燎煉火力発電所
読者さん
扉を開けたその先
謁見は許されたものの……
陽炎で揺らめきを纏う女性が椅子にかけている
読者さん
天音
天音
そうだ……
怖気づいて声を上げることを忘れていた
なんたる失態
読者さん
読者さん
読者さん
読者さん
……
……
しばしの沈黙が重く伸し掛かる
智美
智美
智美
智美
天音
智美
天音
智美
智美
数秒ほど顔を見つめてきた
その表情は険しく
見ただけでわかるほどの嫌悪感
智美
彼女は呆れたように天音に尋ねた
智美
天音
天音
天音は顔をそらす
自覚はあったのだろう……
それに甘えた自分も後ろめたいのだが
智美
機械の轟音でかき消されたという言い訳はきっと通じない
ハキハキと言えばきちんと通じなくもないほどなのだから
恐怖感で声が震えて小さかったのが仇となった
読者さん
読者さん
読者さん
焼けるような熱風を肺いっぱいに
お腹の底から今一度自分を名乗る
智美
智美
先程のようなしかめっ面は打って変わりふんわりとした笑顔に
緊張の糸がフッと切れたような気がした
ひとまず安堵したというものだ
天音
天音
智美
智美
天音
智美
天音
智美
天音
そう言い残すと天音は軽々と鉄の扉を開けて去ってゆく
残されたこのアウェー感の空気
実に重いものだ
燎煉火力発電所
智美
読者さん
智美
智美
読者さん
読者さん
智美
智美
正直なところ言うと逃げ出したいくらいに怖い
智美
智美
その維持の悪そうな真っ赤な瞳
艶やかな視線
落雁より甘い声色
読者さん
この部屋に入ってこれた覚悟があるならば
やり遂げられる
自信もやる気もばっちりだ
智美
読者さん
その覚悟は本物か?
確認の為聞き返された
だから自信満々に応えて返さなきゃ
智美
智美
智美
また再びしかめっ面だ
何なのだ?
何がいけなかったのだ?
智美
智美
読者さん
智美
読者さん
智美
智美
よく考えればそうだ
何気ない言葉でも受け手からするとそう捉えられても仕方なかったはず
とことん甘いなと……それでいて悔しい
智美
智美
智美
読者さん
智美
読者さん
智美
智美
智美
読者さん
智美
読者さん
読者さん
読者さん
智美
智美
読者さん
智美
彼女の笑みは魔性のものだ
誰も逆らえず……
まごうことなきプロパガンダ
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