太の後ろにくっつき、細い身体に手を回す

顔を寄せ、耳元で話しかけた

お互い顔はカメラを向いたまま

若干翔太の耳が赤くなっている

……正直面白くない

目黒の視線が痛いほど突き刺さる

抱きしめる腕に力を込める

耳の後ろにそっと唇を当て………

カメラマンの声にパッと離れる翔太

翔太は赤い顔をして目を泳がせていた

指示に従って、頭を並べて寝転がる スタッフが周りにユリの花を並べている中、翔太は俺とは反対側を向いていた

そっと差し出された手を握る

その言葉に翔太はひとつ大きく息を吐くと、俺を見て綺麗な顔で微笑んだ

思わず抱きしめたくなるような衝動を、繋いだ手に力を込める事で抑えた

目黒とラウールの撮影中

翔太の目は2人を……目黒に向いていた

他のメンバーには聞こえないような声で呼ぶ

怪訝な表情の翔太

本当に何も分かってない顔だ

立ち上がり翔太の耳元に顔を寄せる

目黒の視線を感じる

「子どもの頃から翔太が好き」

言葉をグッと抑える

そのまま翔太の頭を撫で、スタジオを出た

スタジオを出て廊下で大きく息を吐く

出てきた俺に着いてきたのだろう

阿部がニコニコしながら近付いてきた

そう……まだ自覚していない

自覚する前に、その気持ちをこちらに向けたい

想像できてしまった

酔っ払いに殴りかかるところ

なんなら翔太に止められて、照にやりすぎって怒られるところまで

阿部はケラケラと笑う

観察眼のある阿部がいうなら間違いないだろう

目黒に向き始めている矢印をこちらに向けるためには………

告白

もう、それしかないのかもしれない

この想いを、言葉に……