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みけねこ
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放課後
わたしは花子さんに言われた通り旧校舎に来た。
旧校舎は一応立ち入り禁止になっている。
そんな旧校舎にわたしは今週だけで二回も侵入している。
セキュリティ的に大丈夫なのだろうか。
花子さん
角を曲がったところに花子さんがいた。
みか子
花子さん
朝聞いて、意味を図りかねていた言葉だ。
花子さん
花子さん
花子さん
みか子
花子さんは喋り終えると音楽室に向かって歩き始めた。
わたしは花子さんの一歩後ろを着いていく。
この時気づいたのだが、花子さんは移動するのに足を使っている。幽霊は浮いて移動するものだと思い込んでいたが、人(?)によるみたいだ。
花子さん
音楽室の前である。
みか子
確かにピアノの音が聞こえる。
わたしは耳を傾けた。
とてつもなく美しい月光。三回聴くと死ぬと言われても、少し興味がある。
花子さん
誰もが一度は聴いたことがあるであろう曲だった。
世界的に有名でもある。
花子さん
みか子
わたしはショックを受けた。
確かに一般人が演奏する「猫踏んじゃった」とは比にならない程の魅力があるし、「噂は噂」だと花子さんも言っていたが…、流石に「月光」が「猫踏んじゃった」は詐偽では?
花子さん
みか子
咄嗟に返してしまったが、なにが「そろそろいい」なのだろうか。
花子さんは音楽室のドアに近づき、ドアを三回ノックした。
花子さん
花子さん
ピアノくん?
ドア越しに声が聞こえた。
花子さん
みか子
馬鹿正直にそのまんま聞くヤツがいるか。
花子さん
花子さんはにへらと笑う。
みか子
花子さんはわたしのことを馬鹿にしている節があるので、出来るだけ威厳のある声を出すために低い声を出した。
花子さん
効果は抜群だ。
花子さん
ピアノくん?
確かに。
花子さん
ピアノくん?
花子さん
ピアノくん?
花子さん
ピアノくん?
なんだか端から見てるとコントみたいで面白い。
まあ実際は怪異が怪異に消させてほしいとお願いしていて、面白さの欠片もなくただただ怖いだけだが。
花子さん
ピアノくん?
ピアノくん?
ピアノくんは言葉を止めた。
ピアノくん?
わたしは息を潜めた。
見つかったら、殺られる…!!
花子さん
おい
みか子
ピアノくん?
花子さん
ピアノくん?
花子さん
ピアノくん?
無言は怖い。
みか子
花子さん
みか子
みか子
嘘。めちゃくちゃ殺したい。
ピアノくん?
しばらくしてガラガラとドアが開いた。
ピアノくん
ピアノくんらしき人が出てきた。この人が「勝手に鳴る音楽室のピアノ」の怪異…。
みか子
みか子
花子さん
花子さん
不服だが、その通りだ。
花子さん
ピアノくん
花子さん
ピアノくん
花子さん
花子さんはピアノくんから視線を外して笑った。どうやら図星のようだ。
灰音
花子さん
花子さんはにっこりと笑って親指を立てた。
みか子
わたしは純粋な疑問を口に出してみた。
花子さん
花子さんは即答した。
灰音
みか子
花子さん
怪異に名前があるなんて、普通の人間には知る由もないだろう。
花月
花子さん…じゃなくて花月はニヤリと笑う。
みか子
正直なんて呼べばいいのかわからない。「花月さん」も「花月君」もしっくりこない。「花子さん」が呼びやすい。
やっぱり名前、聞かなきゃよかったかも。
花月
灰音
花月
灰音
花月
灰音
そう言いながら灰音はピアノ椅子に座り演奏を始めた。
みか子
灰音の演奏は花月とコント(?)をしている姿からは想像できないほどかっこよかった。
とても綺麗な演奏で、聞き入っている内に曲が終わった。
花月
灰音
みか子
灰音
みか子
思わず本心が声に出ていた。
みか子
わたしは早口になりながら言った。
相手は一応怪異だ。機嫌を損ねたら何をされるかわからない。
灰音
灰音は花月に小声で尋ねる。
花月
灰音
花月の言う通りだ。 ところが灰音はこちらに話しかけるどころか目すら合わせてくれない。
みか子
ようやく灰音がこちら側を見た。
灰音
灰音の頬が少し赤く染まった気がした。
さっきから明らかにわたしのことを避けたり、私と話すときに声が裏返ったり…
もしかして…
わたしは花月にしか聞こえない小さな声で尋ねる。
みか子
花月
みか子
声がでかい、と花月の横腹辺りを突っつく。
幸いなことに灰音の意識はどこか別のところに行っているようでこちらの会話は耳に入っていないようだ。
花月
花月は曖昧に答える。 何故か必死に笑いを堪えているような表情だ。
花月
花月は面白くなさそうに尋ねてきた。
みか子
花月
みか子
花月
花月はクスクス笑う。
花月
みか子
もう死んでいるから「殺す」と言うより「抹消する方法」の方があっているのだろうか。
花月
最近ナチュラルに心を読まれていて怖い。
花月
みか子
みか子
わたしが尋ねると花月はいつもの、少し変わった笑みを見せた。
コメント
1件
第3話、面白かったです!「月光」が「猫踏んじゃった」だったオチに笑いました。噂と現実のギャップ、花月くんと灰音くんのコントみたいな掛け合いが楽しくて、つい二人の関係性に注目してしまいます。みか子さんが「♡♡♡」と言いながら灰音くんの演奏に素直に「かっこいい」って言っちゃうのも、彼女の複雑な本心が見えて良かったです。灰音くんの女性恐怖症という新たな一面も気になります。次話も楽しみにしています🌷