そう。私は、兄さんを…飲食店に呼び出した。

兄さんは格好良くて、走るのも早くて、イケメンで…。

本当に大好きなんだけど、兄妹だから…、言えるはずが無い。

気まずい…気まずすぎる。

ポロが、兄さんの手を噛む。

寂しそうな声と顔をする。

何度も何度も謝る。嫌われたくないから。

痛そうな顔をしているけど、無理をしてるのかな…？

見ると、兄さんの手から血が出ていて、それもドクドク…止まんない。

私は大声で母さんを呼んだ。

混乱してたからわかんなかったけど、フラフラ歩いて…兄さん……

意味が分かんないよ。何で？可愛いポロを手放さないとダメなの？

何？上手くって。私は上手く出来なかったってこと？何で？おかしいよ…？

え？え？

絶望した私に、兄さんが必死に抗議してくれる。

そんなことも理解できない。

私は、蹴飛ばされて…飲食店から出された。

私は、コンビニの前で立ちすくんでいた。

キャンキャンとポロが鳴くが、何も感じられない。信じられない。

クラスの中でも陰キャの中島さんはクラス全員に嫌われている。

照れてくねくねと体を揺らす。

…分かってたんだ。…じゃあ何で先生とかに言わないの？

絞り出すように…声を出す。

さっきまでキュンキュンって鳴いてたのに。どうしたの？

天使のような笑みを浮かべているのに、口走る事は恐い。

怖い笑みだ。何と言うか、顔が…。

なんで私の名前を知ってるの？