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イオは自宅より少し遠くの、川に架かる橋の上に立っていた。 橋に腕を乗せて、川を眺めている。 月の光が乱反射してキラキラしていて、心地よい。

すぐ遠くに街が見えるところだけど、基本的に静かで人通りも少ないので気に入っている場所だった。近くにイタリアンもあるし。

失敗しちゃったり、なんとなく気持ちが落ち込んだり気晴らしに来たいときは決まってここに来る。 たまに鳩さんたちにエサをやったり、...そんなことをしていると、いつの間にか悩み事なんでどうでもよくなっているんだ。

だけど、今回は、ダメそうだ。

フランスからメールが送られてきた。 内容を見た時は、思わず目を疑った。 なんども画面を開きなおして、再読み込みをしたり、スマホを再起動したり。 でも、フランスからのメールはそのままで、 内容は、本当のことらしい。

ナチとソ連のツガイが成立した、だなんて。

ナチはαだから、ソ連がΩなのか。 ソ連はαだって自称してたのに.....嘘をついたんだ。

でも、イオの心には、ナチを責める心なんてなかった。

ただ、ひたすらに、 「イオがΩだったらよかったのに」 と、想い続けて、 無意味にイオだけを責めていた。

イオがΩで、 αのナチにドロドロのグチャグチャに、 殺す勢いで抱いてもらって、 嚙み千切るくらいの勢いでうなじに噛み付いてもらって、 一生モノの痕をつけてもらって。 ツガイにしてもらいたかったなぁ、なんて。

ぜ  っ   た い  く る  っ   て       る よ

こ ん  な   の

イタリア王国

(幸せなままでよかったのに、.....)

イタリア王国

(なんでイオは失敗ばかりするの.....)

イタリア王国

(なんでイオはこんなにも弱いの?)

もうイオの中身は完全にくうになって、 生きる意味も気力もごっそり抜け落ちていた。 目のハイライトも無くなっていて、 「恋人を愛するbot」になり下がっていた。 (もうナチとは恋人じゃないかもしれないけれど)

十分、幸せだったのに。

____イオ、頑張ったのに。

ナチにコクハクしたときのことを思い出す。 すると、なんだか目の部分が熱くなってきて、 イオは涙を落していた。 しずくが手の甲に落ちる。

それからは涙が止まらなくなって、 橋に肘を置いたまま、顔を手のひらで覆い隠しながら、泣きじゃくった。

こんなこと、 いったい誰が望んだっていうの!

イタリア王国

ぅぅ、っ、.....はぁ、っ

イタリア王国

ぅうぅ”.....、

弱々しく泣いたあと、 イオは手を顔から退けて、 決心したような顔でナナメ上の空を見た。

月が綺麗な日だった。

イオは川に飛び込んだ。

....本当に、月が綺麗な日だった。

ジャポン、と少しだけ大きな水の音がしたきり、あたりは静かになった。 誰かが川に入ったなんて、誰が想像できただろうか?

月が雲で隠れた。 彼は、川の底の闇へと、独り沈んでいくのだった。

PS.だいすきなみんなへ いままでありがとう イタリアより

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