花びらが散った
私にはそれが人の命のように思えてくる
そんな自分に自分が言う
「ねぇ、助けてよ。」
遥
あーつーいーでーすー
緑
うるせえ
遥
LINEなのでうるさくないですー
緑
文字がうるせえ
緑
40℃越えの所もあるんだぞ
緑
そんな暑いならそこ行って帰ってきて「まだ涼しいな」と思えばいい
遥
その手があったか!!
緑
え、まじかよお前
遥
じゃあ行ってくるわ〜
緑
あ、冗談ですー本気ですかー
緑
うわあ
緑
こりゃまいった
緑
あいつ明日ぶったおれるだろうな
俺は、あんな馬鹿といつまで一緒にいるんだろうか
自分がバカバカしくなってきた
緑
あれ
緑
赤い薔薇だ
緑
なんで薔薇なんかが廊下に落ちてんだよ…
緑
…あれ
緑
花びら、勝手に…
緑
なんだこれ…こええよ…
緑
は、遥に知らせないと
緑
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不在着信
緑
なんで出ないんだ
緑
おい、遥!!
遥
ふざけんなてめえ
遥
クソ暑いじゃねえかよ…
緑
あ、生きてた
緑
良かった良かった
遥
よかねえよ!!
遥
なんで私はこんな暑いところにいるんだ!!
緑
お前が勝手に行ったんだろ?
遥
お前が行けと言ったんだろう?
緑
そんなことより薔薇が
緑
勝手に花びらが落ちてんだよ!
緑
手でちぎってないのに
遥
風じゃないのー?
緑
窓は閉めてあるし風なんてふいてねえよ
遥
なんだろう
遥
あ
遥
やべえ
緑
どうした
緑
おい、遥!!
会話が途切れると同時に、最後の1枚の花びらが床へぽろりと落ちた
夏休みがあけ、学校へ行くと、
クラスの親しい友達がみんないなくなっていた
遥
暑い、暑いよ…
遥
「助けて」
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