テラーノベル
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モブ(使い回し)
日向
ギュッゥ
最近、みんなの目が気になっていた。
俺を見ている。
笑っている。
なんで、?
日向
怖いっ!
トントン
日向
先生(使い回し)
日向
先生?
先生(使い回し)
日向
日向
先生(使い回し)
日向
日向
先生(使い回し)
先生(使い回し)
先生(使い回し)
日向
日向
日向
まさか、もうバレてるなんて。
日向
瀬見
トントン
日向
瀬見
日向
日向
この人達は、優しいから。
でも、みんなは違う。
昔みたいに···きっと。
日向
ギュッゥ
パッ
瀬見
日向
日向
日向
瀬見
心配は、かけちゃダメだ。
もう、この人たちを頼ったら···ダメ。
自分で、何とかしなきゃ。
キーーーーーーンッ
どんどん、声が遠ざかっていく。
みんな、離れてく。
日向
声を出したい。
助けてって。
離れないでって。
こんな俺に、着いてくる人なんて···居ないから。
俺は···【障がい者】だから。
嫌われて当然だから。
だから···。
···だから···っ。
キーーーーーーンッ
日向
バッ
もぅ、いやだよ。
ジャーーーーッ
この水の音も、蝉の声も、葉っぱが風で揺れている音も、普通の人は聞こえてる。
俺は、おかしな奴だから。
日向
モブ(使い回し)
しらない。
きこえない。
わるぐちだけは···きこえるのは、なんで?
日向
モブ(使い回し)
悪口だけは聞こえる。
聞きたくなくても、耳に入ってくる。
なにも、出来ない。
怖くて、足が竦む。
逃げたい。
この場から。
ドカッ
日向
暴力も、ぜんぶ···から逃げたい。
モブ(使い回し)
モブ(使い回し)
日向
あれ、だけはっ。
おれの、大事なものっ···!
だめ、っ!
モブ(使い回し)
バキッ
日向
また···俺は···ひとりになる。
また、母さんに心配させる。
また、飛雄に怒られる。
みんなに···心配される。
いや、だ。
モブ(使い回し)
モブ(使い回し)
ドカッドカッドカッ
ドカッドカッドカッ
ドカッドカッドカッ
こわい。
日向
こわれちゃった。
もう、つかえないや。
ここでは、ともだちとかできるっておもってた、。
でも···ここでもおれはきらわれるんだ。
かんちがいしたおれがばかだった。
ばかだなぁ、おれ。
これじゃ···すきなひとにも、きらわちゃう。
日向
コンコン
日向
はやく、ねよう。
ねて···またねて、わすれるんだ。
ばれーぶのみんなのことも、すきなひとがいるってことも。
もう、しらない。
おれはなにもいらない。
ガチャッ
おれはひとりでいいんだから。
ギュッ
日向
瀬見
日向
瀬見
瀬見
聞こえないはずなのに···聞こえる。
瀬見さんの声が、好きな人の声が···。
聞こえる。
日向
日向
瀬見
瀬見
日向
日向
日向
瀬見
瀬見
助けて。瀬見さん。
みんな。
日向
瀬見
瀬見
ギュッ
泣いてる?
暖かい。
気持ちいい。
瀬見さんの体温だ。
冷たかった体温が、温まっていく。
好きだ。
日向が声を発した。
自分では聞こえないだろうけど、俺にはちゃんと聞こえた。
【助けて】って。
瀬見
瀬見
ギュッ
日向の噂は前々から知ってた。
誰かが日向の事を話してるって。
バレー部の人達は違う。そんな事をするわけない。
なら、日向の耳についてある補聴器を見て難聴だと分かったやつだ。
日向はこれほど不幸なんて。
俺が守ってやらなきゃ。
絶対に助けなきゃ。
日向俺の大事な、好きな人だから。
大切な人だから。
瀬見
瀬見
日向
今は俺の声、聞こえてるんだろうね。
口を見てないのに頷いてくれた。
瀬見
瀬見
ギュッ
日向は俺が守るんだ。
好きな人を泣かせた奴を許さない。
パチッ
ここは···俺の部屋。
寝てたのかな···。
ニギッ
日向
バッ
日向
瀬見さんだ。
疲れて寝ちゃったんだ。
日向
ずっとそばに居てくれた。
俺の大好きな人。
日向
瀬見
ムクッ
瀬見
日向
瀬見
日向
瀬見
日向
日向
日向
日向
日向
瀬見
日向
日向
瀬見
ギュッ
日向
瀬見
日向
瀬見
日向
一人で居たかった。
誰にも傷つかれず、誰にも傷つかない。
それが一番いいと思っていた。
でも、違う。
俺には仲間も好きな人も友達も必要なんだ。
困った時は助けてくれる人が。
泣きたい時にそばに居てくれる人が。
俺には必要。
ずっと、必要だったんだ。
信じたい。
助けて欲しい。
これからも、ずっと。
日向
瀬見
ギュッ
これからも。
ずっと。
お主
お主
お主
お主
お主
お主
コメント
2件
やっぱり合ってた!! 瀬日最高ッッッ