供犠山
柚葉
はぁ...はぁ...な、何でこんな目に...
凛
そんなことでバテないで下さい。こっちは花澄さんを背負っているんですから。
柚葉
そ、そろそろ...理由を...教えて下さいよっ‼︎
凛
そうですね、ここなら気付かれなそうですし。
凛
私が昼間、物理室にあった万力の話をしたの覚えていますか?
柚葉
ああ、あの怖い話ですか...?
凛
実はその万力の使い方について気になってしまい、皆さんが寝静まった後物理室に行ってみたんです。
凛
すると私達と行動を共にしていた若い男性が何やら尋問を受けていたんです。
柚葉
それって...何でですか?
凛
私にも分かりません。
凛
その後、複数の人達で男性を押さえ付けて万力に指をセットしそのまま力を...
柚葉
そ、そんなの嘘です‼︎
柚葉
だって星辰高の人達はみんな優しくて面白くて...
凛
もしそれが上辺だけだとしたら?
柚葉
っ‼︎
凛
私達はまだ出会って間もない赤の他人同士です。
凛
それなのにあんな少しの交流会程度で仲良くなったなんておかしな話ですよ。
柚葉
そんな...
凛
この供儀山も何か別の理由があって近付けさせたくないだけかもしれませんし。
ガサッ
柚葉
えっ?
ガサガサッ
柚葉
だ、誰かいる⁉︎
凛
走りましょう、柚葉さん。
柚葉
ええっ⁉︎そ、そんなぁ〜...