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幸運と不幸のあいだで

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幸運と不幸のあいだで

1 - すれ違い、それでも重なる運命

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2025年04月27日

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陽菜

やっぱり当たっちゃた…

陽菜

…また1等だよ。

友達A

え、マジ?今度は何?旅行券?テーマーパーク?それとも現金!?

陽菜

現金なわけないでしょ笑

陽菜

遊園地のチケット。4人分

友達B

陽菜ちゃんさぁ、もはや神の加護ついてるでしょ…

友達A

ていうか、人生の運全部使ってない?こわ…

陽菜(心の声) ほんとだよ。怖いくらい 私は“幸運”に恵まれてる。 朝は寝坊しても電車が遅れて間に合う。 忘れ物をしても、先生が気づかない。 欲しいものは大抵、誰かがくれるか、当たる。

陽菜

うーん、でも嬉しいって感じ…あんまり、ないんだよね

友達B

贅沢すぎる悩みじゃん…!

陽菜(心の声) たぶん、私、 “当たり前”を知らないのかもしれない

ー帰り道ー

陽菜(心の声) 駅までの帰り道。今日も空は、晴れてる。

陽菜

運がいいって、悪いことなのかな…

陽菜

“普通”って、どんな感じなんだろう

友達a

おい、井上、靴紐…

大輝

…うわっ!!

ガタンーー!!

大輝の先生

おい井上!廊下で転ぶな!危ないだろ!

友達b

お前、歩くだけで事件起こすな…

大輝(心の声) もう慣れた。これが“俺の日常”。 忘れ物、落とし物、トラブル。 気をつけても、何かがズレる。 何もしてなくても、誰かに迷惑をかける。

大輝

……あー、やってらんね

友達a

ついてないなー、井上

大輝

うるさい

(少しだけ、語気を強めた)

(でも、誰も本気では心配してくれないことも 知ってる)

ー帰り道ー

大輝(心の声) もう夕方か。 今日も何もいいことなかったな

大輝

どうせ明日も同じだろうけど

(ポケットに手を突っ込んで 歩いていたそのとき)

 

【交差点】

陽菜

うわっ、すごい人…!

大輝

……ん、すみません。

(ぶつかる、肩と肩)

陽菜

あ、ごめんなさい!

大輝

いえ、大丈夫です

(視線がふと重なった)

 

(ほんの、0.5秒)

陽菜(心の声) …あれ?なんだろ、この人――

大輝(心の声) この子…すげえ、明るい。 俺とは違いすぎて、まぶしいくらい

(けれど、そのまま言葉は続かない。)

(信号が青になり、人波に流される。)

(すれ違って、それっきり――)

陽菜

……うーん

友達A

どしたの?急に黙って

陽菜

なんかさ…今日、変な感じの男の子にぶつかってね

友達A

変な感じ?

陽菜

うん、目がすごく寂しそうだった。でも、どこか優しそうでもあって…

陽菜

なんか、忘れられない

大輝

……なんだったんだ、あの子

(駅のベンチで、カバンから落ちたプリントを拾いながら)

大輝

ラッキーガールって感じだったな…俺とは、住む世界が違いそう

大輝(心の声) (それでも、もう一度くらい―― 会えたらいいな、なんて)

【ナレーション】 それは、ほんのすれ違い。 でも、ふたりの人生のなかで、 確かに“何か”が揺れた瞬間。 運命が交差する音は、 まだ微かで、聞こえない。 だけどその日から、 ふたりの“普通じゃない”日常が、 ゆっくりと――動き出す。

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