この作品はいかがでしたか?
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まろも道連れに倒れてしまったのか
そう思うと心臓が握り潰れるような感覚になる
だんだん頭も痛くなってきた 目が朦朧とする
このまま倒れてしまったらどれだけ楽だろうか
このまま倒れてしまいたい この結果を水に流してしまいたい
やっぱり体育祭なんて嫌いだ
こんなことになるんだったら最初からやらなければ良か…
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少し強い口調だけどどこか優しさも感じるまろの声 俺はその声に合わせて立ち上がった
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まろのその合図で俺は足を踏み出した
結果としては2位だった
1位は流石に抜かすことができずにその直前で終わった
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最下位を免れた喜びよりも俺のせいで 1位が取れなかったこの罪悪感のほうが重たく感じる
これまでダメダメな俺にずっと付き添ってくれたまろへの罪悪感とみんなに期待させてしまった羞恥心で押しつぶされそうだ
きっと、このペアが俺じゃなかったなら
まろがもし、もっと運動ができる人…もしアニキとペアを組んでいたとしたら こんなくだらない失敗なんてしなかったのかな
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しゃがみ込んだ俺の目線合わせてくれたかのようにまろもしゃがみ込む
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そう言い、まろの手が俺の頭の上に来た
優しい手付きで撫でてくれるまろ それが信じられないほど心が落ち着いていった
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競技が終わってからないこが見当たらなくなった 競技が終わって自席に着くタイミングで見失ってしまったようだ
……、この言い方だと俺がストーカーしてるみたいじゃね?
まぁ…そんなことはどうだって良い
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後ろからヒョコッと出てきたのは初兎だった
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俺の独り言までもしっかりと聴かれていた 独り言を聴かれるってこんなに恥ずかしいものだったのか
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なんだコイツ…距離の詰め方が異常だ……
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俺、結構前のないこと昼食べようとしたら邪魔してきたの… 許してへんからな?
そんなことを考えても口には出さない
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後ろから初兎の声が聴こえる 視界の端には大きく手を降る初兎が見えた
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誰もいない校舎裏 壁にもたれかかりながらため息をつく
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時々涙が出てきそうになったときは
キュ……
蛇口を捻り冷水を出す
手に水を溜め顔にかける 水の冷たさで涙を引っ込める
その、繰り返し
キュ…キュ………
蛇口の金属が擦れる無機質な音
それすらも敏感に感じるようなった
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体育祭ごときでこんな感情に振り回されるなんて
こんなダサい感情を持つダサい俺が 自分でも恥ずかしく感じてくる
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手元にあった空のペットボトルを地面に強く投げつける
空気の入ったペットボトルはガコンと 音はしたものの凹むことはなくただそこに転がっていた
ムシャクシャして乱暴に頭を掻く
コロコロと俺の方に転がってくるペットボトル それが俺のつま先に付いたころに
誰かがこっちに来ているのに気づいた
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急いで溢れそうになった涙を拭い奥の方へ進んでいった
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背中の方から小さく足音が聴こえる それもだんだんと大きくなっていった
なにかが迫ってくると思っていたら突然足音がなくなった 安堵でため息を溢す
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聴き慣れた低い声。それに混ざる優しさ その声はまろの声だった
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そう言われ渋々まろの方に向かった
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顔を伏せまろの顔なんて見ることもせず1人で喋り続ける
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気づけばまろが俺を抱きしめていた
なぜかすごく落ち着く。さっき、頭を撫でられたときのように
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そんな暖かい言葉を受け、涙腺が緩んでしまった
正直言ってまろにこんな姿見せたくないが 意図的に涙を止めることなんてできない 抵抗することもなくボロボロと涙が落ちていく
顔に押さえつけたまろの肩にだんだんと俺の涙が滲んでいった
その間にもまろはずっと頭を撫でて、抱きしめてくれていた
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真っ赤にした目を細めて優しくクスクスと笑う彼
そんな姿をも愛おしく感じた
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そんな事言われたら期待しないわけがない だんだんと鼓動が高鳴っていった
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急いで訂正するようなそんな姿も愛おしく感じる
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嬉しさのあまりないこに抱きついた
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照れながらも離れようと必死になってる彼 そんな彼の姿が愛おしくて愛おしくてたまらなかった
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恋人でもなければ友達よりも上にいける気がしない
そんな行き場のない感情が俺の心をぐちゃぐちゃにしていく
掴めそうで掴めない彼の恋心 彼は、俺の想いにはいつになったら気づいてくれるのだろうか。
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この2人だけの落ち着く空間が終わりに近づいていく そう考えると余計寂しく感じた
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名前を呼ばれ振り向くと、 まろが自分のジャージを俺に差し出している
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寂しいって思ってたこと…バレてた…?
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恐る恐る彼のジャージを手に取る
すると勢いよく前に引っ張られた
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頭の整理がついたときにはもう彼の腕の中だった
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そういうのは好きなやつとやりなよ…
そう思いながらも口には出さず、彼の気が済むまで大人しくしておいた
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しょうちゃんには泣いてたこと…ダサいところを知られたくない だからとっさに思いついた嘘を伝える
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まろのことちゃんと応援するって決めたのに 初めから見れなかったのは少し悔しい
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まろにバトンが渡った途端歓声が大きくなった さすが人気者だなぁ…
途端に心の奥でなにかが突っかかる
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しょうちゃんのおかげで心の奥で突っかかってた正体不明のなにかがなくなった気がする
勇気が出せない俺の背中を思いっきり押してくれたしょうちゃん 俺はそのおかげで自信がついた気がした
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大きく息を吸う
口いっぱいに、肺いっぱいに空気を溜め込み 一気に吐き出す
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俺の声が届いたのか、ペースを上げていくまろ
そしてそのままの勢いでまろはゴールテープを切った
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昼下がりの帰り道
体育祭の終わりという余韻を深く感じていた
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りうらに声をかけられハッと意識が戻ってきた
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今年の体育祭はこんなに濃い一日になるとは思っても見なかった
まだ、この事実が夢のようだった
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そう言ってそれぞれがそれぞれの話をし始めた
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彼の名前を呼びながら服の裾を掴む
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そんなアニキの言葉を背中で受けまろと 一緒にみんなの行く方向とは別の道を進んでいった
彼が俺の手を握っているのは無意識の内なのだろうか
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しんと大きく間が空いた 変なことは言ってないはずなのになぜか冷や汗がじわりと溢れてくる
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あの…脳内真っピンクのまろからそんな発言が出てくるなんて 驚きを隠せない
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これを言えば後々後悔するかもしれない だけどこれを言わなきゃいけない気がする
この後の未来 なにが起こるかわからないなにかに賭けて俺は覚悟を決めた
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呆然とするまろ
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無言の空間のまま俺らはみんなのいるところに戻っていった
これからまろがどんな行動を取ってくるのか 俺は緊張感と少しの恐怖心の中にちょっとした嬉しさもあった
コメント
17件
ほわっ、ほっ、え、いけめんっ!…え、かわよっ!もうつきあってんじゃんっ!?今回は白ちゃんが恋のキューピットしてくれて、なんか…よかった!!桃ちゃんももう自覚してんじゃないっ…!?
とても好きです。 熱が下がった気がするわほんとwwwww