俺
(にしても腹減ったな。)
俺
(生ゴミあさる気にはなれないし…)
俺
(…ん?なんか食いもんの匂いがする!)
俺
(行ってみよう。)
匂いのする方へ行ってみると、1人の女性がベンチに座って弁当を食べているのが目に入った。
俺
(う〜まそ〜!)
俺
(分けてもらえねーかな。)
俺
(あ、そうだ!)
俺
クゥーン、クゥーン…
俺
(可愛子ぶれば分けてもらえるかも!?)
女性
…あら?
女性
どうしたの?
俺
クゥーン…
女性
もしかして、お腹が空いているとか?
俺
ワン!
女性
じゃ、これあげる。
女性はそう言って、玉子焼きを食べさせてくれた。
俺
(やったー!)
俺
(う、うま〜い!!)
女性
君、飼い主さんは?
俺
ウゥー…
女性
…いないみたいね。
俺
(それに記憶もないんです。)
女性
じゃ、ウチ来る?
俺
(行きたい!)
俺
ワン!
女性
ふふ、じゃあ着いておいで。
〈とある少女の話〉
私は親に名前を変えてもらえないか相談した。
だが…
母
え…?
母
今、なんて言った…?
天使(えんじぇる)
…だから、名前を変えて欲しいんだけど。
天使(えんじぇる)
こんな名前じゃ、恥ずかしくてたまらないよ。
父
何を言っているんだ!
父
せっかく母さんが付けてくれた名前だぞ!
父
もっと誇りを持ちなさい!
母
天使、どうしちゃったの…?
母
親に文句を言うなんて…
母
…あなた、天使じゃないでしょ。
天使(えんじぇる)
…は?
母
私の優しい天使はどこ!?
母
天使を返して!!
母
返しなさいよ!!!
パシッ!!
頬に強い衝撃がはしる。
天使(えんじぇる)
う…
あまりの痛みにその場に倒れ込んだ。
父
母さん、落ち着いて!
父
天使、駄目じゃないか!
父
母さんを悲しませないでくれ!
天使(えんじぇる)
……………
天使(えんじぇる)
(娘を心配するどころか叱るなんて…)
天使(えんじぇる)
(…狂ってる。)
私が何か都合の悪いことを言うと、母はいつもこんな感じだ。
なので私は自分の意見を反映させた事がない。
…ずっと親の言いなりだ。






