国狩り ～影の国民と諸国の光～

彼がそう言うとイタリアは 「ただいまなんね！」 と目を輝かせながら返した

アメリカは少し辺りを見渡して 部屋を確認する

廃病院の会議室は、埃とカビに覆われた 古い手術室を流用したものだった

ひび割れたタイルの床、錆びた手術台 壁に残るクロノス財団の紋章…

――蛇と時計が 薄暗いランタンの光で不気味に浮かぶ

Countryhumansは散乱した椅子に座り、イタリアが見つけたクロノス財団の書類

そして前哨基地の端末にあったオーダーの本部の座標を前に作戦を練る

アメリカが拳を手術台に叩きつけ、言う

彼は端末のデータを指す

北米のどこかにある 廃都市の地下を示す曖昧な座標

日本が日本刀を膝に置き、冷静に言う

フランスとイギリスが並び、書類を睨む

彼はイギリスを見る

彼の声は震え ランタンの光が彼の青ざめた顔を照らす

頭の中で鎖の音が響くが すぐに振り切る

ロシアが拳を握り、吼える

中国が折れた扇子の破片を手に冷静に言う

ドイツが拳銃を机に置き、唸る

イタリアが補充した 医療バッグを握り言う

アメリカが立ち上がり、言う

イギリスが息を吐き、言う

日本が頷く

イタリアが書類をめくる

中国は冷たい声で言う

フランスがレイピアを握り、言う

その瞬間 廃病院の奥からガラスが割れる音がした

ランタンの光が揺れ 廊下の闇に何かが動く気配

イギリスの幻覚が一瞬強まり 鎖の音が頭に響く

アメリカが拳を構え、吼える

その意気込みに対して 今、何か敵が現れることはなかった

イタリアが書類を広げ 薬品庫から持ち出した瓶や器具を手術台に並べる

彼の目は真剣だが、手はわずかに震える

ドイツが拳銃を脇に置き、書類を覗き込む

腐食が癒えた彼の腕は力強いが、弾切れの拳銃が物資不足を物語る

イギリスが杖を握り、壁に寄りかかる

彼の声は弱々しく 処刑台の幻影がちらつく

群衆の叫び、オーダーの声

彼は頭を振るが、目が虚ろだ

日本が日本刀を手に、廊下を睨む

フランスがレイピアを構え、言う

中国が折れた扇子の破片を握り、 冷静に言う

イタリアが書類を読み、薬品を混ぜ始める

彼は廃病院の 古いバーナーで液体を加熱し 青い試薬を慎重に滴下する

ドイツが計量器を手に 正確に量を調整する

溶液が泡立ち、青い光を放つ

ドイツがスプーンに少量すくい イギリスに近づく

イギリスが目を閉じ、溶液を飲み込む

数秒後、彼の呼吸が落ち着き 目がクリアになる

アメリカが眉を上げる

ドイツが書類を手に、言う

その瞬間、廊下から再び物音…

――金属が擦れるような音がした

ランタンが揺れ、影が壁を這う

イタリアがバッグに 安定剤の瓶を詰め、叫ぶ

彼は包帯と止血剤を手に、治療に備える

ロシアが拳を握り、笑う

ドアが蹴破られ、暴徒が突入した

アメリカの肩に金属バットが当たり 血が滲む

ロシアが暴徒を投げ飛ばし フランスがレイピアで刺す

日本が刀を鞘に入れたまま牽制する

折れた扇子の破片を目を狙って投げつけ 暴徒を乱した直後、蹴りを入れる

この瞬間、イギリスの視界が大きく揺れる

頭の中が回り、視界が歪む

お前の裁きは近い…

どこからともなく暴徒の仲間たちが現れ イギリスの周りを囲んだ

廃病院の外からも 暴徒の声が聞こえてくる

大人しく投降しろ！！

出てこい！この化け物！！

「ラジャー！」

各国が暴徒へと立ち向かっていく

イギリスはそれを 眺めることすら出来なかった

お前は直に裁かれる

お前のために 他の国が傷ついている

お前はなんとも思わないのか？

自分を置いて、どこかに行く背中

手を伸ばしても、誰にも届かない

みんな、私のために傷ついて

…バカみたいです

間を置いて、イギリスは告げる