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テラーノベル(Teller Novel)

「陰り・銀色の死神」

銀木犀の持つ陰りの術の中でも単体火力最強の術であり

「無」から武器を錬成する神の術である

銀木犀が術を発動したら目の前に銀色の鎌が現れる

銀木犀はそれを構え、笑うのだ

銀木犀

さぁ!思う存分遊ぼうか!!

鎌で1突き

そこらの人間なら余裕で死ねる1突きだった

だが、この術の怖いところはこれからである

銀木犀

簡単に死ねると思うなよ

にや、と笑い鎌を引き抜く

この術、実は強い敵にほど継続的なダメージを与える

強き者なら魂を殺せない

ならばそれを利用しよう

そう考えた銀木犀は身体だけを殺す術を編み出した

それが「陰り・銀色の死神」

銀木犀の仲間の中にはこの術をこう呼ぶ者もいる

「魂を食わない死神」

魂を食わないとどうなるのか?

それは簡単である

心臓は止まっているので他の人間から見れば死んだ判定

そのまま骨になるまで燃やされて壺の中で転生を待つ

その痛みを死んだ人が感じないのはそこに魂がないからである

では、そこに魂があったら?

自分の体が骨になっていくほど燃やされる感覚を味わいながら

壺の中で永遠を過ごす

ある意味、死ぬまで銀木犀の魂に忠誠を誓っている状態である

そして、身体が死ねば術も解除される

よって五華家の呪いは今解かれたことになる

全てを頭の中で整理していたら肩に重みを感じた

銀木犀

……はぁ、疲れた

狂華

あっはははは!!

狂華

いやいや、存外愉快な女だ

銀木犀

…君が狂華?

狂華

正に

狂華

五華家の薔薇を司っていながら忌み子の「青」で生まれた人間だ

狂華

ま、覚えなくてもいいけどな

銀木犀

それで?

銀木犀

君も私を殺しに?

狂華

そんなわけねぇだろ

狂華

俺はよぉ

狂華

この戦いを見ているだけにするつもりだったんだぜ?

狂華

ただでさえめんどくさい神祖を敵に回したくねぇからな

狂華

だが……

周りを見渡す狂華

赤い血の海の中、銀色の鎌を持ち

大量の死体の中心でこちらを見る女は

まるで本当の「死神」の様だった

狂華

状況が変わった

狂華

これほどの力を持った相手は初めて見た

狂華

だから、興味が出てきたのさ

銀木犀

それで私に気に入られようと?

狂華

いや、そんな訳ねぇだろ

狂華

俺はお前に忠誠を誓う気になったぞ

銀木犀

…へぇ

銀木犀

意外だね

銀木犀

君は属さない人間なんだと思ってたよ

狂華

そんな訳

狂華

五華家のルールに従わなかったのはリーダーが馬鹿だったからだ

狂華

な?お前らもそう思うだろ?

鳳花

…狂華、貴方始めから何もかも知っていて…?

千日

まさか僕達、洗脳の類でもされてた?

篝火花

いや、これはそんな単純ではないよ

篝火花

これは解除不可能な呪いだ

狂華

おまえら気がついてなかったのかよ

狂華

で?答えは?

鳳花

…えぇ、貴方に賛成よ

鳳花

正直、今までの私達は少々狂ってたわ

千日

僕も同意見

千日

今までのことを挽回するのに何年かかるのやら…

篝火花

……一体どこでかけられた?

狂華

……だ、そうだ

狂華

今後、俺達五華家は

狂華

神祖様と不葉様に忠誠を誓おう

狂華

これでどうだ?

銀木犀

…まぁ、いいよ

鎌をしまう銀木犀

途端に殺意が失せる

銀木犀

不葉もそれでいい?

不葉

僕はなんでもいいけど…

不葉

部屋の片付けは誰がするの…?これ…

月華

私がしますよ、不葉様

銀木犀

う〜ん

銀木犀

1人居なくなったから五華家では無くなるの?

狂華

……そういうことになるな

月華

なんか語呂悪いですね

銀木犀

……あ!

銀木犀

ならいっそ月華を五華家に入れるって言うのは?

月華

何を言って……

狂華

いいんじゃねぇか?

狂華

どう思う?お前ら

千日

僕忙しいから狂華に任せる

狂華

お前この時くらい話を聞けよ…

千日

うるさいなぁ…

千日

信頼はお金で買えないの!

千日

信頼っていうのはコツコツ積み上げていくものだよ

千日

それを失った時のデメリットが大きい

千日

今だけこっちに集中させてくれ

狂華

……わかったよ

狂華

他のふたりは?

鳳花

私は大丈夫よ

鳳花

月華、今までごめんなさいね

鳳花

私貴女に酷いことをしなかった?

月華

大丈夫ですよ鳳花

月華

…ようやく、貴女らしくなって嬉しいですよ

鳳花

…そう、良かったわ

篝火花

私はどっちでも

篝火花

頭の整理がしたいから狂華に任せる

狂華

だ、そうだ

狂華

月華がいいなら五華家に入って欲しい

狂華

どうだ?

月華

えぇ、構いませんよ

月華

やることは何も変わりませんしね

狂華

そう言ってくれるとありがたい

銀木犀

随分仲間から信頼されてるね

銀木犀

狂華

狂華

…あの野郎が呪いを使う前は俺が仕切ってたからな

狂華

あの野郎の呪いは俺の目に赤く映って目が痛くて痛くて堪らなかったな

銀木犀

……そう

銀木犀

……ねぇ、狂華

狂華

なんだ?

銀木犀

不葉を部屋に連れて行ってくれる?

狂華

あ?そんなこと構わねぇが……

狂華

神祖様も俺の事を随分と信用してるな

銀木犀

…君は、始めから少し違ったからね

銀木犀

不葉、先に部屋に戻ってもらえる?

不葉

別にいいけど……

不葉

銀木犀は何をするの?

銀木犀

少し死体の観察をね

銀木犀

自分の術がしっかり発動しているか確認しながら片付け手伝うから

不葉

……分かった

銀木犀

しっかり守れよ

銀木犀

忠誠を私は信じたからな

狂華

おう、任せておけ

不葉

……

狂華

会話が…弾まない…

狂華

…なぁ、不葉様

不葉

ん?なに?

狂華

ここらで一旦、自己紹介でもしないか?

不葉

……いいけど

狂華

じゃあ、不葉様から

不葉

僕から……?

不葉

ええっと…

不葉

名前は不葉

不葉

アスナロっていう花を司っている

不葉

花言葉は知っての通り「不滅」

不葉

この世界じゃ短命な忌み子だよ

不葉

どうぞよろしく

狂華

ありがとうな

狂華

じゃあ次俺の番な

狂華

名前は狂華

狂華

五華家の1つ、薔薇の家に生まれながら「赤」ではなく「青」を持って生まれたから家では嫌われてる

狂華

司っているのはもちろん青色のバラ

狂華

忌み子同士、仲良くしようぜ?

不葉

うん、よろしくね

狂華

……で

狂華

不葉様の事はなんて呼べばいい?

狂華

口調は癖だから許してくれ

不葉

全然大丈夫だよ

不葉

ん〜好きなように呼んで

狂華

……じゃあプライベートで不葉

狂華

皆の前では不葉様でもいい?

不葉

いいよ

狂華

そう言って貰えると助かる

狂華

……あぁ

狂華

それと司っている花の花言葉だけど

狂華

「夢叶う」だ

不葉

……へぇ、いい言葉じゃん

狂華

まぁ……どれだけ忌み子と蔑まれても

狂華

俺はこの世界で1番夢を叶えれる男って訳よ!!

第16話・「お友達」?

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