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戦争時代……アルバートの彼女ケイティが亡くなってしまった… アルバートはケイティのことをまだ思っているようだけど…オリバーはアルバートが好き……最近BLハマってるからすごい嬉しいです!そして自分でイラストを描ているとこも素敵✨ 参加ありがとうございます! 続きをわ見てきます!
アルバート
瞼を閉じていても、朝日が昇ったのが分かる
日光に照らされて、瞼の内が赤く輝いているからだ
しかしまだ眠っていたい
誰も起こしに来ていないのもあって、アルバートはもう一度寝返りをうつ
するとやがて、階段を一定の速度で登る音が響いてくる
今日も、いつもと同じように同居人が起こしに来たのだ
オリバー
アルバート
掛け布団にくるまり、同居人には背を向けてそう答える
しかし同居人のオリバーはそんな自分にとっくに慣れており
オリバー
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
オリバー
アルバート
アルバートは仰向けになり上半身を起こす
そして目を開け、夜空の闇を明るくしたかのような紫の瞳の青年に目を向ける
オリバー
オリバーは部屋の隅に置いてある車椅子をベッドの側に置き
アルバート抱き抱え、椅子に座らせる
アルバート
オリバー
アルバート
アルバートはそう言って自身の両足を見つめる
右足は動かないがちゃんと存在している
しかし左足は、膝から下が無くなっていた
オリバー
アルバート
今から三年前
このイングランドを含めたこの欧州全体からアジア、ましてやあの超大国をも巻き込んだ大きな戦争があった
前回の戦争よりも威力が高い新兵器も続々登場して、巻き込まれたアルバートは両足が動かなくなり
左足は、焼けて無くなってしまった
そのせいで今では車椅子が無ければ地面を這わないと移動出来ない
オリバー
アルバート
オリバーに車椅子を押してもらい、一階のリビングへ向かう
オリバー
アルバート
オリバーは車椅子を後ろに傾け、アルバートはそれに合わせて後ろに体重をかける
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
オリバー
アルバート
オリバーが後輪をゆっくりと下ろしながらアルバートと楽しく話す
もしもアルバートが足を怪我しなければこんな時間は存在しなかっただろう
だからといってアルバートが足を失わない方がきっと良かった
でも今はこの存在してしまった時間を楽しむしかない
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
朝食の乗った机の前にアルバートを座らせ、オリバーはキッチンの方に走る
そしてオリバーがティーポットを持ってきて、底が上になっているティーカップをひっくり返し器用に紅茶を淹れていく
だんだんとミントのいい香りが濃厚になってきた
オリバー
アルバート
オリバー
オリバーの金糸の様な髪が風に揺れ、髪に隠れていた右目が現れる
夜空を明るくした様な左目とは対照的で、右目は一切の光を反射せず、真っ黒だった
アルバート
オリバー
オリバーは別にオッドアイというわけではないし、もともと人間にオッドアイはほとんど有り得ない
オリバーも、三年前の戦場で敵国の新兵器をまともに食らった
その時に本人曰く、ヘルメットがずれて左目には何の影響も出なかったが、目を閉じただけだった右目は
瞼を光が貫通して、網膜が破損してしまったらしい
そのせいで、目に光が入っても上手く反射できず
真っ黒に見える様になってしまった
オリバー
オリバーが自分の分の紅茶を淹れながら、俺に飲む様に促す
アルバート
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
アルバート
アルバート
オリバー
トーストはさくっといういい音を立てるし、スクランブルエッグは半熟すぎず美味い
もう終戦から三年経ったのに、未だに平和を実感できずにいる
実際戦争によってこの街、ヨークもかなり被害を受けた
勝ったとはいえアメリカの支援がなければ復興も何も出来なかっただろう
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
アルバート
5年前
ケイティ
アルバート
ケイティ
アルバート
オリバー
アルバート
ケイティ
ケイティ
アルバート
オリバー
ケイティ
アルバート
オリバー
アルバート
ケイティ
アルバート
オリバー
ケイティ
ケイティ
オリバー
アルバート
アルバート
オリバー
ケイティ、当時19歳だったあの子は
アルバートの恋人だった
俺たちの二つ歳下で、いつもアルバートに会いたがっていた
それに、アルバートだけでなく俺とも仲良くしてくれて
3人で、本当に楽しい時間だった
でも、戦争はどんどん激化していって
俺とアルバートも戦場に行く事になった
勿論俺とアルバートは生還出来た
でも、ケイティは
敵軍からの爆撃で、死んだ
アルバート
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
アルバートは寝巻きにかかった紅茶を慌てて拭く
アルバート
アルバート
オリバー
オリバー
アルバート
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
オリバー
オリバー
サンドイッチを紙に包みながら、俺はそう言い聞かせる
こうでもしないと、精神が参っちゃう
えー?なんでー?って聞くほど、君は意地悪じゃないと思うけど、簡潔に言わせてもらうと
俺はアルバートが好き、でもアルバートはケイティが好き
俺の愛は一方通行で、アルバートとケイティは相思相愛
たったそれだけさ
あーでもでも、俺はケイティの事は嫌いじゃない
むしろ好きだった。勿論友達としてね
だからケイティが死んだって知った時はアルバートほどじゃなかったけど悲しかったし、俺が彼を恋愛的に意識したのはもっと後の事
しかしアルバートはケイティを永遠に忘れない
その上俺の恋心には気付かない
世の中は
オリバー
籠に紙に包んだサンドイッチを入れ、俺はエプロンを外す
オリバー
アルバート
オリバー
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
アルバート
オリバー
オリバーはドアを開け、アルバートの車椅子を押して外へ出た
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
オリバー
アルバート
アルバートが目を閉じる
長い睫毛が太陽の光に照らされて綺麗だ
恋しい、ずっと見ていたい
そんな風に、思っちゃうほど