/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
ミーンミンミンミーン ジージージージー……
彰人
暑い……
暑苦しいセミの声が鳴り響く中、神山高校1年C組の教室で 一人の男＿＿東雲彰人はそう呟いた
教室を見渡してみるが、｢故障中｣と書かれたエアコンが目に映るだけだった
ミーンミンミンミーン ミーンミンミンミーン
彰人
あﾞーーうるせぇ…
彰人
冬弥は…委員会か、
そう言って東雲彰人は一人の男の名を口にした
彰人
補習早く終わらせて冬弥のとこ行こ
……………
図書室
冬弥
それでは、こちらの本は7月10日までに返却してください。
ガラガラッ
彰人
冬弥ー、居るか？
冬弥
ああ、彰人か。
冬弥
補習は終わったのか？
彰人
おう。早くあの暑苦しい教室から出たかったしな、
冬弥
そうか、お疲れ様
彰人
ん、サンキュ
彰人
冬弥は？まだ委員会の仕事長引きそうか？
冬弥
もう少しで終わる。先に帰ってもらっても構わないが
彰人
んー、今日バイトのシフトも入ってねぇし待っとくわ
冬弥
そうか。じゃあこっちもできるだけ早く終わらせる
彰人
ん
………
冬弥
彰人、終わったぞ
彰人
お、そうか
彰人
じゃあ帰ろうぜ
冬弥
ああ、図書室の鍵を返してくる
冬弥
先に行っておいてくれ
彰人
りょーかい
＿＿蒸し暑く、静まり返った廊下に足音が響き渡る
冬弥
彰人、待たせた
彰人
ん、全然待ってねぇよ
彰人
帰ろうぜ
冬弥
ああ
校舎の外に出ると更にセミの声がうるさく聞こえた
暑さのせいか、視界が歪む
彰人
暑っつい…
冬弥
だな…
冬弥
彰人、今度のテスト…大丈夫なのか？
彰人
えー、まぁそれなりにかな
冬弥
次悪い点数とったら…
彰人
あﾞー分かってるよ
冬弥
そうか
セミの声、車の音、子供の声、大人の声、踏切の音…
沢山の音が混ざりあって異様なメロディーを奏でている＿＿
お互いに言葉を返し、返され
いつも通りの【日常】…
彰人
ーーー！
冬弥
ーー。
彰人
ーーー？
冬弥
ーーー…
彰人
じゃあな
冬弥
ああ
ガチャ
彰人
ただいま
絵名
おかえり
彰人
げ、お前いんのかよ…
絵名
何??なにか文句でもある？
彰人
別に…
いつも通りの他愛ない会話
何の変哲もない俺の部屋
彰人
座っていても立っていても同じ…
俺が求めているのは何だ??
変化？良い家族？良い相棒？それとも…
彰人
俺が求めているのは…
───────？
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
