私には人に色が見える力がある
例えば人が楽しそうな時はオレンジ色が見えたり
悲しそうな時は青や紫が見える
私は自分にこの力がある事を唯一の誇りだと感じていた
その気持ちを裏切るかのようにあの出来事は起こった
学校にて
私
(あれ?あの子)
私
(ずいぶんと暗い色をしてるな)
私
(何かあったのかな…)
私
(声…かけてみようかなぁ)
私
(でも知らない人だし…やめとこ)
廊下を歩いていると、 私と同じくらいの女の子からすごく暗い色を感じた
声をかける勇気もなく、スルーした
次の日 学校にて
私
(あっ!またあの子だ)
私
(あれ?前より色が暗くなってる?)
私
(んーーーー)
私
(声、かけてみようかな)
先生
私さーんちょっと手伝ってもらってもいいかしら
私
あ、はーい!
私
(ん…)
先生に呼ばれた私は渋々その場を去った
それからしばらく、あの子を見ることは無かった
ニュース
続いてのニュースです
ニュース
○○県✕△市、□マンションの前で自殺と思われる遺体が発見されました。
私
あれ、うちの近くじゃ…
ニュース
遺体は羽田茜さんのものと見られます
テレビには羽田茜さんの写真が表示された
それを見た瞬間 私はハッとした
私
(あの子だ!!!!)
私
(どうしよう私のせいで)
なんとそれは私が学校で見ていた女の子だった
私
(ごめんなさい!ごめんなさい!)
それから私は、誇りに思っていた自分の力を恨むようになった
そして、ずっとこう考えていた
ごめんなさい!!!
ごめんなさい!!!
ごめんなさい!!!