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緯度140°の夢

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緯度140°の夢

9 - 花弁で彩られた出会いへの道 ②

♥

72

2025年11月18日

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何も、苦手なのは集団生活や視線だけじゃない。強制的なグループワーク、同調圧力、正常性バイアス。それらをまとめて集団生活というのかもしれないけれど。

息苦しい。息ができない。生きづらい。 ─苦しい。

 

ねぇ、もしかして──

 

─貴方が、例の伊堂恵子…ちゃん?

伊堂 恵子

………!!は、はい。伊堂恵子ですけど……

私の思考を突き破ってくれた恩人にも近いその人を、何故だか分からないが少し気味悪く思ってしまった。

 

ほわやあすかから話を聞いててさ

 

………あ、ごめん。名前…

流星 うるう

私は流星うるう。さっきの言葉でわかったかもだけど、ほわとあすかの友達だよ

リュウセイウルウ。そう名乗った彼女は、向日葵のような黄色の髪色と緑色の瞳が印象的だった。 エメラルド。その瞳の色を見てすぐ出てきた言葉は、緑色=エメラルドという思考になっているからだろうか。

伊堂 恵子

……よろしくお願いします。私はさっき自己紹介した通り、伊堂恵子です

流星 うるう

えーと………あと、この子

うるうさんが「この子」と言うのと同時に、私の机の横からぴょこっと顔が飛び出してくる。

鳴神 かりん

…鳴神かりん。よろしく頼も〜ぅ

ナルカミカリン。こっちの瞳は海の色だ。水色の髪はくせっ毛なのかあちらこちらにはねているというのに、なんだかそれも計算されつくしているかのように思えた。パッと見身長は低めで、フワフワした喋り方と独特の雰囲気でなんだか可愛い。

伊堂 恵子

かりんさんも、よろしくお願いします

鳴神 かりん

うん。一応隣の席だし

流星 うるう

私は左前で、あすかが私の後ろ、ほわは残念ながら右端の席

狐鈴 ほわ

駿河先生は許さない

東雲 あすか

まぁ、あんまり固まりすぎても困るんじゃないかな………教師目線で

狐鈴 ほわ

えー……絶対私だけ意図的だよ……先生のことだから

流星 うるう

………先生に聞かれても知らないからね?

鳴神 かりん

そこにいるよ

狐鈴 ほわ

え゛っ

東雲 あすか

あー…

ニッコニコだ。凄い怖いけどニッコニコだ。

駿河

……今日は、不問にしておくとして

駿河

教科書は机にしまっておいたから、時間が空いたら確認しておいてね。何か困ったら、僕とかこの子達……あと他の先生に言えばいいよ

流星 うるう

うん!私に任せて

鳴神 かりん

力になれるかはわからないけど……

伊堂 恵子

ありがとうございます

なんか机が重いと思っていたら、教科書が入っていたのか。

駿河

じゃあね。一限目は数学だよ

狐鈴 ほわ

数学 Ⅰ!!

駿河

………うん、数学Ⅰだよ

やっぱり、異世界でも学ぶ内容はあまり変わらないのかな………?二週目だから多少楽になるといいんだけど…。

数学は、特に何も変わらなくて。 体育も、だいたいは同じ内容で。

違和感があったのが、三限目の社会と四限目の国語だった。

社会はよく分からない状況で場面が進むし(途中からだから尚のことよく分からない)、国語はよく分からない物語文があった。

異世界なだけあって、私が知っている世界とは根本的に違うらしかった。

実際空いてることはないでお馴染みの屋上は、普通に空いていた。私達と同じで昼食を取る者が何組か見える。

伊堂 恵子

(天界制度・魔界制度………?)

どう考えても美味しそうな弁当(ほわさんお手製)を食べながら、私は意味不明な単語について考えていた。

狐鈴 ほわ

お困りかね、恵子クン!

伊堂 恵子

はい、お困りです

狐鈴 ほわ

二限目まではよかったけど、急に顔が険しくなったからさ。何かあったと思って

伊堂 恵子

本当にその通りです。…三限目と四限目のことについて、気になっていて……。特に社会は

伊堂 恵子

なんか、よく分からないんですよ。私が知ってる歴史と違うというか……

あっ。

私って、異世界転生したこと言ってなくない?普通に受け入れてしまったけど。

狐鈴 ほわ

…なるほど、ねぇ

傍から見たら違和感じゃない?いや、そもそも、いきなり神社に座り込んでいた時から違和感は凄いか。

狐鈴 ほわ

もしかしたら、記憶喪失とかだったりして?そうじゃなくても、記憶が朧気だったり……

記憶が朧気。たしかにそうだ。

狐鈴 ほわ

君の事情を完全に理解したわけではないけど。君はなんだか大変な事情があるように見えるから

狐鈴 ほわ

まぁ、私に頼ってくれたらいいよ。だって私、生き証人みたいなものだもん

伊堂 恵子

……ほわさんって神様らしいですけど、何年生きてるんですか?

狐鈴 ほわ

…………秘密。千年は超えてるよ

伊堂 恵子

ひぇ………

本当に生き証人とは思わないじゃん!

暫くは勉強しないとよく分からないかもなぁ。でも、勉強自体は面倒なだけで楽しいし、苦ではないかもしれない。

…なんかなんとでもなる気がしてきた。そうじゃなくても、そう思っていた方が何とかなるものだ。多分。

孤狼 なぎさ

………ねぇ

 

何?

孤狼 なぎさ

この連絡方法やめない?何が悲しくて現代でトランシーバーを使って会話しなきゃならないのさ

 

いいじゃん、楽しいんだから

 

ボトルに手紙を詰めて海に流すとか、手渡しするとか、鳥に任せるとかするよりはよっぽど早いでしょ

孤狼 なぎさ

もっと便利な物あるよ絶対

孤狼 なぎさ

いつも君は古い

 

これでも食いついてる方だわ

孤狼 なぎさ

うん。相対的に考えればの話ね?

孤狼 なぎさ

君の知人は古い。そのせいで君が古くないみたいになってるけど、客観的に見たら君は古い

 

古い古いうるさいな〜。君だって古い方なんだからさぁ………

 

いいや。で、どう?そっちは

孤狼 なぎさ

今のところは問題ないよ。僕が知らない人物は対処できないだろうけど

孤狼 なぎさ

ん?あれは………

 

………?

 

………

 

…ちょっと、聞こえてる?何かあった?

孤狼 なぎさ

違う。ただの鴉だ

 

カラスねぇ。私の子じゃなくて?

孤狼 なぎさ

違うよ

 

カラスでもなんでも、とりあえず警戒を………

 

あ、昼休み終わる。じゃ

孤狼 なぎさ

はーい。じゃあこれで

狐鈴 ほわ

(……カラス。カラスになんで引っかかる必要が………?)

狐鈴 ほわ

(何か異様な雰囲気でも漂っていたのか?殺人が起きたとか?それとも不穏の予兆でも感じ取った?)

狐鈴 ほわ

(いずれにせよ、警戒はしておかないと)

伊堂 恵子

あーっ!!ほわさん!!

狐鈴 ほわ

伊堂 恵子

こんなとこにいたんですね。急がないと五限目始まりますよ

狐鈴 ほわ

うん、今行くよ

狐鈴 ほわ

(………伊堂恵子。)

伊堂 恵子

誰と会話してたんですか?

狐鈴 ほわ

え?

伊堂 恵子

ほわさんが持ってるそれ、トランシーバーですよね?だから、誰かと話してたのかなって

伊堂 恵子

それにしても無線機かぁ。夢があるなぁ………

狐鈴 ほわ

……うん。よく分かったね

狐鈴 ほわ

よければ貸そうか?

伊堂 恵子

えっ、いいんですか!?やったー!

狐鈴 ほわ

(年齢的にも見た目的にも精神と言動は子供のように感じる。なのに変に大人びているような………)

狐鈴 ほわ

(でも。時々見せる闇みたいに虚ろな目は、一体なんだろう………。違和感が拭えない)

狐鈴 ほわ

行こう!先生に怒られたらたまったもんじゃないし

狐鈴 ほわ

(信頼したいけど、警戒はしておかないと)

花弁で彩られた出会いへの道 ②

流星 うるう

じゃあ、私達はこっち側だから!また明日〜!

鳴神 かりん

また会おーぞー!

東雲 あすか

また明日〜!

伊堂 恵子

はーい!また明日ー!

なんだかんだで残りの二限も乗り切って、今日の分の学校が終わりました。

東雲 あすか

……ほわ、遅くない?

うるうさんとかりんさんは家の方向が違うので先に別れた。その前に「忘れ物があるから取りに行ってくる」と言って戻って行ったほわさんがまだ帰ってこない。

伊堂 恵子

たしかに。時間的にもう帰ってきてもおかしくはないですけど………

東雲 あすか

ちょっと見てくる。もしかしたらなんかあったのかもしれないし。ちょっと待ってて

伊堂 恵子

うん、行ってらっしゃい

大きかったり重い荷物だったりするのかな。でも、そんな物ほわさんは持っていたっけ………?

孤狼 なぎさ

…ご機嫌いかが?

伊堂 恵子

……もう驚きませんよ?

孤狼 なぎさ

えー、つまんないの

伊堂 恵子

……ほわさんが忘れ物取りに行くって言ってから戻ってこないんですけど、何かあったんですかね?

孤狼 なぎさ

僕的には、多分何も無いと思うけどね。多分もうすぐ帰ってくるよ

伊堂 恵子

…やっぱり、杞憂でしょうか

孤狼 なぎさ

あらゆることをケアできるし、僕は別に心配性なのも悪くないと思うけどね

伊堂 恵子

…………なぎささんは何で来たんですか?

孤狼 なぎさ

……え、僕が嫌だ?傷ついちゃうな…

孤狼 なぎさ

……。この前、君を狙っている連中がいただろう?

伊堂 恵子

ああ、たしかヒバリ?だか、そういう名前の

孤狼 なぎさ

そう。そういう奴らがいないか、僕は引き続き見張っていてね

孤狼 なぎさ

まぁ、君を一人きりにするのも少し危険なわけだよ。あの連中じゃなかったとしても、世の中には良くない人がいる

伊堂 恵子

……はあ、なるほど。ありがとうございます

孤狼 なぎさ

あとは少しの間君の話し相手

伊堂 恵子

なぎささん、そっちが楽しみで来たみたいなテンションですけどね今

孤狼 なぎさ

ふふふ。そうかも

孤狼 なぎさ

………あ、ほわ達が帰ってくるよ

伊堂 恵子

……本当だ。僅かに音が聞こえてきますね

孤狼 なぎさ

一つ、約束してくれる?

伊堂 恵子

内容にもよりますけど、何ですか?

孤狼 なぎさ

─路地裏には、近づかないでね。

孤狼 なぎさ

…じゃ!

伊堂 恵子

(路地裏なんて、好んで行く場所じゃないのに………。言われなくても、行く機会なんてないと思うけどなぁ)

狐鈴 ほわ

遅くなってごめーん!!

伊堂 恵子

あ、おかえりなさい

狐鈴 ほわ

お金落としちゃってさ。探してたんだよ

東雲 あすか

ケチ

狐鈴 ほわ

お互い様でしょー?

狐鈴 ほわ

………じゃ、帰ろうか

路地裏には、一体何があるのだろうか?私の中の好奇心が蠢く。囁く。動き出す。 ろくなものがあるわけないのに、それでも恐怖心にも似た好奇心は騒ぐことを止めない。

「路地裏に何があると思う?」「見てみないと分からないよ?」「だって、あの言い方が悪いじゃない」「少しくらい覗いても、許されるよ」「見ないと、何も分からないんだから」「想像の範疇からは出ないよ」

路地裏から、路の奥から、誘惑の声が聞こえる。無視しろ!!

強い衝動には、強い欲求には、勝てない。 私はまるで、見た目だけじゃなく心まで子供に逆戻りしたような気がした。

『花弁で彩られた出会いへの道 ②』 終 NEXT 『花弁で彩られた出会いへの道 ③』

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