テラーノベル
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その日の放課後。
私は忘れ物を取りに教室へ戻った。
すると。
誰かいる。
窓際の席。
朝比奈くんだった。
イヤホンをつけて本を呼んでいる。
夕日が差し込んでいて。
思わず見とれた。
すると。
湊
陽葵
陽葵
湊
恥ずかしい。
陽葵
湊
またその言葉。
私は気になって聞いた。
陽葵
湊
陽葵
数秒沈黙。
すると。
湊
陽葵
湊
絶対嘘だ。
でも。
それ以上は聞けなかった。
その時。
ガタン。
私がぶつかって教科書を落とした。
拾おうとすると。
朝比奈くんも同時に手を伸ばした。
指が触れる。
一瞬。
目が合った。
なぜか心臓が跳ねた。
湊
朝比奈くんは何も言わない。
でも。
少しだけ。
本当に少しだけ。
優しい顔をした気がした。
コメント
1件
読ませていただきました、第3話。 「見すぎ」「ずっと」の返し、朝比奈くんらしいというか、彼の距離感が絶妙だなあと。そして「面倒だから」――本当は違うのに、それしか言えない理由がありそうで気になります。夕日と沈黙、教科書を拾う指先の一瞬。あの「優しい顔をした気がした」が、陽葵さんの主観だからこそリアルで、読んでるこちらもどきどきしました。続きが知りたいです。