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最後に子ども達と他愛もない話をしたのはいつだっただろう?

美和子

今日お肉安かったのよ。だからまた唐揚げにしちゃった。前も食べたのにね、いつだったかな、昨日?そんなわけないか…

リビングには、私の声だけ。

食卓に並べられた料理を淡々と頬張る、二人の子ども

リビングには3人いるのに話しているのは、笑っているのは私だけ

美和子

ねぇ二人共、学校どうだった?

紗季

……別に

健二

……普通

美和子

………………

箸が皿にぶつかる音がやけに大きく聞こえる

寂しい

どうしてもっと話してくれないの?

紗季は高校2年、健二は1年 二人共、中学生くらいの頃から私とあまり話さなくなった

一緒に買い物に行くこともなくなった。参観日や運動会で私が手を振っても見向きもしない

寂しい

食卓にも、賑やかな声が消えた

美和子

………………

寂しい、寂しい…

近所の吉田さんは「思春期よ」となんでもないように言う

吉田さん

二人共高校生なんでしょ?
じゃあ思春期よ、仕方ないわ

吉田さん

私達だって親が鬱陶しいって思った時期あったでしょ

美和子

………………

私には、そんなのなかった

中学時代にいじめにあい引きこもりになった時、お母さんだけは味方になってくれた

私がまた学校にいけるようにサポートしてくれたのもお母さんだった

だから私はお母さんを鬱陶しいと思ったことなんてない

吉田さんみたいに「思春期だ」って簡単に割りきることはできない

近所の山下さんは「気にすることはないわ」と言ってくれた

山下さん

思春期だとわかってても、寂しいのよね。わかるわその気持ち

山下さん

私もそうだったの

美和子

だった?

山下さん

今はすごく仲がいいわ

山下さん

食事の時間が楽しくて楽しくて

美和子

…いいな

山下さん

そうだ、今度 ランチご一緒しません?

山下さん

私が子供達と仲良くなった秘密、教えてあげる

美和子

……!

美和子

いいんですか?是非!

そうして私と、吉田さんも追加して後日山下さん宅を訪れた

山下さん

いらっしゃい、二人共

山下さん

さあ上がって

美和子

おじゃまします!

美和子

おしゃれなお家ですね

山下さんは上機嫌で私達をリビングに通す

その後ろを歩きながら吉田さんが声を潜めて言った

吉田さん

ねぇ、なんかアロマの匂い強すぎない?むせちゃいそう

美和子

そう?私はそんなに気にならないわ

確かにアロマの匂いもしてたけど、私は何より円満でとても楽しそうな食卓に心を奪われた!

山下さんの子供は二人共高校生で思春期盛りのはずなのに…!

これだ…!

私が思い描いた理想の家庭はここにある

美和子

教えてください、山下さん

吉田さん

美和子さん!?

美和子

私もそんな子供が欲しいです

山下さん

ふふ

山下さん

簡単よ美和子ちゃん

山下さん

あなたにもできるわ

その日の夜

私は部活帰りの健二の首に

背後から縄をかけた

ネックレスをかけるみたいに、優しく

そして、健二の体が動かなくなるまで健二の首を縄で縛った

頭の中にあるのは山下さんの言葉だけ

山下さん

高校生くらいになってくるとね、

山下さん

学校だ塾だカラオケだって言って家になかなか居ないでしょう?

山下さん

だから距離ができちゃうの

山下さん

言い換えたら、子供達はずっと家に居たら距離なんて感じないわ

山下さん

子供達をずっと、家に居るようにすればいいのよ

美和子

素晴らしいです、山下さん…!

美和子

私、帰ったら早速やってみます!

吉田さん

本気で言ってるの、美和子さん

吉田さん

山下さんの子供達を見たでしょう?

吉田さん

いいえ、もうアレは子供と呼ぶモノじゃない

吉田さん

死体じゃない

紗季

お…お母さん………

美和子

あら、遅かったのね紗季

紗季

なんでお母さんが…健二の首、絞めて………

美和子

あのね、紗季

美和子

お母さん前に紗季にお小遣いとは別に、2000円貸したわよね?

美和子

急に部費を集めるからって

美和子

学校に問い合わせたら、そんなことはしていないって

紗季

っあ、あれは……

美和子

どういうこと?

美和子

紗季はお母さんは、そんな風に利用してたの?

紗季

違っ……

美和子

紗季がそんな子になっちゃって、お母さん寂しい…

紗季

お母さ……っ

吉田さん

せっかく花束まで用意してたのに……

吉田さん

誕生日がもう少し早かったら美和子さんも気づいたかもしれないのに…

吉田さん

あなたの子供達は誕生日プレゼントに大きな花束を用意するような、親思いだったって
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