れい
この町が嫌いだ
れい
同級生
れい
いつからか私には 仲の良い友達がいなくなっていた
私は本当は
れい
そんなことばかり考えている 毎日だった
同級生
先生
同級生
先生
同級生
先生
れい
最近はやってる都市伝説
近くの古い駅に年に一度だけやってくる列車
同級生
同級生
同級生の噂話は聞くつもりがなくても 耳に入ってきた
れい
駅は学校から歩いて10分もかからない
れい
線路はもう使われておらず 雑草が茂っている
れい
れい
れい
来なければ明日 また来なければその明日と 通うつもりだった
床板がくさってギシギシと鳴るホームに立ち
あたかも今からお出かけをするかのような振る舞いで 線路の先を覗き込む
ギーーーー!
れい
汽笛と車輪のブレーキが混じったような音が響いて
見ていた方と逆から巨大な列車が突然現れた
すーっ…
音も立てずに扉が開く
れい
噂の列車に向かって 一歩踏み出してみた
不思議と震えは起きなかった
列車はガタガタ揺れる
速すぎず遅すぎず
ちょうどよい揺れ心地で
窓の外の風景はいつもより おだやかに見えた
いくつかの駅で停まりながら
自分以外誰もいない貸切の車両は進んでいく
「これより〜、片道〜 片道〜…」
この声はどこかで聞いたことがあるような気がした
列車を降りると
れい
なにもかもが知っている町だった
懐かしい家
懐かしい店
懐かしい信号
懐かしい交差点…
その交差点をお母さんと弟が渡っている
赤信号に向かって一台の車が近づいてゆく
れい
自分の危機感とは裏腹に、 車はなにごともなくゆっくりと 止まった
私の声は2人に届いていなかった
れい
れい
れい
れい
じゃあ私が列車に乗ったあの町は…?
同級生
先生
同級生
先生
同級生
先生
同級生
先生
同級生
同級生
先生
同級生
先生
同級生
同級生
先生
同級生
交差点には 私の名前が書かれた沢山の手紙が置かれていた
れい
私には友達がこんなにいたんだ
一枚手に取ろうとすると それは風に吹き上げられて
私の手もすり抜けて どこか遠くへ行ってしまった
コメント
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面白かったです