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私の大好きなお兄ちゃんたち

第2話 - 第2話

2,296

2025年03月16日

#一次創作

#恋愛

#創作

#青春恋愛

#学園

さくら

伊東善

いやー

伊東善

にしても入学式の紬希ちゃん最高だったね

栗原紬希

えっ

2人は並んで歩いていた。

伊東善

理仁に向かってあんな手を振るなんてさ

伊東善

笑いこらえるの必死だったって〜！

栗原紬希

……

紬希の頭で教室で言われた言葉がフラッシュバックした。

「子供っぽいよね〜」

栗原紬希

……ですか

伊東善

ん？

栗原紬希

変、ですかね

栗原紬希

お兄ちゃん大好きなのがそんな変なんですか…

伊東善

……

伊東善

変じゃないよ

善はニコッと微笑んで紬希の頭を撫でた。

伊東善

俺も理仁のこと大好きだし

伊東善

それと一緒でしょ？

栗原紬希

！！

栗原紬希

そ、そうですよねっ

伊東善

周りの目なんか気にしちゃダメ

伊東善

紬希ちゃんは間違ってないよ

ドキドキドキドキ…

栗原紬希

（またドキドキしちゃってる…）

栗原紬希

ありがとうございます！

伊東善

あ、俺家こっちだから

善は立ち止まって横道を指さした。

栗原紬希

はいっ

栗原紬希

今日はありがとうございました！

紬希は善に向かって頭を下ろす。

伊東善

そんな礼しなくてもw

伊東善

紬希ちゃんと会えてよかったよ

伊東善

また明日ね

栗原紬希

はいっ！

紬希はニヤニヤした顔を隠すように背を向けて歩いて行った。

善は紬希の後ろ姿に手を振る。

伊東善

元気な子だなぁ

伊東善

（本当にあの毎日無表情の理仁の妹か？）

伊東善

（兄妹とは思えないくらいに似てないなー）

伊東善

……

伊東善

（「理仁のこと大好きなのは一緒」か…＿＿）

善はボソッとつぶやいた。

伊東善

一緒じゃねーけどな

栗原紬希

えへへ！

栗原紬希

それでねそれでねっ

紬希はベッドに座り、顔をキラキラさせながら話を続けた。

栗原理仁

……

栗原紬希

善くんがね！

栗原紬希

お兄ちゃんの友達って聞いて！

栗原紬希

私、とっても嬉しかったよ！

栗原理仁

…そう

栗原紬希

もー！

栗原紬希

興味無いでしょっ！

栗原理仁

ない

栗原紬希

ひっどーい！

栗原紬希

善くんと私がお友達になったらお兄ちゃん喜ぶと思ったのにさ

栗原理仁

…は？喜ぶ？

理仁はクルッと椅子を回転させて紬希のことを睨んだ。

栗原理仁

その逆だけど？

栗原紬希

え

栗原紬希

な、なんでえ！

栗原理仁

……

栗原紬希

お兄ちゃんは私のこと、嫌いなの…？

栗原理仁

はぁ

理仁は紬希の方へ近寄り、紬希の頭を撫でた。

栗原紬希

！

栗原理仁

妹なんだから

栗原理仁

嫌いとかない

栗原紬希

じゃあ好き！？

栗原理仁

嫌いではないってだーけ

栗原紬希

えへへっ

お兄ちゃんに撫でられるのは大好き

安心するから。

でも今日、善くんに撫でられて

栗原紬希

（安心じゃない。私ドキドキしてた…）

栗原紬希

（もしかして、私善くんのこと男の子として見てるのかな…）

栗原理仁

…俺そろそろ勉強する

栗原紬希

うんっ。じゃあね

紬希は部屋から出ていった。

紬希が下の階へ降りてったのを確認し、理仁はため息をついた。

栗原理仁

はぁ……

理仁はスマホを取りだし、善に電話をかけた。

プルルルルル…

女性

『もしもーし！』

栗原理仁

……

栗原理仁

はぁ

女性

『えっ、理仁くん！？』

女性

『私のこと分かるー？』

女性

『1か月前に理仁くんに告白した＿＿』

栗原理仁

分かんないから

栗原理仁

善に変われ

電話の奥で善と女性が会話している声が聞こえた。

伊東善

『もしもーし』

伊東善

『ごめんねー。勝手に電話出させちゃって』

栗原理仁

また女連れ込んでんのか

伊東善

『俺の勝手でしょー？』

伊東善

『なに？心配でもしてくれてんの？』

その言葉に理仁はイラッとする。

栗原理仁

するわけないだろ

栗原理仁

そういうところが信用ないんだよ

伊東善

『なになに？なんで怒ってるの？』

栗原理仁

紬希のことだ

栗原理仁

関わるなって何度も言っただろ

栗原理仁

紬希が笑顔でお前のこと話してきたぞ

伊東善

『そのことか〜』

伊東善

『でもホント紬希ちゃんと会ったのは偶然だってば』

伊東善

『そしたら変に懐いちゃってさ…』

栗原理仁

紬希"ちゃん"…？

伊東善

『そんな怒んないでって！』

栗原理仁

（ああ。イライラする…）

伊東善

『…にしても紬希ちゃんって』

伊東善

『結構可愛いね』

栗原理仁

は？

理仁の声のトーンがガラッと低くなる。

栗原理仁

紬希に手出したら許さないからな

伊東善

『え！手出すとか言ってないじゃん！』

伊東善

『ははっ。理仁って意外とシスコンなんだ』

栗原理仁

…違う

栗原理仁

（そんなんじゃない＿＿）

伊東善

『わかったわかった』

伊東善

『紬希ちゃんには何も手出さないからさ』

伊東善

『ご安心を』

栗原理仁

……

理仁はブチンと電話を切った。

栗原理仁

（紬希は、）

栗原理仁

（男慣れをしてない。だから＿＿）

善みたいなやつが1番厄介だ

栗原理仁

……

栗原理仁

今回はどうするか……

ブチッと理仁に電話を切られた。

伊東善

あらら……

下着姿の女性はギュッと善にくっついていた。

女性

あれ！切られちゃったの？

女性

理仁くんと話したかったのにー

伊東善

……

伊東善

理仁のこと、まだ好きなの？

女性

え？

女性

ふふっ、善ってば嫉妬〜？

伊東善

まあ、

伊東善

そーだけど？

女性

もー！彼氏でもないのに！かっわい〜！

伊東善

（誰がお前にすんだよ、バーカ）

女性

大丈夫！今は善のことしか見てないよ〜

伊東善

だよね

伊東善

理仁のこと、もう好きにならないでね

善はニコッと笑った。

栗原紬希

（今日も友達ができなかったよぉ……）

入学して1週間。

紬希は昼休み、廊下を歩いていた。

栗原紬希

（入学式のこと、みんな噂してる）

栗原紬希

（善くんはああ言ってくれたけど、私やっぱり変なのかなぁ）

私もお兄ちゃん離れしなきゃいけないのかな

栗原紬希

（うぅ、絶対やだぁ…）

先輩の男子生徒

ねえ君、1年生？

肩にポンと手を置かれて振り返る。

栗原紬希

…？

栗原紬希

そ、そうですけど……

栗原紬希

（誰だろう）

先輩の男子生徒

えぇー！可愛いねっ

栗原紬希

え！ありがとうございます！

栗原紬希

（可愛いって言われちゃった！）

先輩の男子生徒

え、う、うん

先輩の男子生徒

じゃあ、俺と一緒にご飯食べない？

栗原紬希

友達になりたいってことですか？

先輩の男子生徒

………

先輩の男子生徒

噂通り、頭の中お花畑だね

栗原紬希

え？

先輩の男子生徒

君が可愛いから狙ってるんだよ？

栗原紬希

（ね、狙ってる…？）

栗原紬希

（この人、何言ってるのか全然わかんない…）

先輩の男子生徒

とりあえず、人いないところ行こうか

男子生徒は紬希の腕を掴んだ。

栗原紬希

（でもなんだか、怖い…！）

栗原紬希

や、やめ＿＿

栗原理仁

おい

理仁は男子生徒の肩をガシッと掴んだ。

先輩の男子生徒

な、会長！

栗原紬希

（お兄ちゃん……！）

栗原理仁

シャツのボタンは1番上まで閉める。

栗原理仁

靴下は黒、白、グレー

栗原理仁

前髪は目にかかるな

栗原理仁

そして髪型の剃りこみ

栗原紬希

？

栗原理仁

全部指導対象だ

栗原理仁

放課後、生徒指導室に行くこと。

先輩の男子生徒

く、くそ！

男子生徒は逃げるように廊下を走って行った。

栗原紬希

お兄ちゃん……

栗原理仁

はぁ…

栗原理仁

紬希、何もされてないか？

栗原紬希

うんっ

栗原紬希

大丈夫だよ！ありがとう！

栗原理仁

ああいうのはちゃんと断れよ

栗原紬希

ごめんなさい……

栗原理仁

……というか、友達は？

栗原理仁

弁当一緒に食べる友達はいないのか？

紬希はギクッとし、理仁から目をそらす。

栗原紬希

い、イルヨ……

栗原理仁

いないんだな

栗原紬希

………

栗原紬希

（お兄ちゃんにはなんでもお見通しだ……）

栗原紬希

お兄ちゃん離れしなきゃ、出来ないっぽいの…

栗原理仁

は…？

私の大好きなお兄ちゃんたち

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大好きです。これからもずっと作品見ます！

ほんとに好きです … キャラ一人一人の話し方とか好きすぎます！！！

さくら

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