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Sho.side
潤
確かに
電卓を取りに行ってくると言って、10分くらいは戻ってきてない。
翔
潤
潤に言って
生徒会室を思い切り飛び出した。
教室まで長い廊下を走った。
翔
教室まで行くと
大野と仲良さそうに話している姿を見て
思わず
名前を呼んだ。
優
まるでいつからいたの?
みたいな
目をまん丸にさせて俺を見た。
翔
気まずそうに聞く俺に対して、優は俺の大好きな笑顔でこたえた。
優
その大好きな笑顔を
俺じゃなく
大野に対して。
智
優に対して
大野の優しい笑顔があった。
まるで
彼氏が彼女に優しく微笑むような…。
その時
俺、気づいたんだよ。
あぁ…。
俺には入る隙ないなって
いつも周りから
俺と優はお似合いと言われてきた。
そんな俺はどっかで
余裕があった。
浮かれてたんだよな。
優の理想の男になれるように
勉強も頑張って
サッカーもエースをとって
生徒会にも
入れて。
優の隣にいつもいれるポジションがほしくて。
大野に対して宣戦布告をしたばかりなのに。
やっぱり俺って
いつもこういう立場なんだよな。
早く想いを伝えてれば
俺の大好きな笑顔を
俺だけに向けていたかもしれない。
優
そんな優しく笑うなよ。
優
俺の大好きな笑顔を
見た瞬間
俺は思わず
優
抱きしめた。
大野くんにまた明日と告げて
急いで教室に行き
電卓を取って
翔くんのところに行こうとしたとき
翔くんにじっと
見られていて。
優
って言ったけど
返事はなくて。
そんな翔くんが
少し面白かった。
優
二回目翔くんを
呼んだとき
私の体は
無理矢理翔くんに
引っ張られて
すっぽりと…
翔くんに
抱きしめられた。
優
男の子に抱きしめられたのは、生まれて初めてで。
それも
こんな夢の王子様みたいな人に抱きしめられるなんて。
私の心臓は
バクバクだった。
なんで抱きしめられているかも分からず
この時
どうすればいいか分からなくて
少しパニックに
なっていた私に対して
翔くんの抱きしめる力は
どんどん強くなるだけで。
優
こんなことを
この私に絶対にしない
翔くんに
大丈夫?
しか言えなかった。
翔
私の肩に顎を置きながら
喋る翔くん。
翔
優
翔くんの言っている意味が全然わからない…
翔
ただ1つわかったのは
翔くんが
泣いているということ。
優
翔くんが泣いているのは初めてで
正直どうしていいかわからない。
泣いている翔くんを
突き飛ばすなんて私には出来なかった。
だから
私も大きな背中に思わず手を回してしまった。
翔
翔くんは少しびっくりした感じで、私の名前を呼んだ。
翔
うん
って返事の代わりに翔くんにわかるように頷いた。
それと同時に
翔くんが私を抱きしめる力が強くなっていた。
その間
私の心臓はバクバクしていて。
なんで抱きしめられているかもわからないのに
なんだか心の中は
嬉しい。
こんなキモチ
初めてだった。
大野くんのときとは、違う感じのドキドキ感。
なんなんだろう…
よくわからない感情があった。
少しして時間経ったとき
翔
少し困った笑顔で
私から体を離した。
優
翔
なんだろ…
翔くんの笑顔を見ると
ドキドキした
優
いつもと違う翔くんに
ドキドキしてる。
翔
そう言って
先に歩きだした翔くん。
翔くんの背中は
抱きしめたときは、大きく感じたはずなのに…
なぜか
小さく感じた。
優
翔
にっこりと微笑む翔くん。
優
翔
なんだろ…
翔くんの優しい笑顔を見ると
どうしても
彼の…
大野くんのふにゃりとした笑顔が頭によぎる。
潤
鼻と唇の間に唇を尖らせながらボールペンを挟む
いかにも暇でした、の
潤くんがいた。
翔
潤
何事もなかったかのように、嘘をついた翔くん。
そりゃあんなことを言えないけど…
なんか…
胸がおかしくなった。
優
潤
同じクラスの相葉雅紀くん。
頭は少しお馬鹿だけど
スポーツ万能で
ルックスと顔が
とてもいい相葉くんは
人気者で
生徒会入部になった。
・
…が
大好きな部活のバスケを
優先する相葉くん。
もう引退した立場なのに…
ガチャッ
雅紀
いきなりドアを乱暴に開けて、息が上がりながら言った相葉くん。
優
雅紀
相葉くんは
私にキラキラした太陽みたいな笑顔を見せて言った。
…そんな顔されたら
私が断れないのを
知ってて
使ってる…
雅紀
そんな私は
いつも許してしまう。
そんなことをしていると
さっきとは変わって
控えめにドアを開けてきた、小さなカワイイ女の子が入ってきた。
潤
優
遠藤さんって誰?
って聞こうとした瞬間
耳がキーンってなるほどに、大声を出した
雅紀
相葉くん…。
翔
私が聞きたいことを
すかさず聞いてくれた翔くん。
潤
潤くんと同じクラス
ってことは私たちの一個下っていうことかぁ。
・
なんで
相葉くんが?
雅紀
莉子
小さく、顔を真っ赤にさせた莉子ちゃん。
カワイイー//
潤
雅紀
莉子
優
莉子
モジモジしながら
話そうとしている莉子ちゃん。
優
莉子
…え?
莉子
潤
潤くんが早口で
莉子ちゃんに伝える。
雅紀
私も潤くんのいきなりの対応で戸惑いが隠せなかった。
潤
潤くんはみんなに聞こえないように
潤
と言った。