お風呂あがりに気がついた。
私の手首から『何か』が生えている。
淡いピンクでハート型、少ししっとりとしている。
これは、桜の花びらだ。
花
花
お母さん
花
お母さん
お母さん
花
お母さん
花
お母さん
お母さん
花
お母さん
お父さん
お父さん
お母さん
幾つになってもお熱いことで。
れんげ
花
れんげとは『名前が花』繋がりで仲良くなった。
しょっちゅう遊びに行ったりする仲だ。
…れんげになら、花びらについて相談してもいいかもしれない。
花
花
れんげ
れんげ
れんげ
れんげ
花
れんげ
花
れんげ
花
れんげ
れんげ
花
れんげ
花
???
???
れんげ
れんげ
花
花
れんげ
れんげ
花
れんげ
れんげ
花
れんげ
花
花
幼なじみの樹君?について 考えたとたん、手首に痛みが走った。
思わず見ると、桜が少しだけ浮いていた。
花
「樹君」が私の運命の人?
やっぱりあれは花だ。
距離はあったけど、間違いない。
幼稚園からの幼なじみを見間違う俺ではない。
でも、それはありえないんだ。
だって、花は、去年、
樹
その日、私とれんげはテラーナルド に来ていた。
私が「樹君」について覚えていない理由を解明するために。
れんげ
花
花
れんげ
花
れんげ
樹
樹
花
れんげ
れんげ
れんげ
花
れんげ
樹
花
樹
気まずい…。正直喋ることが無い…。
樹
樹
花
樹
樹
花
花
樹
樹
風が吹く。桜が揺れる。
樹
花
花
樹
樹
樹
花
花
確かに、その手に触れた。
一瞬だけだった
触れたら壊れてしまった。
触れた端から崩れてしまった。
樹
花がいた場所には大量の桜。
花は桜になった。
そんなことしか、思えなかった。
お母さん
お父さん
お母さん
お母さん
お母さん
お父さん
お父さん
お父さん
これは悲しい悲しい桜の花の物語。