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どうやったらそんなに濃い良い小説が何個も作れるんですか💢💢
鏡。それは目の前に映る物を反対にして映し出す。 「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」なんて言っても、自分しか映らない。 ―――けれど、そんな物が映らない不思議な鏡がある。 それは鏡なのかどうかも未だによく分かっていない。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 「どうして?どうして、僕はこの中に閉じ込められているの?」 僕の名はゾーラ。普通の人間……なのだろうか。 鏡に閉じ込められてからおよそ××年は経った。 何故、こんな所にいるのかは未だに分かってない。 そんな中で、僕はずっと、この鏡を使っている人を見てきた。 「―――綺麗な人だなぁ」 そんなことを思いながら、彼女のことを見ていた。 相手は僕が居るって、見てるって知らないみたいだ。 だから、ずっと見てた。 勉強中の集中してる顔。 スマホで音楽を聞いてる時の顔。 何かあったのか……とても悲しそうな顔。 彼女の色んな表情を見ているうちに、僕は―――。「彼女が好きなんだ」と気づいた。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 それからというもの、僕は暇さえあれば彼女を見ていた。 いつもとやることは変わらないけど……。 表情だけではなく、呼吸、眉、部屋の中―――などと、よく彼女のことを見るようになった。 壊したいくらいに彼女が好きだ。 自分のモノにしたい。 本当に、愛しているんだ。 ―――でも、ある日事件が起こった。 彼女が僕の存在を知ったんだ。 何故かは分からない。 勉強をしている時に、ふとこちらを見つめてきたんだ。 そしたら、「きゃああっ!誰っ!?」って叫ぶから―――。びっくりしたよ。 なんでだろう。何故、急にこちら側に気づいたのかな……? その後は、酷かった。 僕―――鏡は捨てられてしまった。 怖かったなぁ。あの時は。 何故だろうか。僕はこんなにも彼女を愛していたのに。 何故だろうか。この思いはまだ伝えていないのに。 ―――早く、帰らないと。 そう思って、鏡に手を当てた。 勿論……出ることはできない。 手が、顔が、全てが血塗れになった。 血でドロドロしていて、気持ちが悪い。 それでも、この思いが消えることは何があっても絶対にありえない。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 その後、この鏡は欠片になってしまった。 でも、その部分がまた使われたみたいだ。元々、大きな鏡だったから。 そして―――また、彼女の元に帰ってくることができたんだ。 これは、偶然じゃない。奇跡だ。 神様は、僕らのことを応援してくれているんだ。 だから、その期待に答えないと―――♥ そう、これからも、ずっと一緒。 安心してね。守ってあげるから。 永遠に、僕は貴方を見つめているよ。