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海村早樹

じゃあまた

権田沼奈穂美

おぅよ!

駅で飛鳥を見送った後

早樹はアホ美に別れを告げ何とか自力で病院に戻った

無理をして疲れたのか

病室に着いた瞬間、強い動悸と息切れがして

電池が切れたおもちゃのようにベッド横に倒れこんだ

限界に近い心臓が激しく鼓動する

それでも早樹は幸枝を救うことを諦めようとは思わなかった

消灯後

やっと動悸が治まった早樹は

病室を出て通信ができるエリアに移動し

同じ塾に通っていた別の同級生に連絡を取り

翌日、今日と同じファミレスで会う約束を取り付けた

あえて内容を伏せ

「聞きたいことがある」とだけ伝えたが

怪しまれることなく会うことを了承してもらうことができた

直ぐにアホ美にメッセを送る

転校生

海村早樹

明日の放課後、別の子にも会いに行こうと思うんだけど

海村早樹

転校生も来る?

権田沼奈穂美

行くに決まっとろう!

海村早樹

でも何でそこまで?

権田沼奈穂美

ともみんのためじゃい!!

海村早樹

金田さんのため……

権田沼奈穂美

おぅよ!!

アホ美は酷いいじめから友美を救うため

早樹は信吾に騙されて狂った幸枝を救うため

理由は違えど目指す方向は同じ

早樹が病室に戻ると

タイミングよく巡回の看護師が現れた

看護師A

どこ行ってたの?

海村早樹

トイレに……

看護師A

今後は行く前に声かけてね

海村早樹

はい……

何とかごまかし布団に潜る

高校入学以降

幸枝以外の女子と会話をしたのは初めてのことだった

いつも午前中には早退して病院に戻っていて

こんなにも長い時間、病院を離れたこともなかった

海村早樹

せめてあと少し……

海村早樹

持ってくれるといいな……

海村早樹

心臓……

自分はもう助からないかもしれない

無理をしてはいけないとわかってはいるものの

幸枝のことを考えると動かずにはいられなかった

翌日の放課後

早樹はアホ美と共にファミレスへ行き

同じ塾に通っていた高木由美子と再会

信吾の本性を改めて知ることとなった

高木由美子

あいつは友美のこと恨んでるんだよ

高木由美子

自分の誘いを断ったから

権田沼奈穂美

断ったらいかんルールでもあるんか!?

高木由美子

自分が一番で完璧だと思ってるから

高木由美子

そんな完璧な自分の誘いを断るなんて普通じゃないって思ったんだと思うよ

高木由美子

前に言ってた……

高木由美子

僕の誘いを断るなんて女子としてありえないって……

確かに信吾は整った顔立ちをしていて外面もいい

でもそれは本性を隠し仮面を被っていたに過ぎない

友美に対する恨みや憎しみを

幸枝を操りいじめさせることで晴らしていた

高木由美子

こんな言い方よくないかもしれないけど……

高木由美子

前野に騙されてるその子も馬鹿だと思う

海村早樹

バカって……

権田沼奈穂美

そりゃあそうじゃろ

海村早樹

転校生……

権田沼奈穂美

あいつは現実がなんも見えとらんのんじゃ!

権田沼奈穂美

一発、痛い目見せんとわからんじゃろ?

幸枝は自分が置かれている状況を理解していない

信吾に惚れて陶酔し

友美が信吾を好きだと勘違いして友美を攻撃した

少し冷静になって話をすれば誤解は解けたかもしれない

だが幸枝は友美が悪いと決めつけ

話を聞こうともしていなかった

仲の良い友人達をも巻き込み

友美を助けようとした蓮斗のことも攻撃の対象として

裏切られた報復と称して自分の行為を正当化し続けた

由美子の言う通りバカなのかもしれない

それだけ愚かなことをしてしまった

これは紛れもない事実だ

10タップじゃないアホ美ちゃん

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