今日からまたクエスト三昧だ!! 楽しみぃᐠ( ᐛ )ᐟ
2023/11/14投稿
第33話
「幻覚魔法」
赤
桃
ちょうどギルドへの道で途中から合流したないくんと並んで歩く。
赤
パティー名やリーダー諸々が決まって2日後、初めて正式パーティーとしてのクエストだ。
気分は高め。だってクエストしてないと冒険者って感じしないし。
赤
桃
赤
桃
桃
赤
※第14話参照
桃
「あのおしゃべりが....」と呟きながら目をそらすないくん。図星なのだろう。
いつも何かとからかわれているので、それの仕返しだ。ちょっとくらい罰は当たらないと信じてる。
桃
赤
紫
水
紫
赤
青
黄
桃
みんな揃った賑やかなギルドは日常って感じがして好きだ。ここがりうらの居場所で今生きてる意味。
赤
紫
桃
黄
「地味なやつは嫌だ」とか、「面白そうなやつ無いの?」だとか、みんなで言い合いながらクエストをひとつに絞っていく。
だいたいいつも15分くらいかかる。 楽しいからいいけど、ちょっと時間掛けすぎなのではと思ってしまう。
赤
水
黄
赤
赤
水
黄
紫
青
桃
青
赤
来たのは王都から少し離れた街。 それなりに大きそうだ。
クエストはこの街の向こうの山に居る魔族の武器庫を破壊してほしいという内容だった。
武器庫を壊して、こちらの街へ襲ってこようとしても使えないようにするのが目的なのだろう。魔族の知能はそこそこらしい。
赤
黄
紫
赤
桃
赤
赤
黄
水
赤
紫
紫
赤
赤
赤
青
桃
紫
さっきの街から馬車で1時間。 賑やかな街並みの面影はすっかり無くなって、開けたところに出てきた。
桃
紫
赤
帰りは街まで歩きらしい。 正直道が荒れてて馬車の乗り心地は悪かったけど、歩きとなると結構キツそうな距離だ。早くクエストを終わらせたほうがいいかもしれない。
青
黄
魔族って言うのは魔物と違って知能が高いモンスターのことだ。言葉も喋るし、それが人間の言葉のこともある。
年末に戦った陽炎の道化師もその類。だいたい群れで暮らしているけど、そこから出てきたみたいなところだろう。人の形をしているのが多い。
水
桃
桃
桃
紫
青
黄
桃
桃
桃
赤
紫
水
青
「理想」と言いつつも顔をしかめるまろ。メンバーはみんな人間だ。そう軽々と大切な人を傷つけられるほど薄情じゃないし強くない。
桃
黄
紫
青
赤
まろに魔力を探知してもらいながら先の見えない道を突き進んでいるが、景色は特に変わらない。来た道がぼやけていくだけだ。
これは結構遠い気がしてきた。
桃
青
紫
水
水
黄
青
水
紫
水
黄
水
青
青
水
幻覚魔法の話を聞いて少しピリピリしていたが、いつもの雰囲気に戻りつつあるパーティー。
少しほっとしたけど、ある違和感に気づく。
赤
背中にかかった弓が視界に無い。 さっきまで居たはずの彼がどこに消えたというのだろう。
敵....? 嘘だ。物音ひとつ無かった。
赤
もしや...と思って振り向くと、ここから10mくらい離れたところに見慣れた姿があった。
桃
震える手で宙に弓を構えている。 その目は見開かれてて、宙を瞬きせずに見つめていた。
赤
紫
青
俺の声に皆が振り向く。 その声と同時に、ないくんがスパンっと弓から手を離した。
矢は低い軌道で地面に突き刺さり揺れている。
赤
桃
桃
目線を変えずにぼそっと呟く。 弓は変わらず握られていた。
水
桃
なにか言いかけて口を閉じる。 その目は傷ついた目だった。怒りと悔しさが混ざっている心情が鏡に照らされたように映っている。
桃
桃
黄
黄
桃
青
さっきよりも緊張感が走るパーティー内に、ほとけっちが口を開く。
水
紫
黄
紫
青
水
青
水
強制的にないくんになった。 別に嫌なわけでは無いけど、まろ達のペアが戦闘力的にも少し心配。
でもいつもペア分けがいい感じになるよう口出ししてくれるないくんはさっきの幻覚魔法で傷ついた様子だし...
普段はりうらとないくんが一緒になることはレベル的にもあまりないけど、傷ついた様子のないくんが本領発揮できるとは思えない。そう考えればこのペア分けが妥当な気もしてきた。
赤
桃
桃
「ペア」ということで少し顔が緩むないくん。りうらが安心させられたのなら良かった。
紫
水
赤
赤
黄
水
水
青
青
青
水
青
青
水
水
黄
紫
黄
黄
黄
紫
黄
黄
紫
紫
黄
桃
パシュッ(弓矢
赤
さっきから幻覚魔法にかかるのはないくんばかりだ。それもただ辛い記憶が出てくるんじゃなくて、大切な人が悪になって出てくるらしい。
大切な人に罵倒されるなんてただの地獄だ。顔色がどんどん悪くなっていくし、弓を引くのさえ辛そう。
桃
桃
赤
桃
桃
桃
ただの対抗心じゃん。 体のほうが大事だよ。
そう言いたかったけど、ないくんにとって大切な人に大切なことを非難されたことがどれだけ悔しいかを考えると簡単に言えることではなかった。
赤
赤
赤
先頭の初兎ちゃん達が少しペースを上げ始めて10分。流石にそろそろ幻覚魔法の範囲を抜けられると1分起きくらいに思ってたけど、なかなか抜けない。
全員やつれていくのを見るのが辛い。 けど、それ以上に未だ自分だけ魔法にかかってないのが不思議だった。
赤
桃
10分前の何倍も疲れた顔でこちらを向くないくん。完全に精神的な疲れを受けてる。目だけ光ってて希望は捨ててないけど、だいぶ追い込まれてる。
赤
赤
桃
悲しそうな目で見つめられる。 りうらの過去を知ってるないくんにはお見通しなのだろう。
赤
「りうら」
赤
あの人の声がする。
姿は無い。
「りうら。こっちだ。」
「後ろ後ろ」
「大切な人」 そう思って1番に出てくる人。 幻覚魔法の話を聞いた時に頭の中に浮かんでた人。
俺の恩人の声だった。
赤
「振り向いてくれないのk」
トントンッと足を2回鳴らして転移魔法陣を出す。そこに魔法を乗せて後ろに転移させる。
赤
赤
姿は無かった。
桃
赤
桃
確かに後ろを振り向いて直接毒を当てることだって魔法を出すことだって出来た。頭にはあった。
赤
赤
彼の姿はあまりにも、俺の心に毒すぎるのだ。
紫
黄
水
青
桃
木の周りに座ってとりあえず休憩だ。 幻覚魔法の範囲は抜けれた。
赤
けどみんなの顔はだいぶやつれてて、ほんとにこれから魔族の集落へ行けるのかってくらいしんどそうだった。
あのほとけっちが下向いて喋らないくらいなのだ。相当精神的にギリギリのところまできてるはず。
赤
赤
青
赤
赤
手の上に魔法陣の基礎形を書いて、呪文を唱えて進化させる。 一回り大きくなって赤色に光った。
赤
赤
ピカッ(光
紫
赤
魔法陣の上にはカラフルな花でできた花かんむりが浮かんでいる。 うん。想像通り。
黄
赤
花かんむりを近くに居た下を向いてうずくまったままのほとけっちの頭にぱさっと乗せてから、もう一度唱える。
赤
ピカッ(光
リス
赤
黄
紫
リス
赤
紫
青
赤
赤
黄
赤
赤
青
青
黄
紫
多分みんな「年下に嫌なとこ見せた」とか思ってるんだろうな...別に気にしないのに。仲間だし。
そこがみんなの優しさでもあるから、簡単には貶せないんだけどね
赤
赤
紫
桃
桃
水
前を見たその顔は今まで見たことないくらい疲れていて、頭にある花とはとても対照的なものだった。
でも、目だけ生きてる。
水
水
赤
かっこいいことを言われても、そのやつれた顔を見るとどうしても連れて行く気になれない。
黄
水
紫
水
赤
「でも、死なないでね」 そう言って魔族の集落の方へ足を進める。ほとけっちなりの決意ならば、それを踏みにじるつもりはない。
気持ちは痛いほど分かるつもりだ。
青
紫
水
赤
赤
青
紫
初兎ちゃんの一言に違和感を抱く。
赤
紫
赤
人型ならダメなのだろうか。 感情があったら攻撃しないの?
赤
紫
赤
赤
同じ形をしてようが同じ感情を抱く心を持ってようが、危害を加えるモンスターなのは変わりない。
もしかして、「可哀想」って思ってる?
赤
赤
紫
黄
桃
赤
黄
黄
赤
赤
なんでそっちを庇うように止めるのか、俺には分からない。 魔族の恐ろしさを知らないの?
人の形をしてるからって人に近づいて恐怖心を薄れさせて、親密になった後に残酷に殺す。
俺の恩人は魔族に殺されたのに。
桃
桃
紫
桃
水
青
赤
水
これまた妙な組み合わせだ。
青
青
赤
水
青
水
「物にかけろって言うの?」と、あからさまに嫌そうな顔で言う。たしかに白魔術師の魔法を身体じゃないものにかけろっていうのはなかなかない。
水
青
まるで「できる」と分かってるかのような薄い笑み。よくほとけっちとの喧嘩で煽ってるときの顔だ。
水
水
赤
紫
水
爆弾制作中.....
水
桃
赤
青
紫
水
黄
水
なんだか和んできたから一安心。 やっぱりいつものスカイが1番良い。
黄
赤
赤
紫
紫
赤
首にかかったネックレスを手で持ってみせる。手の隙間、四角錐を上下にあわせた形の中で赤黒い液体が揺れる。
水
赤
赤
2年前くらいに自分で作った毒だ。 毒って言っても体内に入れないと効果が無いわけではなく、ネックレスとして首にさげていても使える。
これで乗り切ったクエストだっていくつもあった。自分で言うのもなんだがそれくらい優れものだ。
赤
桃
青
赤
2人からの視線が痛い。 ついでにアニキからも感じる。
赤
黄
黄
赤
「消えたい」
赤
「1回ここで」の言葉の先って、「やってみてよ」だよね?聞く前に気配消したけど、大丈夫なはず。
あのままじゃ一生行かせてくれなさそうだし。この毒を使ったら5人だって俺がどこに行ったかわからない。その上走ってしまえば簡単だ。
赤
怒るだろうな。
赤
ないくんが弓矢で狙えるような位置に置きかけてためらう。
本当はこの集落の真ん中に置きたいくらいなのだ。魔族が大嫌いだから。 俺の恩人を殺した魔族が憎くてたまらないから。
でも、りうらはここに置かないといけない。仲間がいるから。
赤
コトッ(爆弾を置く
赤
続け
コメント
19件
めちゃくちゃ読むの遅くなりました💦更新ありがとうございます! ほんとに最近寒くてやばいですね、、:;((•﹏•๑)));: 幻覚魔法でみんなボロボロになるくらい怖い魔法ですね、、 でも、そのくらい大切な人がたくさんいるのかなと思いました! 赤くんの恩人や過去に突入すると思うと楽しみです!(>ヮ<*) 続き待ってます!頑張って下さい!(๑•̀ㅂ•́)و✧
そうですね〜最近寒くてもう冬みたいですね、、、 幻覚魔法…怖ぁ、スカイのみんなよく頑張った! 赤くんの過去へん楽しみ!
毎度おなじみ(?)時差コメ失礼します! クエスト三昧だぁ!いぇーい!! いやぁ、幻覚魔法つっら!大事な人攻撃するとか無理なんだけど、後半の話も幻覚だったりして…とか考えると頭おかしくなるぅぅぅ… おお!ついに赤くんの過去が!楽しみにしてます!! 続きもがんばれ〜!待ってるよおお!