ドードー
待ってたよ〜☆
にこ
紅紫
……なんの用?
ドードー
そんな嫌そうにしなくてもいいでしょ
ドードー
眉間にシワよってるし
紅紫
余計なお世話だ
紅紫
そもそも、お前らは監視されてるんだぞ
ドードー
知ってるよ♪
紅紫
…………
ドードー
それよりもさ
ドードー
酒まんじゅうでもどう?
ドードー
作ってみたんだ
紅紫
いらん
ドードー
即答?!
紅紫
……帰る
ドードー
ちょっと待ってよ!
ドードー
ドードー
──“彼女“がどうなってもいいの?
紅紫
……彼女?
ドードー
阿左美リエ
ぴくっ
ドードー
やっぱり放っておけないよね〜
紅紫
彼女をどうした……?
ドードー
知りたい?
ドードー
なら、一緒にお茶しよ♪
ドードー
はい、どうぞ
酒まんじゅうを差し出される
酒の香りが鼻腔についた
紅紫
(……見た目は普通のまんじゅうだ)
恐る恐る口にする
紅紫
…………
ドードー
美味しいでしょ?
紅紫
……ああ、普通にな
餡の甘さが口の中で広がる
ドードー
よかった♪
ドードー
あ、残さず食べてね
ドードー
もったいないしさ
言われたとおり、残り半分の酒まんじゅうを平らげた
紅紫
(……ん?)
違和感を覚えた
紅紫
(なんか、身体が……)
ドードー
あと一つ残ってるよ?
紅紫
…………
ドードー
ほら、早く食べて
有無を言わせず、残りを食べた
紅紫
(……なんだか、熱い…………)
ばたん
その場で横たわる
ドードー
顔が赤いよ?
ドードー
酔ったの?
紅紫
紅紫
(……酒まんじゅうを、食べたくらいじゃあ)
紅紫
(……こんな簡単に…………)
ドードー
ぼくの作った酒まんじゅうは特別でね
ドードー
鬼○ろし・アルコール分20%入ってるんだ
ドードー
作るのに相当苦労したよ
ドードー
なんせ、餡の甘さとマッチさせなきゃいけないし
ドードー
下手したら、ぼくも酔っちゃいそうだったよ
紅紫
…………
ドードー
お土産菓子の鬼○ろし酒まんじゅうの方を
ドードー
渡そうかなと思ったけども
ドードー
あれ、アルコール分0.01%未満らしいからね
紅紫
ドードー
それじゃあ、あんたを酔わせられないしさ
ぎゅっ
紅紫
……な、なにを……?!
ドードー
男っていうより──
ドードー
女にしか見えないね?
ドードー
ドードー
今まで何人、魅了してきたの?
顔を近づける
紅紫
……!
振り払おうとするが、思うように動かない…………
紅紫
(……こんな状態じゃなければ)
唇が重なる直前、顔を上げた
紅紫
……?
ドードー
もしかして、キスされると思ってた?
ドードー
ドードー
あは♪ 安心していいよ
ドードー
ぼくがキスするのは、アリスだけだからさ
紅紫から離れる
ドードー
さて、そろそろ彼女を迎えに行かなくちゃ
紅紫
ドードー
大丈夫
ドードー
あんたのこと、介抱してくれる人を呼んであるからさ♪
その場に残される
紅紫
……あいつ
気配を感じ、視線を向けると──
阿左美慎哉が真顔で立っていた
紅紫
……なんで…………
慎哉
…………
無言のまま近づき、覆いかぶさるようにして抱きしめた
紅紫
……!!
慎哉
慎哉
さっきもこんなふうに、抱きしめられて
慎哉
……キスされてたな
紅紫
してない……!
紅紫
(……さっきの見られてたのか)
慎哉
……書き置きのとおり、来てみれば
慎哉
まさか俺以外のやつと……
紅紫
(……書き置き?)
チュ
紅紫
……!?
慎哉
慎哉
──誰よりも、あんたのこと…………
紅紫
ちょっ……、待て……
聞く耳を持たず、もう一度唇を奪った──