🐒医師→囚人🐰←🐒看守

彼の手をグイッと引っ張って サッカーに誘ってみる。 そう、今は運動時間。 まぁ、ほぼ自由時間と一緒。 でも、この時間は 色んな一般の囚人何十人かが集まって 1つの運動場で遊ぶため、 少し狭い、というか人が多い。 だから端っこで看守とこうやって 話してるわけなんだけど。 折角看守からボール貸してもらったから一緒にやろうと思ったのに……

別にちょっとぐらいいいだろ…。 1人でサッカーボールをぽーんぽーんと 太腿、爪先、胸元を使って 弄ぶ。 俗に言うリフティングだ。 暇潰しになるし丁度いい。 1人で何しよっかなー……

意外だな。運動できるんだ。

なに、喧嘩してる？え？

……空気わっる…。 普通に気まずいし……、

どっち、と言われるとな…。 話した回数とか信頼度だと看守だけど、 正直面白かったりノリ良いのはDD。

思わず長考してしまう。 でもいくら考えても熟考の結末は同じ。

な、なんか、照れくさいな、これ。 ……つかなんか言えよ。 少し顔を俯けて言っていたので、 聞こえずらかったのだろうか。 そう思い顔を上げてみると、 少し褐色肌な2人の顔が赤く見えた。

少しニヤけた顔で聞いてみると 看守とDDからぽんっと 肩に手を置かれた。

そう言われた直後、鐘が鳴って 「運動時間終了」と他の看守からの 知らせが耳に入ってきた。

看守とDDと話して 今日のメインイベントが終わった。 ……時間の無駄すぎる…。

……なんも出来なかったけど、 唯一無二の友達が出来た感じがする。 ほかの囚人は囚人同士で遊んでるけど、 俺は看守と医師に遊んで貰えるし。 ……なんか、特別な感じがして、 その後のお風呂はゆったり入れた。