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神と修羅

40 - 空っぽな人生

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2025年08月17日

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「死んでやるわ」 「でも、可哀想だな」 「誰が?」 「生命がさ」

––– ドストエフスキー 『地下室の手記』

遥翔

空泉圭と兎隠柘榴は...確か同僚だよね?

遥翔

そっち叶えた方が良いんじゃないの?

天望

確かにそうだが、そうじゃない

遥翔

どゆこと?哲学?

天望

...あっしは空っぽな人間だったんだ

あっしは将来の夢もなく ただ死ななければ良いだけの 人生を送っていた。

元々、あっしは人間嫌いで 1人でいることを好んでいた。

そんなある日、 眼鏡をかけたヘラヘラした女が 同じ研究室に配属された。

空泉 圭でーす♪よろろーん♪

本人曰く採用試験がプレゼンのみで 合格したから入社したらしい。

本当に彼女のプレゼンが 素晴らしかったのか、 採用担当者が節穴だったか、 或いはその両方なのか...

真相は闇の中である。 考えるだけで頭が痛くなる。

ねー、天望ー

あ・ま・ね〜

鉄砲ヶ原の姉貴〜

コイツはとにかく騒音だった。

口を開けばふざけるか 嘘を吐くか... その内、狼少年から取って 『狼』と呼ぶようになった。

そんなある日のこと、 研究分野の違いから兎隠 柘榴 という人間が配属された。

柘榴

兎隠 柘榴です‼︎よろしくお願いします‼︎

天望

(また騒音が来たか...)

彼女のことは後輩 と呼ぶことにした。

コイツも騒音か...と案の定、 あっしの予想は 当たっていた。

しかし、狼とは異なる点があった。

柘榴

天望先輩‼︎このデータ、こっちと比較すると...

柘榴

天望先輩、煙草の吸いすぎは体に毒ですよ?

柘榴

天望先輩、お疲れ様です‼︎

この人間は生真面目で 無駄に心配性だった。

最初は正直に言って ウザさが勝っていた。

だが、次第に後輩の 未知の研究へ取り組む覚悟や 諦めない姿勢に興味が出てきた。

その結果、抗体人間という 人造人間を生み出すことに成功した。

まあ、結局は戦争で使う 生物型兵器だったがな。

天望

後輩は...当時のあっし達に無かったものをくれた恩人だ

天望

狼は...まあ、色々と世話になったから?ついでって感じだ

天望

そんな2人がいたから、すっからかんなあっしの人生が少し彩っていたんだ

天望

だから、あっしは2人に会いたい

遥翔

...それなr

天望

でも...その後は?

遥翔

え?

天望

2人に会った後、あっしはどうなる?

天望

元の世界に戻れるのか?それとも会ったらそこで終わりなのか?

天望

最期の日、狼に言われて囮役を引き受けた

天望

だけど...だけどもッ‼︎

天望

天望

本当は生きたかったんだ...

天望

心の奥にその気持ちを仕舞い込んで、後輩への恩返しだと思って受けたのに...

天望

色付いてきた人生が...あの日々が楽しかったと...

天望

ほんの一握りでも...そう思ってしまったんだ...

気が付くと、あっしは 涙を流していた。

止めようとしたが まるでダムが決壊したかのように その雫をせき止める方法が 思い浮かばなかったのだ。

天望

あっしだけじゃない...

天望

蘭丸も鳴家も桃音も雫も、理由は違えど本当は生きたかった筈だ

遥翔

んー...その全員が生きたかったっていうのはちょっと反論したい気持ちもあるけど、とりま黙ってるね

天望

だから...あっしは全員を元の世界に帰れるようにする

天望

そして、ハッピーエンドを迎えられるようにしたい

遥翔

それが君の願い...ってことで良い?

天望

ああ

遥翔

わー...かったよ

天望

何だその返事は

遥翔

んー、まあ、取り敢えず話しとくね

遥翔

正直、全員がハッピーエンドを迎えることは難しい

天望

どうしてそう思う?

遥翔

君が思うハッピーエンドっていうのは何かな?

遥翔

全員が幸せに生きること...って認識で合ってる?

天望

概ねそうだな

遥翔

じゃあ、それは間違いだ

天望

間違い?

遥翔

世の中には死ぬことが幸せと感じる人間だって存在するってことだよ

天望

(魃 棘為(ひでりがみ となり)みたいなヤツのことか...)

遥翔

さっき間に挟んだけど、全員が生きたかった訳じゃないんだ

遥翔

それは僕の介入があったから、この世界に来ただけで、本来は“死ぬことが救い”だと思っている人間もいたんだ

遥翔

だから、そういった人達の運命を変えてしまった...

遥翔

これは僕の罪であり、一生背負っていく枷な訳だ

天望

それなら、少しでも“生きたい”って思わせてやる

遥翔

口では何とでも言えるけどね

天望

そういう性格、嫌われるぞ

遥翔

ははは、よく言われるよ

遥翔

それじゃ...幕引きのお時間だ

遥翔

鉄砲ヶ原 天望、君の人生に神のご加護があらんことを...

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