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中学校生活も慣れてきた頃

大事件が起きた。

昼休みが終わった後。 やけに教室がザワついていた

クラスの皆

ガヤガヤ……

クラスの皆

辞めとけよ…そんなこと…ヒソヒソ

一体何が…

ガタン!!

愛菜

ははっWW

机が蹴り飛ばされた大きな音

女子達

ほらっ笑じっとしろよ!

陽菜

やめてっ…離して!

押さえ付けられる陽菜

周りの皆は笑うだけで 止めようとしない

やっやめろよ!そんなことするの!

なんでそんな事する必要があるんだ!

お前らの行動は異常だぞ!

心の底から放った言葉は まだ熱を持っていた。

陽菜

優くん…

バシッッ!!

陽菜

痛いっ!

愛菜

何よ…優くんまで。庇ってもらったからって調子のんじゃねぇーよ笑

愛菜

あんた達陽菜のこと押さえ付けとけよ

女子達

おっけーWWW

愛菜は近くにあったハサミを 持ち出した

愛菜

アンタなんか。
目の前に現れなきゃ良かったのに!!

やめろー!!

碧斗

優っ!…ダメだ近寄っちゃ!

離せ!碧斗!!

碧斗

ダメだ…優まで傷付くなんて無理だ…

ガバッ/!!

力の強い碧斗に押さえつけられて 身動きが取れない

くっ…

愛菜

お前なんてどうにでもなれ!!

ザクッ…

その瞬間陽菜の髪の毛が切り取られた 地面にはひなの長い髪の毛が 散らばっていた

愛菜

ははっWWW何こいつ笑
泣かないじゃん

愛菜

ウケるんだけど笑

陽菜

………。

女子達

WWWWWWははっ

バタッ

碧斗

優!おい!しっかりしろ!

…うっ

目の前の光景が辛すぎて

見てるのに耐えない景色で

僕はまた何もしてやれなかった。 今度こそはと思ったのに。

それからの事は何があったか 分からない。

あまりのショックに僕は 気絶してしまった

心が苦しくてむせ返りそう

碧斗

…っ

碧斗

ゆう!!

うっ…

碧斗…

目を開けるとそこは保健室だった

夕方の日が差すこの部屋には 碧斗と僕しか居なかった

碧斗

優!やっと起きたか!
お前うなされてたんだぞ!

碧斗

その前に…急に倒れたんだぞ!

うっ…頭が痛いっ…

あの記憶が頭をよぎる

僕は陽菜が心配だ。

ひっ陽菜は!…

たっ助けないと!

碧斗

優。落ち着いて聞いてね。

碧斗にしては珍しく落ち着いている

うん。

碧斗

今は陽菜の所に行っちゃだめ。絶対

なんで!助けないとっ…

ギュッ…

えっ…碧斗何するっ…

碧斗

今まで1人で抱えさせてごめん。
俺知ってたのに知らないフリしてた。

碧斗

陽菜が虐められてたことで
優が悩んでる事。
陽菜がいじめられてる理由も
知ってた。

僕を包み込むように 抱きしめる碧斗からは、温かさと切なさが伝わってきた。

ギュッ…

碧斗

俺…怖かったんだ。
この事を言って優が悪くなるのが。

碧斗

俺の中で優は1番大切だったから

碧斗…

ありがとう…
色々考えてくれてたんだね。

僕、碧斗のそういう所は好きだよ。
ありがとう。ギュッ…

僕は抱き締めてきた碧斗をさらに強く抱き締め返した

碧斗

優…

碧斗

あのね…今から言うことは優のせいじゃない。そう考えて聞き取ってね。

うん…

碧斗

愛菜が陽菜を虐めるようになった理由は、陽菜に対する嫉妬だよ。

碧斗

優しくて可愛い陽菜に嫉妬してた。
あと、一つだけ…

一つって?

碧斗

愛菜は優が好きだった。

碧斗

でも、陽菜は優が好きだった。優も陽菜には優しかったし、二人は仲も良かった。

碧斗

その事から、もっと嫉妬して、虐めがエスカレートしていってたんだ。

知らなかった事実

理由が僕と知った時。とても ショックだった

そうなんだ…

僕…そんなこと知らなかった。

心が痛い。あぁ。なんて惨めな 人間なんだ。

碧斗

…うん。

わかった。僕、陽菜が心配だ。

だから迎えに行く。碧斗、ありがとう

碧斗

行ってらっしゃい。優

僕は急いで陽菜を探しに走った

陽菜っ…

探し回りすぎて息切れがする

やっと見つけた。

陽菜

優くん…

陽菜

私に近寄っちゃダメ。
きっと…優くんまで

ううん…大丈夫

ギュッ…/////

陽菜

えっ…

陽菜の心からは悲しい音がした。

綺麗だった物が破壊されていく音

僕はどうしてもそんな陽菜を 守りたくなった

もう。もう大丈夫だよ

君を責めるものなんて誰も居ない

今まで1人でよく頑張った。ごめんね。

もう。大丈夫だよ。

陽菜

優くん…

陽菜

でも、今の私は醜いから。
ごめんね。醜い姿で。…

陽菜

髪の毛…笑切られちゃった笑…

笑う陽菜の心に空いた穴は 笑っていなかった

無理に笑わなくていいんだ。

陽菜はいつも美しい。醜くなんかない

だから大丈夫。

陽菜

優くんっ…ありがとう…

陽菜

私もごめんなさい。
素っ気ない態度ばかりで

いいんだ。もう。陽菜が幸せなら

それでいいんだ。

陽菜

ありがとう。私、優くんの事忘れない

陽菜

ありがとう。大切にする。この気持ち

うん。

僕も大切にする。

この時の彼女の言葉を 理解しきれていなかった。

安心していると消えて行く。 現実は儚く辛い

ホワイトアウト 〜君の記憶〜

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