息を、止める
でも、苦しくなって結局息をする
今度は、浅く呼吸をしてみる
意識してやると
呼吸というのは結構難しい
意識してない所でやっているからこそ
簡単に出来ているのだと思う
浅く、浅く
深く、深く
でも、苦しくなって深呼吸をする
…結局息すら止められない
止めようとすると頭が危険だと思ってしまう
今だけは、それがただ憎たらしい
……やりたくないが、最終手段に出るしかない
ここに用意された、刃物を自分に刺す
どく、どく、どく
倒れ込む、身体
血が口まで届く
血の味を嫌でも感じる
止まることなく、痛い
それでも、心臓が動く
生命として生きようとしている
それが、ただ憎い
止まれ、動くな
お願いだから
仰向けになって手を伸ばす
頼む、死んでくれ
死んだら、出られるはずなんだ
死ぬこと以外で、出られないんだ
頼むよ、こんな所から
出してくれ
「夢から出られない人間の話」






