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21gを笑う天使

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21gを笑う天使

47 - 本当の理由

♥

41

2023年01月07日

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夏期講習が終わり 9月になり、いつも通りの 学校生活が再開した。

当然部活も再開したが、 いつもの部活...とは 言えないメンバーだった。

部室

何かこのメンバー新鮮だね

瑠流

蛇ヶ崎さんがいないからね

いや、それもあるけど...

刹那

何かご不満でも?

何で刹那さんがいるの⁉︎

刹那

私は瑠流様の専属メイド且つ学生ですから部活動の参加は必須です

いやいや、そういう意味じゃなくてメイド研究同好会は⁉︎

刹那

ああ、あれなら既に廃部になりましたよ

えっ、誰権限で?

刹那

猫屋敷グループです

出た‼︎何でもありなお嬢様権限だ‼︎

刹那

そのため本日から死生観研究同好会の一員としてよろしくお願い致します

...まあ、2人より3人の方が盛り上がりはするけどさ

瑠流

それって私の話がつまらないって意味じゃなくて?

そんな他愛もない話を 今日も繰り返す...

訳にはいかなかった。

今日は風祭さんに聞かなければ いけないことがあるのだ。

そのために刹那に協力を お願いして、この部活の一員と なってもらっている。

刹那

少し席を外させていただきます

この合図を後に刹那が 教室から出て行った。

そして2人きりになった このタイミングで私は あの疑問を彼女にぶつけた。

瑠流

...ねぇ、風祭さん。聞きたいことがあるんだけどさ...

ん?どったの?

瑠流

瑠流

私に何か隠していることない?

隠していること...?

瑠流

そう、しかも多分私が関係していることで

ルルちゃんが関係してることで隠してることと言ったら...

新しい顧問として榊原先生を迎えようとしてることとか?

あ、でもそうすると美術部がどうとかまた怒られるか‼︎

あははh

瑠流

違う‼︎そういうことじゃない...

瑠流

お願い、私は真剣に聞いてるの

....

はぁーあ、真剣に聞いてるか...

茜もいつ死ぬか分からないし、そろそろ時効かなー

いいよ、教えたげる‼︎

で、良い話と悪い話があるけど...どっちから聞きたい?

瑠流

えっ...じゃあ良い話から...

死研の活動は今日で終わりだよ‼︎

瑠流

は?終わり?

瑠流

どこが良い話なのッ⁉︎

まあまあ、落ち着きたまえ。逆に考えれば今後の放課後は有意義な時間が過ごせるでしょ?

だからもう、この教室に集まらなくていいよ

瑠流

...じゃあ、悪い話は何なの?

悪い話はねー...

死研設立の理由が違うって話

瑠流

違うって...いじめ解決と私の自殺防止運動じゃなかったの?

そんなの嘘に決まってるじゃん

瑠流

えっ?

だってそう言わないとルルちゃん入らなかったでしょ?

瑠流

それは...

瑠流

今の言葉...私を部活に入れたかったみたいに言ってたけど、どういうことなの?

ルルちゃんには“重要な役割”を担ってほしかったんだよ

瑠流

“役割”...?

私の死を見届けてほしかったんだ

瑠流

...は?

理解できなかった。 彼女が何を言っているのか。 自殺を仄めかすようなことは 蛇ヶ崎さんから聞いていたが それでも理解できなかった。

瑠流

何を言ってるの...?

そのままの意味だよ

私ね、自殺したいんだ

でも前に死のうとした時、茜に止められたんだよ

その前まで死ぬことに抵抗はなかったんだけど、それ以降少し抵抗ができちゃってさ

あ‼︎死ぬのが怖いとかじゃないよ⁉︎いずれ自殺するし‼︎

ただ少し...

寂しいな...って

瑠流

寂しい?

うん、だってただ自殺しても遺書が発見された...とか、原因を調べる...とか

私が死んだっていう結果しか残らないでしょ?

死ぬ直前にどういう思いがあったとか、どういう表情だったとか誰にも知られず死ぬのは寂しいじゃん

一般的に自殺なんて基本1人でするものだし

そういうのを含めて誰かに見届けてもらった方が、寂しくないんじゃないかって思うようになったんだ

瑠流

...自殺をやめようとは思わないの?

思わないね、だって死ぬことが私にとって幸せなことだもん

六道先生が人の死を見たいっていうのが幸せだったのと同じ。私の幸せはこれなんだよ

だからごめん、嫌な役割を押し付けるようだけどルルちゃんを勧誘したのはそういう理由なんだ

瑠流

...何で、死のうと思ったの?

話すと長くなるから今日は言わないでおくよ

でも強いて言うなら、私が“死ぬべきだった”ってことかな

瑠流

“死ぬべき”...?

それで?ルルちゃんはどういう気持ちになった?

悲しくなった?軽蔑した?殺したくなった?

瑠流

...いいや、むしろ逆

瑠流

瑠流

ありがとうって思った

...それは何故?

瑠流

やっと、風祭さんの黒いオーラが消えた気がするから

瑠流

正直に話してくれてありがとう、風祭さん

黒いオーラ...か。確かにそんなもの纏ってたかもね

見届け人が嫌なら言ってね。代わりの人を探すから

瑠流

私がやる‼︎

瑠流

...とは、まだ言えない。でも今度会ったら風祭さん自身のことや蛇ヶ崎さんのことを詳しく教えて

瑠流

それで判断する

分かった

そして風祭さんは私に別れを告げ 教室を後にした。

瑠流

(何でだろう...)

瑠流

(あまり取り乱さなかった...)

瑠流

(正直に話してくれたから、嬉しかった...のかな?)

私は自分の気持ちを整え 教室を後にした。

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